未だに続く新型感染症の影響で、昨年は思うように釣行できなかった期間も多かった。それでもやはり、釣り人にとって現場で釣りをすることは、かけがえのない時間である。そこで、業界で活躍する10人のエキスパートに、2020年の印象的な釣行ストーリーを取材した。今回はテレビや雑誌、動画などで引っ張りだこの大人気アングラー・ヒロセマンの2020年メモリアルフィッシュをご紹介しよう。
ルアーフィッシングエキスパートであり、ビギナーの味方!我らが「ヒロセマン」
【Profile】
広瀬逹樹(ひろせ・たつき)
メジャークラフトに勤務し開発を担当。また同社のアクチュアルキャラクター“ヒロセマン”として淡水、海水を問わず全国各地のターゲットに挑み、ルアー釣りの魅力を発信している。
ヒロセマンの2020年メモリアルフィッシュがこちら!
捕獲ポイント
道央エリア(北海道)
北海道は河川や湖沼など内水面を除く沿岸部で、規則を設けた上でサケ釣りが可能なエリアが多い。札幌や苫小牧など都市部からアクセスが良い道央エリア太平洋側沿岸も人気のアキアジ釣りフィールドだ。
サケのパワーと釣り人たちの熱気に驚愕の北海道釣行
初のアキアジ釣りで度肝を抜かれる
僕の昨年の印象に残る魚は意外かもしれませんがサケです。釣ったのは9月。サイズは80cmくらい。昨秋、クロステージに北海道サーモンモデルを追加して、それを試しに初めて北海道のサケ釣りに行きました。サケは北海道ではアキアジと呼ばれる人気の釣魚で、僕もいつかは釣ってみたいターゲットの1つでした。
実釣は、初めてなのでまず現地の釣具屋さんで仕掛けの調達からはじまります。ウキルアーという独特の仕掛けで、飛ばしウキの先にスプーンがあってフックにはタコベイト。それだけではなく、フックにくっさい魚の切り身を付けないと絶対に釣れない、と釣具店の方に頑なに言われました。
釣り場は河口域ですが、現地に着いて驚いたのが釣り人の多さです。釣れる場所は、釣り人が集中して隣との間隔が50cmくらいしかない。さらにびっくりさせられたのが今、俺の後ろから投げた? 横並び2列体制もありなん? という状況もありました(笑)。
それでも誰一人、文句を言わずに釣っていました。駐車やゴミのマナーの問題も含めて、北海道の熱狂的なアキアジ釣り文化から衝撃を受けました。
僕はその環境に馴染めず河口の外の砂利浜で釣りをしました。釣り方はウキルアーを遠投して、ひたすらデッドスローで巻くだけ。釣り方自体は簡単です。
実釣を開始して最初に釣れたのは、50cmくらいのオスのカラフトマスでした。これも初めの魚でめちゃくちゃ喜んでいたら、地元の方からショアジギでいえば「エソを釣ってそんなうれしい? 」という顔をされました(笑)。
その後にサケを釣ったわけですが、地元のアングラーに聞いていたのはガツガツ、ガツガツと喰ってくるけどそこでアワせたらダメだ、と。ガツガツの後にゴンッとティップが入ってからアワせるとアドバイスされていて、タイラバみたいな感じやなと思っていたんですけど、僕のはいきなりギューンッとひったくっていきました。
引きも強かったです。周りに人が少なくドラグは強く締めていなかったので走られましたけど、締めてからは北海道サーモンモデルはバットが強いので、サケの引きをしっかり受け止めて寄せることできました。銀ピカのメスでお腹には卵がたっぷり。念願の魚を無事キャッチできました。次の機会があれば、くっさい魚の切身は付けずにルアー単体で自分なりの考えでチャレンジしたいですね。
HITパターン
遠投してデッドスローで巻くだけ
基本は遠投してデッドスローで巻くだけです。飛ばしウキとスプーンにウェイトが分散する長い仕掛けをいかに遠くに飛ばせるかが重要になります。クロスステージの北海道サーモンモデルは胴にのせやすい調子で、ロッドを曲げて反発力で楽に飛ばせる設計になっています。
HITルアー
郷に入っては郷に従う地元必釣仕掛け
サケ釣りはど素人なので、地元の釣具屋さんでこれは持ってけ! と言われたものを使いました。フロートは、自分のルアーがここにありますよという周りの人への目印でトラブル防止の役割もします。ちなみに釣り人密集地帯でかけたらは、ドラグは1mmも出さずにゴリ巻きで寄せます。
●仕掛け:市販ウキルアー仕掛け(※フロートM、仕掛け長ひとヒロ弱)
●スプーン:ノースX45g(フィールドハンター)
●タコベイト:タコベー平行針(ヤマシタ)
使用タックルデータ
サーモン専用ロッドのしなやかさとパワーが初サケ捕獲に貢献
【スペック】
●ロッド:クロステージ北海道サーモンモデルCRX-1103サーモン(メジャークラフト)
●リール:LT4000番台(DAIWA)
●ライン:弾丸ブレイド1号
●リーダー:弾丸フロロショックリーダー20lb(以上メジャークラフト)
釣行後の楽しみも!北海道と三重がコラボした超贅沢紅白丼
このサケ釣りには後日談がありまして、1週間後に三重の磯でショアジギをしてマキジグ40gで50cmくらいのクエを釣ったんです。家にはイクラがある。ということでイクラとクエの紅白丼という贅沢なメニューを思いつきました。料理は下手なので美味そうに見えないけど、味は最高でした。
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