スモール釣るならこの3本! 鬼形 毅が選ぶWILD SIDE「スモールマウス三種の神器」



数多くのラインナップを誇るレジットデザインのワイルドサイドシリーズ。その中から、鬼形 毅さんがスモールマウスフィッシングに欠かせない基本の3本を教えてくれた。なぜ専用ロッドが必要なのかを知ると、桧原湖と野尻湖のフィールドの特徴の違いも含めて、スモールの釣りの理解度が深まるはずだ。

【Profile】

鬼形 毅(おにかた・たけし)  

レジットデザインC.O.O.として、ロッドのデザインとブランドのプロデュースを手掛ける。現在も競技の舞台に身を置き続けている第一線のトーナメンターでもある。バスフィッシングの豊富な知識を活かし、艇王などの解説者としても活躍。 

WSS-ST59UL:ショートレングスで操作性の良いダウンショットリグ専用機

【Spec】

●全長:5ft9in
●自重:79g
●アクション:ファスト
●継数:1
●適合ルアー:0.9~5g
●適合ライン:1.5~4lb
●価格:29,000円

スモールマウスで非常に出番の多いリグがダウンショット、ネコリグ、ライトキャロの3つ。シーズンを通して出番があるリグですね。そして、これはそれぞれ専用ロッドを用意しておきたいところです。

まずダウンショットリグ用にオススメするのがWSS-ST59UL。

ショートレングスで操作性も良い、ソリッドティップのロッドです。

ソリッドティップをやや短めに設定してあり、シャープな印象にしてあるのが特徴です。

なので、ボトムでシンカーがスタックしにくく、スタックしても外しやすいんです。

6〜8mのディープフラットで、シェイクしたりスイミングさせたり小技を効かせながら釣りをするときに、何をやっているかわからなくならない。ライトリグの操作感を失わないんです。

これは、桧原湖でも野尻湖でもダウンショットロッドとして持っておきたいですね。

使うのは、シンカーは1/16ozをベースに、3inクラスのストレートワームを使った、マスバリチョン掛けのリグ。ラインは、フロロ2.5〜3lbというセッティングでやってみてください。自分はスイベルを付けることが多いですね。メインラインを2lbにして、スイベルから下を2.5〜3lbにする、というのもオススメです。

WSS59UL+:水を押すネコリグにはUL+のパワークラスがマッチする

【Spec】

●全長:5ft9in
●自重:77g
●アクション:ミディアムファスト
●継数:1
●適合ルアー:0.9~5g
●適合ライン:2~5lb
●価格:29,000円

続いてネコリグ。こちらもスモールマウスで欠かせないリグですね。やはりロッドはダウンショットと分けたいところです。

ロッドはWSS59UL+。

ULよりも少し張りがあって、ソリッドティップではないので、ティップが入り込み過ぎない。

ネコリグはワームで水を押していくようなリグなので、ロッドもそれなりに動かしやすいロッドになってくると。

ショートロッドなので操作しやすいし、感度もとても良いですよ。

リグのセッティングとしては、スワンプミニなど細身のストレートに#10~12のマスバリ、シンカーは1/32ozを基本にしています。

ラインはダウンショットリグと同じですね。

もっとマイクロサイズのワームに対応しますし、細長いワームでもOK。

エビっぽい波動のリグなので、出しどころは岬エリアやバンク。野尻湖では深い場所でも入れていきますけどね。



ライトキャロロッドは湖によって使い分ける!

WSS-ST65L:桧原湖ライトキャロロッドは幅広い釣りに使える懐の深さ

【Spec】

●全長:6ft5in
●自重:86g
●アクション:ファスト
●継数:1
●適合ルアー:1.8~7g
●適合ライン:3~6lb
●価格:29,000円

三種の神器の最後はライトキャロなんですが、これは桧原湖と野尻湖でロッドを分けています。

まず、桧原湖ではWSS-ST65L。これは、ワイルドサイドの初期ラインナップからあるモデルなんですが、スピニングでは累計で一番売れている竿です。

しかも、発売して時間が経った去年が一番売れていたという(笑)。

ジワジワと使い手が広がっていった感じですね。

僕が『桧原湖でライトキャロをやるための理想のロッド』を追い求めた形で、最初は桧原湖だけで売れてくれれば良いなと思っていました。

6ft5inで、ライトアクションのソリッドティップって、これまであまりない番手の竿でしたからね。

そしたら、ロッドのポテンシャル的にも高い物ができて、I字系で使いやすかったり、ダウンショットのドラッギングにも良いということで、どんどん広まって全国的に大人気のロッドになりましたね。

ちなみに、琵琶湖のワカサギパターンにもピッタリですよ。

ソリッドではあるものの、ロッド全体はパラボリックな感じで曲がる竿で、一般的に想像するようなティップだけが震えるような感じではないです。なので、I字系のようなキャスタビリティが求められる釣りにもマッチするんです。

話がそれましたが(笑)、桧原湖では岩のハンプが多く、木などもたくさん沈んでいます。

そういったボトムを釣っていかなくてはならない。

ライトキャロでズル引きすると、ものすごく根掛るんですよね。

ロッドが柔らかいと、シンカーはすぐにスタックしてしまうんです。

そこで、このロッドを使うと絶妙なスタック感を残しながら、釣れる感じで引いてこれるんです。軽く引っかかって、すぐにぽろっと外れてくれる。それをロッドの調子で生み出してくれると。

ラインは、メインもリーダーもフロロの3lb、シンカーは2.4gをベースにしています。オフセットフックに、サターンワームやイモなど、定番のものをセットすれば良いでしょう。

WSS-ST66XUL:野尻湖ライトキャロをやり込むならこのロッドが必要になってくる

【Spec】

●全長:6ft6in
●アクション:ファスト
●継数:1
●適合ルアー:0.9~5g
●適合ライン:2.5~5lb
●価格:29,800円

じゃあ、野尻湖のライトキャロはどうなのということなんですが、野尻湖はボトムがそれほど激しくない。

地形的な変化に乏しいと。

それに、野尻湖のスモールマウスは、砂地のフラットをぐるぐる回遊していたりするんですよね。

そんな中で、ボトムのちょっとした底質の変化を感じ取りながらライトキャロを引いてきたい。

変化の少ない中で、ボトムに落ちている木の枝1本も大事に釣っていきたいんです。

となると、WSS-ST65Lでは、ボトムをするする抜けてきてしまう。

もっとティップが入る、繊細なキャロロッドが必要になってくるんですよね。

 そこで使うのが、WSS-ST66XUL。

WSS-ST65Lと比べるとだいぶ柔らかいですね。

野尻湖はロングリーダーも使うし、ちょっとした変化でステイを入れたりもする。

風も吹くのでロッドが長すぎるのはダメ、というなかで、こういうロッドができあがりました。

ラインやリグのセッティングは桧原湖とほぼ同じですが、フックは野尻湖ではマスバリを使うことが多いですね。湖の状況が違うので、ライトキャロに関しては桧原湖と野尻湖はロッドも違うものをチョイスしてほしいですね。

ベースとなる3本を抑えたら、あとは飛び道具を揃えていく

ここまで上げたロッドは、桧原湖と野尻湖では、春から秋までボートから釣りをする上では常に載せておきたい三種の神器です。

つまり、このロッドの釣りがベースとなり、これにプラスしてシーズナルなど他のパターンを増やしていく感じですね。

解説したい釣りはたくさんあるのですが…、簡潔にお話しすると、シャッドキャロにはWSS64ML。

おそらく、業界初のシャッドキャロ専用ロッドですね。

テストの段階でわかったのは、シャッドキャロはロッドありきの釣りだということ。

シャッドキャロは人それぞれ流派があり釣り方も異なってきますが、ハードジャークでボトムレンジを攻める場合は、このロッドじゃないと成り立たないという完成度になっていますよ。

そして、忘れちゃいけないのがムシの釣り。シャローでのサイト、チョウチンも含めてのパターンですね。

ロッドはWSS-ST64L+。

軽くて小さいムシ系ワームを、正確に投げられるキャスタビリティ、そしてフッキングパワーなどを、バランス良くまとめたロッドになっています。

他にもボイル撃ちパターン、フットボール、巻き物など、それぞれのロッドが必要になってきますが、それはまた別の機会にでも…。