プロカメラマンが教える! 魚料理が“美味しく見える”スマホ撮影のコツとは!?【ルアマガ フォトギャラリー 久保田憲編#5】



これまでルアーマガジン、ルアーマガジンソルト、ルアーマガジンリバーなどにおいてルアーやタックル、ギアなど数々の撮影を行ってきたプロカメラマン・久保田憲氏の写真をルアマガプラスにて特別公開! 今回は番外編SP!なんとプロカメラマンが魚料理を「美味しく魅せる」写真の撮り方を伝授。なんでも皆様がお持ちのスマホと+αの簡単な道具があればOKとか。釣り人や料理好きから、主婦や奥様も絶対見るべし!勿論、久保田さんの珠玉の作品達もバッチリご紹介しますよ!

【Profile】

久保田憲(くぼた・けん)

1999年〜写真スタジオのアシスタント、カメラマンを経て、2005年〜フリーカメラマンへ。
東京都台東区のスタジオを拠点に、広告、出版物、Web等の物撮影をメインに活動しています。釣り具の撮影に携わること16年。これまでに撮影してきた釣り道具は、ロッド、リール、ルアー等、のべ十数万点。
魅力的な被写体を、より魅力的に伝えられるよう日々奮闘中。趣味はキャンプと釣り。仕事柄釣りの知識ばかり増え腕が追いついてないが、時間ができれば海へ川へとロケハンという名の釣行へ。なかでもエギングが大好きで、自他ともに認める軟体好き。ネコ好き。日本酒好き。絶叫マシンとニンジンが苦手。


いきなり番外編です(笑)

自ら釣った魚で一杯というのは釣り人の特権であり、釣りをする人の楽しみのひとつでもあります。また、その成果を写真に撮って釣り仲間やSNS等で自慢するのも楽しみのひとつだと思います。どうせなら写真を見た人に「美味しそう」と言わせたいですよね。そこで、スマホで簡単に「美味しそう」に撮る方法をご紹介します。

用意するもの:ダンボール、アルミホイル、コピー用紙(※大きさはA4くらいが使いやすいです。)

段ボールにクシャクシャにしたアルミホイルとコピー用紙を貼り付けます。


これでレフ板の完成です。アルミホイルをクシャクシャにした理由は光の反射を抑えて穏やかにする為です。また、銀レフと白レフにした理由は質の違う反射光で抑揚を出す為です。

撮影の方法ですが、スマホの特別な設定はいりません。重要なのは「自然光」のみを使い、「逆光」を意識する事です。

「自然光」とは室内に入る太陽光の事です。室内の照明を消し窓際などで「自然光」のみで撮影します。窓際に料理を配置する事で自然と逆光気味に光が当たります。逆光気味に光が当たる事で、料理写真に必要な、みずみずしさやツヤ感が生まれます。ただし逆光にする事で手前側は影になり発色も悪くなってしまいます。

そこで、先ほど作ったレフ板の出番です。手前の影の部分が明るくなるような角度にレフ板を配置します。

後はスマホのシャッターを切るだけですが、可能であれば少し明るめに撮るとより「美味しそう」になります。

実際にスマホで撮影したものがこちらです。


いかがでしょうか。「美味しそう」ですよね。

また、室内のシーリングだけで撮影したものがこちらになります。


先ほどの写真に比べると、ツヤもなく色もあまり良くありません。

文章にするとそれなりに長くなってしまい難しく感じるかもしれませんが、実際に撮影してみると、とても簡単です。大切なポイントは、

1:自然光のみで撮る。
2:逆光を意識する。
3:レフ板を使う。

です。せっかくの釣果ですから「美味しそう」に撮って、釣り仲間に自慢しましょう!

釣車を代表する「ランクル」と、温故知新なバスルアー「ビッグバド」を組み合わせた特集企画の意図とダイナミックさを表現した1枚

ルアーマガジン2019年12月号掲載写真。


久保田「『俺の釣車』という特集に合わせた表紙用の写真です。編集部の方との打ち合わせで、『車の特集だけど、釣り雑誌とわかるようにしたい』という話になり、実車を使うと車雑誌のようになってしまうので、模型を使いルアーと一緒に撮る事にしました。

親交のあるプロモデラーに製作を依頼し、ジオラマと書き割りを背景にスタジオで撮影しました。ルアーが巨大に見える不思議な写真になりました」



精巧なリールパーツと、リール本来の美しさを最大限に引き出した光とグラデーションの絶妙なベストバランス!

※ルアーマガジン2016年2月号掲載写真。


久保田「ベイトリールのブレーキシステムに着目したイメージカットです。サイドカバーを開けブレーキとスプールを配置しただけで、カッコ良くなってしまったので、これといって特別な事はしませんでした。被写体の立体感が出るようにグラデーションを入れ、黒バックの背景に溶け込まないようにハイライトを入れました。撮影の技術や知識はもちろん大切ですが、被写体そのものが持つ美しさに勝るものはありませんね」

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