四国のバス釣り“師範代”浦川正則直伝! 夏のトップウォーターベスト3 &使い方徹底解説!!



目で見えるルアーを思いのままに動かし……ここぞという場所で必殺のアクションを入れると…水面が爆発するようなバイト! してやったり、と思いつつ、心臓はドキドキ。バス釣りのなかでも、最も楽しみの濃いゲームといえるだろう。 そんなトップウォーターの旬ともいえる、夏。 この時期にとりわけよく釣れる3つのルアーをチョイス。徳島では、いや四国では知らぬものはいない”師範代”こと浦川正則さんにその使い方やタックルなどのお話を伺った。 

解説は旧吉野川の陸・艇ともに極めたスーパーエキスパート「師範代」

【Profile】

浦川正則(うらかわ・まさのり)

旧吉野川をホームとするロコアングラー。オカッパリ、ボート問わずビッグバスを1年中釣り続ける。フィールドが沈黙する状況でも釣果を叩き出すが故に、名だたるアングラーもその凄腕を認め、ついたあだ名が「師範代」。現在はO.S.Pをはじめ、レイドジャパン、リューギ、クレハ、TORHINO、トレジャーガードなどからもサポートを受ける。

師範代おすすめ! 夏トップその1:『ダイバジンヘビーヒッター(O.S.P) 』

【スペック】

●ボディ長:64mm 
●重量:17g
●カラー:全28色 
●価格:1,980円(税込)

 

浦川「まずは、ダイバジンです。特にラトルのサウンドがうるさいヘビーヒッターというモデルをよく使います。オリジナルのバジンクランクよりもロールが入って、強めのアクションになっています。ボディの側面を水中に見せるように泳ぐので、深いところまでアピールできていると思います」 

ダイバジンとは、国産サーフェスクランクのハシリであるバジンクランクのサイズアップバージョン。潜りたくても潜れない……で、水面をバタバタと騒がせるタイプのクランクベイトだ。浦川さんの推奨する使い方はどうだろうか? 

浦川「95%がただ巻きですね。ただ、スピードはさまざま。限界ギリギリの速巻きもあれば、ゆっくり巻く時もあるし、程よいミディアムスピードで巻くことももちろんあります。そのあたりは状況によって変えていきます」 

――ただ巻くだけ、と言ってもやはりコツがありそう……。まず「状況による」という釣りウマの決まり文句、その心とは? 

浦川「例えばバスが潜んでいるであろうカバー際を通すときは、ちょっとゆっくり。しかし、バスの活性が低く、同じ場所でもあえてリアクション的に出したいな……というときは速めに引くこともあります。また、水深がある場所では、表層まで上がってくる「間」を与えるためにゆっくり巻いたり、水面が波立っている時もゆっくり目ですね。波に関しては、速巻きしてしまうとリップが水を掴み損なってバランスを崩すことがありますから」 

――無理やり潜らせたりはしない? 

浦川「それはほぼしないです。潜らせるにはかなり速く巻かないといけませんから。いい感じの引き波を出すことが重要。いい感じの……というのは、後ろに大きなV時が出るような引き方ですね」 

――では、特にダイバジンを登板させるべき、有効なシチュエーションとはどんな場面でしょうか? 

浦川「バズベイトじゃあ強すぎるな…っていう朝イチのベタっと凪いだ風のないようなとき。バズではゆっくり引けないので、ダイバジンの出番です。カバー際でピタっと止めることができるのもそういう場面では有利ですね」 

――おすすめのタックルを教えて下さい!

浦川「ロッドは6ft10inくらいのミディアム、もしくはミディアムヘビーアクション。テーパーはレギュラーファーストでいいと思います。リールはギア比6.3:1しか使わないですね。僕にとって程よい抵抗感というか、感度で巻くことができるんです」

浦川さん使用タックル

●ロッド:グラディエーターアンチGA-610MCジョーカー or グラディエーターアンチGA-67MHTCフロッグマン(レイドジャパン) 
●リール:スティーズA1016H (DAIWA) 
●ライン:シーガーR18フロロリミテッド12〜14lb(クレハ) 



師範代おすすめ! 夏トップその2:『O.S.Pバズゼロツービート(O.S.P)』

【スペック】

●重量:3/8oz 
●カラー:全23色 
●価格:1,650円(税込)ECOモデルは1,870円(税込) 

浦川「2つ目はゼロツービートです。クラッカーサウンドが非常に気に入っているモデルで、バズのなかでは真っ直ぐ引いてくることができます。そして、よく飛ぶ」

O.S.Pゼロツービートは金属のクラッカー付き。プロペラが回転を始めると、クラッカーがヒットし続け、まるでベルのような金属音が鳴り響く。 

浦川「擦れる音がするタイプではなく、カンカンと鳴るタイプですね。使い方は、これも表層ただ巻き。ロッドティップを下げ気味にして、水面から飛び出さないように、プロペラの回転がバランスを崩さないスピードで巻く。速すぎると横倒れしてしまうし、遅すぎるとペラが沈んでしまいます」 

――ただ巻くだけ……といってもコツがあるに違いない!バズベイトで釣れるスピード感とはどのようなものなのでしょうか? 

浦川「ペラを空中に出し気味にして、ちょっと大きめの音でアピールする巻き方と、若干ペラが沈み気味の巻き方で使い分けています。後者は水中に入り気味になるので、クラッカーのヒットする音もこもるような音質になります。大きな音ではバイトが遠いな……というときはそうしますね」

――1回のリトリーブのなかでスピードや音を変えることはありますか? 

浦川「それはないですね。ただ、1投ごとに変えることはあります。あと、飛距離アップのためにトレーラーワームをつけることはあります。大体、ドライブスティック3.5インチのスペック2。これだと、飛距離が出て、浮き上がりやすくなります。カバーの際やオーバーハングの奥を狙うときは、テールを切ることもあります」

――「今こそ、ゼロツービート!」というシチュエーションはどんなときでしょうか? 

浦川「基本的にはダイバジンとほとんど変わりませんが、水面までウィードが生えているところなどは、バズの方が引っ掛かりにくいので有利です。ただ、足場が高いと引きづらいので……そこは使わない。あとは、日中でも濁っていればシャローのオープンウォーターでも投げますし、雨が降っていれば時間帯に関係なく釣れます」 

――浦川師範のおすすめカラーというと? 

浦川「プロペラはシルバー、ゴールド、ブラック。迷ったらシルバーです。スカートはナチュラルなベイトフィッシュっぽいカラー、白、チャート、ブラックですね。チャートはローライトが出番、橋脚やリップラップはシルバー系一択です」

なお、タックルはダイバジンと同じということです。 

師範代おすすめ! 夏トップその3:『オリカネムシ(O.S.P) 』

【スペック】

●全長:34mm
●重量:2.8g
●カラー:全19色 
●価格:1,012円(税込)ECOモデルは1,023円(税込)

O.S.Pが誇る定番虫ルアー、オリカネムシがここで登場。ポッパーのようなカップの付いた浮くジグヘッドに脚の生えたソフト素材のボディを装着するタイプだ。ガード付きなので、カバーに絡めて使うことも可能。では、浦川師範流の使い方は? 

浦川「カップを生かしたポッパー的な使い方。そして、チョウチンですね。大体、この2パターンですね」 

――ポッパー的な使い方というと、どんなシチュエーションで試すのでしょうか? 

浦川「引っ掛けるものがないとき、オーバーハングの下のスペースを通したいときなどですね。あとは、橋脚、垂直護岸、水門といったマンメイド。あとはウィードでもOKです。使い方は、カバーの奥から出したくないときは強めにポッピングさせてポーズ。朝イチなどバスが動いているときは止めずに連続でポンポンポンポン……という感じです」 

――実際に虫がいそうな場所を意識して狙う方がいいのでしょうか? 

浦川「それはあまりないです。小魚を食っていても、オリカネムシを食ってくることはよくあります。形や動きではなく、シルエットの小ささが効いていることが多いと思いますね」

――チョウチンで釣るときの秘訣というと? 

浦川「状況がわからないときは、まず水面をパンパンと叩きます。様子を見にきたバスの反応を見て、動かすのを嫌がっているようなら止めておく。水に着けるのさえ嫌がっているなら水面から1〜2cmの空中で誘います」

――オリカネムシで狙うべきシチュエーションとなると、やはり何らかのカバー周り。特にどのような場所に引っ掛けるのですか? 

浦川「もう引っ掛けられるならどこでも。オカッパリなら足元のコンクリート護岸にも引っ掛けるし、オーバーハングなら葉っぱや枝ですね。ただ、ローライトだとシェードから出てしまうので、虫ではアピール不足になりがち。晴れている方がオリカネムシは威力を発揮しますよ」

――オリカネムシを扱う、おすすめタックルは? 

浦川「基本的に、オールマイティなレギュラーファーストのなんでもロッドです。パワーフィネスでも使うこともありますが、基本的にはライトアクションですね」

浦川さん使用タックル

●ロッド:グラディエーターアンチGA-63LSディフェンダー(レイドジャパン) 
●リール:イグジスト2505F-H(DAIWA) 
●ライン:シーガーPEX8ルアーエディション1号直結(クレハ)