世界的ルアーメーカー「デュオ」がジョイントへの“技術力”に挑戦した名品『レアリスマイクロドン88S』【ジョイント多事争論】



ジョイントに一家言ある各界の賢人たちに、エピソード、理論、テクニックなど、ジョイントにまつわるあれこれを聞いてみた金言集。9つのエピソードを読み終わると、ジョイントルアーの全体像が見えてくれるかもしれない。今回は、バスに追われて逃げようとする弱々しい小魚の動きを「多関節」と「リップレス」で忠実に再現したデュオから今季リリースされた注目の最新ジョイントルアーをご紹介しよう。

レアリスマイクロドン88S(デュオ)

細身ベイトフィッシュのライブリーアクションをジョイントで演出

強風で打ち寄せられるシラウオや、産卵後のワカサギなど、細身の小魚が死に瀕しているシチュエーションで、威力を発揮するジョイントルアー。漂うのではなく、バスに狙われて、逃げる瞬間のパニックアクションを再現。

【スペック】

●長さ:88mm(ジョイントボディの為誤差あり)
●重さ:5.9g
●タイプ:重心固定・スローシンキング
●価格:2,200円(税込)

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語って頂くのはデュオ&アトラスジャパンを率いるCEO兼ルアーデザイナー

【Profile】

安達政弘(あだち・まさひろ)

経営者、ルアーデザイナー、そして釣り人。26歳の時に、勤めていたルアーメーカーを退社して、デュオの立ち上げに参画。現在アトラスジャパンフォールディングスと、デュオインターナショナルの代表取締役を務める。



瀕死の小魚が逃げるあの瞬間の泳ぎを再現

安達「ルアーを開発する際、たとえばミノーを作ろうとか、ルアージャンルを決めて取り掛かるケースがあります。一方、ワカサギパターンとか、ある特定のパターンに特化したルアーを作ろうという入り口もあると思います。その点で、『マイクロドン』は俗にいうシラウオパターンに特化させるというのがスタートでしたね」

マイクロドンをデザインした安達政弘さんはそう切り出した。マイクロドンはデュオを代表するジョイントルアーのひとつで、シラウオパターンだけではなく、産卵後のワカサギを演じたりもできる。とにかく、弱々しい小魚を模した動きが得意技だ。

安達「ワカサギやシラウオのような細身の弱々しいベイトフィッシュは、漂っている状態で何かに追われると、くねくねと体をくねらせて逃げようとします。その瞬間の動きをショートレンジで再現するために、ジョイント構造にしました。ただし、リップだけはつけたくなかった。小魚は頭を上げて逃げます。だから、頭を下げさせたくなかったんですね。リップをつけると必ず頭を下げるので、リップレスであることも絶対条件でした」


小さなルアーをジョイントにすると、軽量化が難しくなる。それが4ピースの3ジョイントとなるとハードルはかなり高い。しかもリップレスという制約まで加わって、難度はさらに増した。でも安達さんは、これは技術力で挑戦するいい機会だととらえて、見事にマイクロドンを完成させた。

安達「複数ヵ所にジョイントがあるルアーは、巻くだけでクネクネとしたアクションを出しやすい。ジョイントは視覚的なメリットがありますね。一方デメリットもあります。まずは飛ばないこと。キャスト中に空中で曲がるから空気抵抗が大きいんです。それからコストがかかる。正直、通常の2倍から3倍はかかります」

上がデザイン確認用の成型品ボディー。下がアクションでOKを出した最終プロト。ジョイントの角度は、テールに行くほど微妙に可動域を広げている。ティップに行くほどしなやかになる、ロッドの曲がりのイメージに近い。

アクションは下記動画をチェック!

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