前回はハゼクランクのロッドの選び方をお伝えしました。今回はリールとラインを選び方をお伝えしていきます。初級者に優しい安価なリールから、おすすめリールの紹介。そしてリールに巻くライン、さらにルアーを接続するリーダーラインは何を選べばいいのか、素材から太さまで、すべてを解説していきますよ!
吉田光輝さんプロフィール
【Profile】
吉田光輝(よしだ・こうき)
ロブルアーでハゼクランク用のクランクベイトのテスターを務める。年間を通して主に東京湾奥でシーバスを狙いつつ、大型魚から小型魚まで様々な釣りに精通。夏から秋はハゼクランクに入れ込み、ハゼクラの数少ない公式釣り大会「Hz-1グランプリ」では、和やかな雰囲気の中で黙々と大型ハゼを狙い撃ちして大人気なく優勝をもぎ取っていく釣技の持ち主。YouTubeチャンネル【reLight調査隊】ボス。
リールのサイズは2000番がおすすめ
まず、ハゼクラで使用するリールのサイズは、番手でいうと1000番~2000番がおすすめです。意外かもしれませんが、一般的には2000番を使用することが多いです。
なぜかというと、ハゼクラをやっていると、意外な大物ゲスト魚が掛かることとがあるためです。アカエイやトビエイ、スズキ、クロダイやキビレは定番ゲストといえるかもしれません。これらの魚が掛かることを想定すると、より軽量で感度重視となる1000番台よりも、2000番の方が安全性が高いといえます。
リール選びで気を付けるポイント
ハゼクランクではリールに長い糸を巻く必要はありません。リールを選ぶ際は、スプールが浅くPEラインに対応した「シャロースプールタイプ」がおすすめです。シャロースプールであれば、スムースにラインを出すために長めにラインを巻く「下巻き」を入れる必要もなくなります。
また、ギアの大きさも重要です。ハゼクランクはゆっくりめにルアーを巻く「スローリトリーブ」が基本となります。ハンドルを1回転させたときにたくさん糸を巻ける「HG(ハイギア)」や「XG(エクストラハイギア)」だと、クランクベイトの速度調整が難しくなります。
巻きが早くなり過ぎないよう、「ノーマルギアタイプ」を選びましょう!
リールのドラグ設定は若干緩めに
ハゼクランクで一般的に狙えるマハゼは大きくても20cm程度。ハゼ釣りでは釣れた際に糸を出して大型魚の強い引きに対応する必要はありませんが、不意の大物ゲスト対策は必要です。リールのドラグの設定はゆるくしておく必要があります。
とはいっても驚きの大魚が掛かるなんてことはそうありません。ラインを引っ張った際にジィーと出るくらいが目安です。大物がヒットしてもラインが切れることなく安全にファイトに持ち込めます。
初級者におすすめなリール
それでは実際のリールでおすすめをご紹介していきます。
ダイソーよく釣れる! 釣具シリーズ1000番ナイロン2号100m付き
まずはこちら。ルアー釣りのタックルとしてそれでいいのだろうかと思うかもしれませんが、本当に初めてやる人だったり、どんな釣りなのかを体験する分には実用可能といえます。
何といっても価格が550円(税込)という凄まじい安さ。ナイロン糸も付属であらかじめ巻かれていて、細かいことを気にしなければそのまま使用できます。PEラインに適合しているわけではないようですが、75m程であればPEラインを巻いてもトラブルは少ないです。
中級者におすすめリール
クレスト LT2000S【DAIWA】
格安リールからのステップアップ、あるいはある程度の水準から釣りを始めたい方向けのエントリーリールにおすすめ。LTコンセプトにより軽量化され、ATDドラグ採用など一昔前では何万円もした機能が備わっています。PEラインの0.6号が150mちょうど巻けるサイズ。
上級者におすすめリール
ストラディック C2000S【シマノ(SHIMANO)】
マイクロモジュールギアでハンドルの巻き心地は軽やかで滑らか。自重185gと軽いのに高剛性なHAGANEボディ。操作性の良さを実感できるリールです。
シャロースプールでPEライン0.6号が150mちょうど巻けます。
番外! ベイトフィネススタイルのおすすめ
軽量な小型クランクベイトを手返しと操作性に優れるベイトリールで使いたい……そんなあなたにはベイトフィネス専用のベイトリールをおすすめします
ベイトリールはルアーが操作しやすくピンポイントを狙い撃ちしやすいですし、どうしても糸よれが発生するスピニングリールよりも糸ふけが少ない分、ボトム感知やハゼのアタリがダイレクトに伝わる利点があります。
ただし、ベイトリールの操作に慣れていないと「バックラッシュ」などライントラブルが多発しやすいデメリットがあります。クランクを投げる際に糸が出すぎないようリールのブレーキ設定を細目に変えることで、トラブルなくキャストできるようになります。
アルファス AIR TW【DAIWA】
強靭アルミボディで海水にも対応したベイトフィネスリール! 小口径Φ28mmAIRスプールで超軽量ルアーに対応しています。ハゼクランクも問題なくキャストできます。
ラインの種類と太さと選び方について
ハゼクランクには圧倒的にPEラインの0.3号~0.6号がおすすめです!
PEラインは伸びが少ないためにボトムの感知やハゼのアタリがダイレクトに伝わります。またナイロンやフロロカーボンラインなどと比べて同じ強度で細い糸になるため、空気抵抗の低さから飛距離が出やすくなります。
中でも超おすすめはPEライン0.6号(12lb)です!
0.6号は0.3号と比べて飛距離はそれほど変わりません。太い糸の方がより強度があるためルアーロストも激減し、大物ゲスト魚にも相当余裕のあるやりとりができます。
ハゼクランクはボトムを攻める釣りです。このため障害物が多いと根掛かりが頻発します。ルアーを外そうと引っ張ったときに0.6号より細いラインは途中でプツンッ! と切れる「高切れ」が多発しやすくなります。
ただしPEの場合、ルアーとの接続部にリーダーラインを結ぶ必要があり、糸と糸を結ぶのが苦手な場合はナイロンやフロロカーボンラインの1号~2号(4~8lb)でも釣りは可能です。そのかわり飛距離や感度は落ちます。
ラインの色はピンクや蛍光グリーンなどの蛍光色がおすすめです。日中の強い日差しの中でもラインがよく見えるため、ルアーのコントロールが安定しやすくなります。
おすすめPEライン
アップグレードX8【エックスブレイド(XBRAID)】
蛍光グリーンで視認性がよく、適度なハリがあり耐摩耗性が高いラインです。引張強度と耐摩耗性の両立を目指したラインで、大物ゲスト魚にも対応可能です。
リーダーの選び方と気を付けるポイント
リーダーにはフロロカーボンラインの1.7号~2.0号(7~8lb)がおすすめです。フロロカーボン素材はナイロンよりも比重が重く、ボトムが取りやすくなります。伸びが少なく、ハゼのアタックがダイレクトに伝わり、ナイロンよりも固い素材なので障害物に擦っても切れ難いです。
結び方は摩擦系ノットのFGノットがおすすめです。ロッドのガイドの糸抜けもよく、飛距離が落ちにくいです。
リーダーの長さは好みで短くてもよいですが、最低60cm程はとっておくと障害物で傷が入った場合にノットを組みなおすことなく切って短くして使えるのでおすすめです。
おすすめリーダー
アバニエギング プレミアムフロロ 1.7号 30m【バリバス(VARIVAS)】
硬質フロロカーボン素材と特殊コーティング技術により、超高感度と耐摩耗性をもつリーダーです。糸を巻いてあるスプールが薄く、バンドで押さえてあるため、リーダーがバラバラと緩まず持ち運びも便利です。
ベイトフィネスのラインセッティング
それでは最後にベイトフィネスタックルのラインセッティングをご紹介します!
スピニングリールタックルの場合と同じ、PEライン0.6号にリーダーとしてフロロ1.7号を接続で問題ありません。糸が細くて不安を感じた場合はPE0.8号でもOK。
またリーダーが結べない場合は、飛距離は落ちますがナイロンかフロロの4lb~8lbで代用も可能です。
河口域を攻めることが多いハゼクラ! 本命ハゼだけなく、ゲスト対策もしっかりしていれば思わぬ大物も一緒にキャッチすることができます! しっかり準備しておきましょう。
次回は、重要なハゼクランクの選び方やフックセッティングについて解説!