ジョイントに一家言ある各界の賢人たちに、エピソード、理論、テクニックなど、ジョイントにまつわるあれこれを聞いてみた金言集。9つのエピソードを読み終わると、ジョイントルアーの全体像が見えてくれるかもしれない。今回は、バスに追われて逃げようとする弱々しい小魚の動きを「多関節」と「リップレス」で忠実に再現したデュオから今季リリースされた注目の最新ジョイントルアーをご紹介しよう。
レアリスマイクロドン88S(デュオ)
細身ベイトフィッシュのライブリーアクションをジョイントで演出
強風で打ち寄せられるシラウオや、産卵後のワカサギなど、細身の小魚が死に瀕しているシチュエーションで、威力を発揮するジョイントルアー。漂うのではなく、バスに狙われて、逃げる瞬間のパニックアクションを再現。
語って頂くのはデュオ&アトラスジャパンを率いるCEO兼ルアーデザイナー
【Profile】
安達政弘(あだち・まさひろ)
経営者、ルアーデザイナー、そして釣り人。26歳の時に、勤めていたルアーメーカーを退社して、デュオの立ち上げに参画。現在アトラスジャパンフォールディングスと、デュオインターナショナルの代表取締役を務める。
瀕死の小魚が逃げるあの瞬間の泳ぎを再現
安達「ルアーを開発する際、たとえばミノーを作ろうとか、ルアージャンルを決めて取り掛かるケースがあります。一方、ワカサギパターンとか、ある特定のパターンに特化したルアーを作ろうという入り口もあると思います。その点で、『マイクロドン』は俗にいうシラウオパターンに特化させるというのがスタートでしたね」
マイクロドンをデザインした安達政弘さんはそう切り出した。マイクロドンはデュオを代表するジョイントルアーのひとつで、シラウオパターンだけではなく、産卵後のワカサギを演じたりもできる。とにかく、弱々しい小魚を模した動きが得意技だ。
安達「ワカサギやシラウオのような細身の弱々しいベイトフィッシュは、漂っている状態で何かに追われると、くねくねと体をくねらせて逃げようとします。その瞬間の動きをショートレンジで再現するために、ジョイント構造にしました。ただし、リップだけはつけたくなかった。小魚は頭を上げて逃げます。だから、頭を下げさせたくなかったんですね。リップをつけると必ず頭を下げるので、リップレスであることも絶対条件でした」
小さなルアーをジョイントにすると、軽量化が難しくなる。それが4ピースの3ジョイントとなるとハードルはかなり高い。しかもリップレスという制約まで加わって、難度はさらに増した。でも安達さんは、これは技術力で挑戦するいい機会だととらえて、見事にマイクロドンを完成させた。
安達「複数ヵ所にジョイントがあるルアーは、巻くだけでクネクネとしたアクションを出しやすい。ジョイントは視覚的なメリットがありますね。一方デメリットもあります。まずは飛ばないこと。キャスト中に空中で曲がるから空気抵抗が大きいんです。それからコストがかかる。正直、通常の2倍から3倍はかかります」
アクションは下記動画をチェック!
『ルアーマガジン』2023年9月号 発売情報
ルアーマガジン史上初めてのスモールマウス×オカッパリの表紙を飾ってくれたのは川村光大郎さん。大人気企画「岸釣りジャーニー」での一幕です。その他にも北の鉄人・山田祐五さんの初桧原湖釣行や、五十嵐誠さんによる最新スモールマウス攻略メソッドなど、避暑地で楽しめるバス釣りをご紹介。でもやっぱり暑い中で釣ってこそバス釣り(?)という気持ちもありますよね? 安心してください。今年の夏を乗り切るためのサマーパターン攻略特集「夏を制するキーワード」ではすぐに役立つ実戦的ハウツー満載でお送りします! そして! 夏といえばカバー! カバーといえば…フリップでしょ!! 未来に残したいバス釣り遺産『フリップ』にも大注目ですよ!