スティーズ LTD SVTW、スティーズATW HLC、アルファスSVTW、そしてジリオン。2021年に新登場したDAIWAのフラッグシップリール達をきっかけに、DAIWAリールに大きな変化が訪れている。ここでは、そんなDAIWAの2021年モデルから取り入れられた数々の注目ポイントを、最新作『ジリオン SV TW』を用いて紹介しよう。
初期性能が継続! 次世代両軸リールの象徴!『HYPERDRIVE DESIGN』とは?
優れた巻き心地のリールが多くの人に求められる。
ことルアーフィッシングにおいて、魚とコンタクトする瞬間の多くはリールを巻いている瞬間であり、余計なノイズを排したいというのが多くのアングラーの願いであることは疑いようの無い事実だ。
しかもその優れた巻き心地とは単に快適さだけにとどまらず、ハンドルを回す手の力をいかに無駄なくスプール回転に変換できるか? 高負荷のファイトでも歪みなく巻き上げられるか? いつまでもその性能がが続くのか? など、多角的な要素が求められている。
そして、この多次元的な”優れた巻心地”を実現したのが、DAIWAが2021年から導入を開始した機能郡『HYPERDRIVE DESIGN(ハイパードライブデザイン)』なのだ。
スムーズな巻心地で強度に不安を抱くこともなく、しかもその快適さがいつまでも続くリール。
文字にしてみるとそれはまるで誰もが憧れる理想形のリールだが、DAIWAはすでに製品化しており、次世代両軸リールの象徴となってすでに多くのファンを魅了しているのだ。
なお、ここで”群”と表したのは、ハイパードライブデザインが異なる4つのテクノロジーの集合体であるからに他ならない。
すなわち、
HYPER DRIVE DIGIGEAR(ハイパードライブデジギア):新設計で生み出した究極の巻き心地!
HYPER DOUBLE SUPPORT(ハイパーダブルサポート):ドライブギアの性能を100%発揮させる小さな巨人!
HYPER ARMED HOUSING(ハイパーアームドハウジング):高機能を内包する軽量なフルメタルボディ!
HYPER TOUGH CLUTCH(ハイパータフクラッチ):過剰なまでの頑強さで使用感の悪化やトラブルを防ぐ!
それぞれのテクノロジーを詳しく紹介していこう。
細かい歯面”だけ”がスムーズな巻心地の最適解では無い!『HYPER DRIVE DIGIGEAR(ハイパードライブデジギア)』
ベイトリールの根幹とも言えるドライブギアは、リール内でもっとも大きなギアだ。
その際たる役割は、ピニオンギアと共にハンドルの回転をスプールへ伝えるものなのだが、時としてこれらのギアは、手元に感じるノイズの発生源ともなる。
そこでDAIWAが開発したのが、歯面を細かく高精度でデザインすることで滑らかな回転フィーリングを実現した『ハイパーメッシュギア』だった。
その超スムースな巻心地は、ウィードの茎1本へのタッチすら感知できてしまうくらい、リーリング時のごく僅かな変化を手元に感じさせたのだ。
しかし、歯面が細かいと確かに巻き心地はなめらかになるが、一つ一つの歯が小さければ当然、物理的な強度に懸念も出てきてしまう。
そこでDAIWAは、滑らかなフィーリングを生み出しつつ、強さと耐久性をもたせた新たな歯面を設計。
スムースさの鍵となる、ドライブギアとピニオンギアの噛合に改めて着目し、1枚1枚の歯を小型化することなく、つまり強度を保ちながらも滑らかな巻心地を実現した。
それこそが『HYPER DRIVE DIGIGEAR(ハイパードライブデジギア)』なのである。
優れたギアと噛み合うのはやはり優れたギアである『HYPER DOUBLE SUPPORT(ハイパーダブルサポート)』
前述したドライブギアを支えるピニオンギアにも大きな進化がある。
そもそもピニオンギアとは、ハンドルに連動して回るドライブギアの回転をスプールの回転へと変換する役割を果たす小さなギアのことである。
言わば人の力とスプール回転の伝達役になるわけなのだが、この部分がきちんと役割を果たせないと、せっかくのハイパードライブデジギアも絵に描いた餅。
そこで、DAIWAがこの部分に新たに導入したテクノロジーが『HYPER DOUBLE SUPPORT(ハイパーダブルサポート)』だ。
これは、ピニオンギアの両端を2つのベアリングで支持することで、1箇所指示ではありえない、安定した歪みのない回転を実現。
人がハンドルを回した力を無駄なくスプール回転へと変換してくれる機構なのだ。
もちろん、素材には高強度かつ腐食しにくいハイグレード素材を使用。
ベイトリールの構造上、クラッチのON/OFFで外部からの影響を受けやすいピニオン部分とピニオン部両端のボールベアリングの間に絶縁パーツを使用することで、巻心地を大きく損なう原因のひとつである潮噛みといった自体も最小原因に抑制。
淡水・海水問わず、安心して使える設計になっているのだ。
頑丈! 軽い! 手にすればわかるその恩恵『HYPER ARMED HOUSING(ハイパーアームドハウジング)』
いくら内部機構をつきつめたところで、外側を妥協していては優れた巻心地を維持することはできない。
また、ベイトリールはパーミング(手のひらで握り込む)して使うという特性上、そのボディに要求されることも多い。
そこでDAIWAが導き出した答えが『HYPER ARMED HOUSING(ハイパーアームドハウジング)』だ。
これはリールの中心部に当たるメインフレームだけでなく、先代ではZAION製だったギア側サイドプレート、樹脂製だったセットプレートにもアルミを使用した、言わば「フルメタル・ジャケット」化なのである。
言うまでもなく、その最たる恩恵は「剛性」。
一度パーミングすれば、すぐにその頑強さを実感できるだろう。
しかしながらフルメタル化すれば、重量が上がってしまうのではないかと懸念する人も多いはず。
そこでDAIWAはジリオンのデザインそものも一新。
誰もがグリップしやすいコンパクトなサイズ感を考案し、安心感のある頑強さを持ち上がら、旧モデルから20gも減量した175gを達成したのだ。
『HYPER TOUGH CLUTCH(ハイパータフクラッチ)』
ベイトリールのクラッチはその構造上、大きな負荷のかかかる動作を何度も繰り返す。
ここまで紹介してきた『HYPERDRIVE DESIGN』の機能郡を活かすためには、当然、クラッチに関してもトラブルを防ぎ、耐久性を高めるのは必須なのだ。
『HYPER TOUGH CLUTCH(ハイパータフクラッチ)』はまさにそのためのテクノロジー。
クラッチ返りを防ぐためにクラッチのストロークを10%増やし、たとえソルトルアーゲムでのヘビーデューティーであっても固着を大きく軽減。
シーンを問わずその使用感の低下が無いように設計されているのだ。
ベイトリールを次の次元へと導く『HYPERDRIVE DESIGN』はジリオンで実感できる!
ここまでの紹介で、HYPERDRIVE DESIGNがいかに優れた機構であるかはご理解いただけたことと思う。
しかしその搭載機種にも驚かされる。
ありがちな「高機能は最上位モデルにだけ搭載」なのではない。
多くのアングラーが手に取りやすい価格帯のリール、すなわち2021年の新型『ジリオン』で『HYPERDRIVE DESIGN』のすべてを実感できるのだ。
これまでに無い設計で得られた滑らかな巻心地。
投げるとき巻くときファイトの時に感じる剛性感。
高機能満載ながらも感じられる軽さ。
そしてその快適さがいつまでも続く安心感。
次の時代のベイトリールとはなにか?
その答えは『ジリオン』を手にすることで実感できるだろう。
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