アジングの再現性を高める1.5gジグ単ローテ【デイアジングのポイントも紹介!】



瀬戸内海のアジングエキスパート・丹羽喜嗣さんが提唱する『ジグ単1.5g論』。再現性を高める上でもこのウェイトは大きな利点を持つという。また、1.5gだからこその展開の速さは、デイアジングでも役立つとか。その真相を丹羽さん自らが解説!

【Profile】

丹羽喜嗣(にわ・よしつぐ)

瀬戸内海をホームに活躍するライトゲームのエキスパート。とくにアジングは豊富な知識と経験を持つ理論家で、全国各地のアジングフィールドを釣り歩き、確かな腕を実証している。

日中はレンジの急変がバイトを誘う

丹羽さんは朝マヅメの実釣で、こんな事象に遭遇したという。

丹羽「沖の表層と手前の中層。2系統のアジがいました」

最初に見つけたのは沖の表層。

丹羽「TGファインヘッド1.6gは沈みすぎ。1.2gでギリギリ届いて着水直後の巻き出しでバイト。ウェイトを軽くすればもっと釣れるけど、そうすると届かない。ジグ単で釣る魚じゃない。フロートで軽いジグヘッドを飛ばして、漂わせて喰わせる魚です」

と切り捨て。

丹羽「ジグ単でもっと喰わせやすい魚はいないか!?」

と探り当てたのが手前の中層だ。

丹羽「TGファインヘッド1.2gで最大カウント20くらいまで沈めて、中層を探ったら立て続けに釣れた。ジグ単の釣りとしては、こちらが正解」

――その場合、どのように攻めれば?

丹羽「小魚を意識していたのでただ巻き。ナイト同様、朝マヅメはただ巻きでも喰います。ただ、デイになると喰わない」

フォールと巻きでジグヘッドを使い分ける

実釣時のアジは小魚喰いがメインでただ巻きに好反応。丹羽「頭からガブッと喰うのでハリ先が上向きの通常のジグヘッドがフッキングが良いです。フォールに反応するアジは吸い込みバイト。ワームの下で垂れ下がるハリが先に吸い込まれるカケガミは断然フッキングが良いです」

ソアレ・カケガミ(シマノ)

チラシバリ風のフックはフォールやレンジキープ中の自由度が高い。アジの吸い込むバイトでハリが先行して口の中に入り、神がかり的なフッキング率を実現。

ソアレ・TGファインヘッド(シマノ)

ただ巻きではヘッド目掛けて喰うことが多く、一般的なジグヘッドがかかり抜群。TGファインヘッドはヘッドがタングステンでコンパクト。日中などクイックなアクションが効くときにも有効。

――では、デイの釣り方は?

丹羽「キモはレンジを急激に変えます。例えば着底後、パパパッと中層くらいまで跳ね上げる。あるいはボトムでレンジは小幅でもクイックに動かす。結局、アクション後にフワンッと漂わせたほうが良いのか。ストンッと落としたほうが良いのか。喰わせの間はナイトと共通します」

丹羽「日中にジグ単で喰わせるなら、何らかのアクションをつける。キーになるのがレンジを急激に変えることです。着底後、中層付近まで跳ね上げたり、ボトムでパパパッと動かします。クイックに動かすときも重めのジグヘッドが操作しやすい。私は3gも普通に使います」

――ナイトとは仕掛ける操作が違う、ということですね。

丹羽「その操作ですけど、私が常々言っているのは、少なくともアタリが出た瞬間の前の前の操作からしっかり頭にメモリーしておくことです」

――例えばアタリが出る前に1~5の操作をしたら4、5だけでなく1から覚えていたほうが良い?

丹羽「そう。要は再現性が高まります。真のヒットパターンにつながりやすい。再現性の構築も操作感が得やすい1.5gからはじめるのが有利。釣果アップの秘訣はここにあります」

アタリがあっても操作を把握していなければ偶然で終わってしまう。nににwにわ丹羽「レンジキープ中にアタリ。その前の操作はカウント5沈めている間にチョンチョンと2回誘って、とアタリが出るまでの一連の動作を記憶しておけば、再現できる。正解に近づけます」


極めポイントをチェック!

デイアジングが成立しやすい条件

・年間通してアジの魚影が濃く釣果が安定しているエリア
・アジの産卵エリアに隣接する漁港
・アジが警戒せずに捕食できるシェード
・日中にサビキ釣りで釣果が出ている釣り場

丹羽「宇和島をはじめ、広島、山口の瀬戸内海島しょ部などの西日本エリアは初夏からデイゲームでも釣れるようになります」。

丹羽さんが挙げるデイゲームが成立する主な条件は次のとおり。

丹羽「ただし常夜灯のベイトに依存しているアジは、日中はほぼ釣れないです」

ワームのカラーは深堀り無用! 系統別に厳選

丹羽「小魚を喰っているときはチャートグローやホワイトグローが効きます。甲殻類やゴカイなどの多毛類を捕食しているときはオレンジ系。いつでもどこでもアジの反応が良いクリア系のクリアラメ、クリアグローなど。ワームのカラーは地域性もありますが、これらの3系統の色があれば幅広い状況に対応できます」

タックル考察

ロッドのしなやかさと張りを使い分け気まぐれなアジを攻略

丹羽「S58SUL-Sは非常にしなやかなティップを持ち、フォールや巻きで吸い込みが弱いなどシビアなバイトが出るときに使用。S510SUL+ -SはS58SUL-Sより張りはあるけどパツパツではないからアジがスレにくいアクションがつけやすい。速い流れや深いレンジに対しても操作しやすいです。S80L-Sは3g以上のジグヘッドを使った多魚種狙いに用意。つい先日もこれで60cm強のマダイを獲りました」

使用タックル

右から●ロッド:ソアレS58SUL-S●リール:ヴァンキッシュ1000SSSPG●ライン:サイトレーザー0.3号●リーダー:ソアレリーダーEXフロロ5lb●ロッド:ソアレS510SUL+ -S●リール:ステラ1000SSSPG●ライン:サイトレーザー0.4号●リーダー:ソアレリーダーEXフロロ5lb(すべてシマノ)●ロッド:ソアレS80L-S●リール:ステラC2500SHG●ライン:ピットブル8+ 0.5号●リーダー:ソアレリーダーEXフロロ6lb(すべてシマノ)

『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報

『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』

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このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。

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  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)