未だに続く新型感染症の影響で、昨年は思うように釣行できなかった期間も多かった。それでもやはり、釣り人にとって現場で釣りをすることは、かけがえのない時間である。そこで、業界で活躍する10人のエキスパートに、2020年の印象的な釣行ストーリーを取材した。今回紹介するのは、レッド中村さんのメモリアルフィッシュ。長い時間をかけて製作中の新作ルアーによる爆釣劇だ。
【Profile】
レッド中村(れっどなかむら)
1972年生まれ、千葉県在住。河川、干潟、磯など、得意とするフィールドは幅広い。ルアーブランド「ポジドライブガレージ」を立ち上げ、日夜ルアー開発に勤しむ。
レッドさんの2020年メモリアルフィッシュがこちら!
捕獲ポイント
利根川下流域(千葉県)
利根川下流域に掛かる橋で、ウェーディングのナイトゲームで明暗部を狙う。中村さんが釣りをしたのは遠浅な場所で、潮位に合わせて前進していった。キャストが届かない先でもボイルが頻発していたという。
苦心した開発中のルアー、秋の入れ喰いでようやく合格点が出た
スイングウォブラー新サイズ、完成に向けて大きく前進
去年はコロナの影響もあって、大好きな遠征には行けませんでした。なので、必然的に地元での釣行が多かったですね。開発中のプロトルアーがあって、このルアーのセッティングを煮詰めるために、秋は利根川でテストばかりしていました。思い出に残っているのは11月の釣行です。
シチュエーションとしては、ナイトゲームで橋の明暗部をウェーディングで狙う釣り。潮位に応じて、手前はイナッコパターンで、奥に行くとサヨリパターンになったり。その日は潮が引いて奥に進むにつれて、活性が高いシーバスが明暗の外まで出てボイルしていましたね。
それで、使うプロトルアーというのがスイングウォブラー新サイズの125mm。85と145があるんですが、その中間サイズですね。85だと届かないし、145だと大きくて喰いが悪いということがよくあるんです。3年以上前から中間サイズを試行錯誤していたんですが、この日持っていったサンプルが、流れにマッチしていたんです。それで、70cmクラスがずっと入れ喰い状態。1キャストで何回もシーバスがアタックしてきましたね。スイングウォブラーは、ただ巻きしながらドリフトさせてくると、オートマチックに首を振って魚を誘ってくれます。明暗部の外の明るい場所に差し掛かると、ガンガン喰ってきましたよ。
この日は大潮で、緩い流れから速い流れまで、いろいろな速度域で試して、どれもアクションは合格点。飛距離は80mほど出て、シーバス用ルアーとしては十分な仕上がりです。3年かかったルアーのテストで、ここまでちゃんと結果が出たというところが嬉しくて、1番印象が強かったですね。ちなみに、このスイングウォブラーの新サイズは、今年の夏ごろの発売に向けて生産の最終調整をしているので、もう少々お待ちください!
ヒットパターン
ボイルのある場所に流し込むようにスイミング
ただ巻きするだけで首を大きく振って、サウンドを出しながらアピールする。巻きスピードは流れに乗るくらいの、スローなリトリーブ。沖のボイルに向かって流し込むようにトレース。「ラインはなるべく水面につけないように、ロッドを立て気味にして引いてくるのがコツ」
Hitルアー
巻くだけでオートマチックに釣れるスリムペンシル
あらゆるフィールドにマッチする、スイングウォブラーの待望の王道サイズ。ウェイト設計や浮力にこだわり、ようやく完成に近ずいた。巻くだけで簡単に首を振る性能はそのまま継承。重さは28gあり、遠くのボイルまで到達可能。
使用タックルデータ
【スペック】
●ロッド:風神Z 11ftプロト(アピア)
●リール:セルテートLT4000CXH(DAIWA)
●ライン:バークレイ スーパーファイヤーライン1.2号(ピュア・フィッシング・ジャパン)
●リーダー:ナイロン20lb
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