2021年の新製品釣り具の中でも、5年ぶりのフルモデルチェンジとなったDAIWA『ジリオン SV TW』は衆目を集めた大きな話題のひとつだろう。SVブーストによる「伸びる」キャストフィールと新型ドライブギアの巻取り力。剛性と軽量化のせめぎあいは行き着くところまできたのでは? と思わざるを得ない20gもの減量。高い汎用性と性能を兼ね揃えつつ実勢価格は3万円少々とあっては、多くの人が機種転換、または購入を検討しているのではないだろうか……弊社内でも……。という話があれよという間に営業担当に伝わり「じゃあ実際に全機種DAIWAさんからお借りしてインプレというのはどうですか!」という話が出て、「そんじゃ新人歓迎会も兼ねて1人1機種割り当ててフィーリングを体験しながら大会するってのはどーだい」という話に変遷し、気がついたら総勢10名で初夏の高滝湖バスボート大会開催ということに相成ったのであります。
DAIWAさん、ありがとうございます。
ジリオン SV TW【DAIWA】
レギュレーション
- 免許不要艇に2人1組で乗船し、各船でスコアを競うチーム戦。
- 各選手のリールは指定の『ジリオン SV TW』1台のみを使用すること。
- ラインの巻き替えは自由、ロッドの本数制限はなし。
- リミットは1人1尾までの各チーム最大2尾で合計最大サイズを競う。
- 06時出船、17時帰着。
- 15時以前までは各自状況をLINEで報告すること。15時以降はシークレットタイム突入で通信封鎖。
- 魚のサイズはその場でメジャーと共に写真撮影を行い、終了時に判定を行うデジタルウエイイン方式。
- 法令、ローカルルールを遵守して釣りを行うこと。
- 勝ったチームは負けたチームからそれぞれ任意のルアーを貰うことができる。
参加艇紹介
各艇ペアはくじ引きで決まったのだが、はからずも力量や経験面がうまく分散され、どのチームが勝ってもおかしくない(色白艇を除く)。勝者は敗者からルアーを奪えるのがルアマガ大会の「いつものルール」。献上しても惜しくはない……だが勝つならこのルアーだろう……しかし……と戦いはタックル選びから始まっている。はたして運命の女神は誰に微笑むのか。
【21ジリオン SV TW 1000HL&1000L】
チームWトモヒロ(フクシゲ&オグラ)
奇しくも名前が同じトモヒロ艇。オグラ(右)は『ルアーマガジン・リバー』編集兼『ソルト』編集。オレンジモンスターと化しているのが『ルアマガ+』フクシゲ(左)。どちらもバス釣りというより釣りが好きなマルチアングラータイプ。釣り方のこだわりが強い……というより個性が強烈なペアだ。
【21ジリオン SV TW 1000H&1000P】
チーム色白(オオバ&スズカワ)
オオバ(左)はバスへの偏愛が強すぎて教師の肩書をかなぐり捨てて中国地方からルアマガに乗り込んできた剛の者。釣りのセンスも抜群だ。スズカワはこれを書いている人(右)。普段はエサ釣りばかりでルアーはド素人。困ったらティーチャーオオバに教えてもらお。どちらも内勤ばかりでちっとも日焼けしてないぞ。
【21ジリオン SV TW 1000XH&1000PL】
チーム馬鹿(フルカワ&サトウ)
バス釣りに関してはもはやプロ級では……という今回のイベントの牽引役でもある『ルアマガprime』カントクのフルカワ(上)と、ルアマガ新人、得意科目はシーバスというサトウ(下)のコンビ。ぶっちゃけフルカワのレベルがブッチギリで高すぎて出来レースなのでは……とみんなが思っている。
【17スティーズ A TW 1016XH&17タトゥーラ TW 103SHL】
チームフリー(オオキ&タナカ)
一部では「オオキ店長」として謎の認知が広がりつつある道具と釣りに関しての知識抜群、Mr.生き字引『ルアマガ+』リーダーのオオキ(左)と、ペアを組んでいるのは九州からルアマガに来たばかり、最も日の浅い新人タナカ(右)。どちらもバス釣りへの入れ込みが深く、2人揃った合計戦闘力の高い艇。ジリオンは8機種なのでこの艇だけリールの選択は「フリー」の1台。
【21ジリオン SV TW 1000XHL&1000】
チーム東の都 DB風(ツヅキ&アズマ)
週に1度はフローターで千葉県のどこかに浮いているというバス熱マン『ルアーマガジン』営業ツヅキ(左)と、『ルアマガ+』新人、バス釣りはフィネスから! というフルカワの熱血指導およびオオキのしごk……可愛がりを経て、徐々に捻りこむようなパンチを放つようになってきたアズマ・シュンエイ(右)のペア。房総リザーバーを庭とするツヅキが大会の行方をひっくり返すか!?
チーム名は東と都築のペアなのでこれ。
アズマ「ぼくが勝ったら今日からぼくをアズマって呼んでもらいます! もうシュンエイって言わせない!」
一同「おお~! いいぞシュンエイ!」
実はイトコのアズマ・コーメイがつい先日まで社内にいて、同じアズマ同士の覇権抗争が水面下で繰り広げられていた模様。
アズマ「それにこのNZクローラーJr.誰にもあげたくない(涙)」
一同「う~ん。。(笑)」
【06:00】出艇! ……大雨の高滝湖を攻略する戦術は
6時になり高滝湖観光企業組合前の桟橋から全5艇が続々と出船していく。
この日は朝から湿度100%しとしと雨模様。高滝湖は前日に線状降水帯が張り付く豪雨が降ったばかりで、透明度は10cmもないド茶濁り。
長い梅雨が続き、折しも熱海では大規模な土砂災害も発生。なにもこんな日に釣りをしなくても……という甘い考えはバスアングラーには通用しない。悪条件の中からどうやってバスを引っこ抜くか、全員それしか考えていない。
「今日はスピナベっすかね~」
「そのタックルは~?」
「ッスね~~~」
各艇ともわざとらしく口々にスピナベを話題にしながら、それぞれが目指すファーストポイントへ散っていく。戦いはすでに始まっているのだ。
雨はダム湖にどう影響する?
雨は数日間降り続けていて、釣行日の前日が最も強く、この日は西から雨雲が散発的に流れてくるものの次第に好転していくのではないか、という予報。
高滝湖は養老川の古い流路の性質を強く残すダム湖で、同じ水面でも元流路と元流域では水深も流れも大きく異る。ダムは豪雨に備えて事前放流をしていたらしく、これが水の動きにどのような影響を与えるのかを読む必要がありそうだ。
普通に考えればダム湖は土砂を集めて濁る一方で、流入河川は雨が止めば土砂の影響が下がり、本湖より早く回復する。
高滝湖に流入する河川は大きく分けて養老川本流と支流の古敷谷川との2本があり、それぞれ降雨の影響度が異なる。当然小さい川ほど影響は少なく、沢によっては早く水質が改善するらしい。関東に引っ越してきて1年のオオバとバス釣り初心者スズカワの色白艇は、当然そんなロコ情報など知る由もない。
初手はチームWトモヒロ艇のみが古敷谷川方面に消え、他4艇は本湖中央から上流側方面にバラけていく。
スズカワ「船長、ぼくらはどこを攻めるでありますか?」
オオバ「とりあえず良さげなストラクチャなんかを撃ったりしながら流していきましょう」
スズカワ「わかりました船長!(~♪)」
色白艇よ、どこへゆく。
「色白艇」船長オオバの戦術
オオバのタックル
- リール:21ジリオン SV TW 1000H【DAIWA】
- ロッド:オロチX4 F4-65X4 ワンテンスティック【メガバス】
- ルアー:ブリッツEX-DR【O.S.P】、ヴァラップスイマー3.3in【ボトムアップ】、スタッガーワイド3.3in【ハイドアップ】、スウィートキラー【デプス】
色白艇の船頭を務めたオオバはスズカワ同様、高滝初釣行。
オオバ「高滝って陸王で幾度となく名勝負が繰り広げられた舞台なので、感無量ですね〜。こんなに湖の周囲が護岸されているとは思いませんでした。僕がこれまでに経験した山間部のリザーバーと比べるとかなり異質ですね」
そんなオオバが担当するジリオンSVTW1000Hと組み合わせたロッドは、オロチX4 F4-65X4 ワンテンスティック(メガバス)。
オオバ「濁りがかなり強いのでクランクベイトなどの巻物とリーダレスダウンショットなどの撃ち物メインでいきます。良さそうなカバーは最近ゲットしたスウィートキラーをドッグウォークさせて誘ってみます。このロッドなら全部いけちゃうので」
スズカワ「オオバさん、どこか行きたいところあります?」
オオバ「……。ノープランですねw とりあえずざっくり本湖を見て回ってから、養老川に行って濁り具合を見てみましょう!」
「色白艇」タダ乗りスズカワの戦術
水色は最悪。水中はまったく視界が効かず、長く続いた大雨の強い水流でバスはエサも獲りにくいだろうし、疲れているのでは? 視界が効かないならシルエット大きめなルアーを使う、音で誘う、波動で寄せる。このあたりが常套手段だろうか。教えて、ティーチャーオオバ!
スズカワ「オオバさん、こんな日はバスも中層にはあんまりいませんよねえ? いない? ですよね! ポッパーとかがいいのかな? うん、よし、じゃあミミポンで底狙いだな!」
オオバ「えっ、ああハイそうですね。。。。(この人なに言ってんだろうwwwww)」
スズカワのタックル
●リール:21ジリオン SV TW 1000P【DAIWA】
●ロッド:ホワイトバード ED-HAZE WBR-682UL-S【ムカイフィッシング】
●ルアー:レインズスワンプミニ(りんたろうカラー)【レインズ】のダウンショットワッキーがけ
低シルエット、低波動。ライトリグでボトム狙いという手返しの悪さによる試行回数の低下。よくよく考えなくてもこのコンディションにおいては最悪手のひとつではないだろうか。そもそも『ジリオン SV TW』に向いてないのでは?
でもいいのだ。今さらそんなと言われても手遅れだ。俺はミミポン(レインズスワンプミニです)が好きなんだ。おれには、これしかないんだ! だから、これがいちばんいいんだ!
単純に以前亀山湖でいい思いをしたから使ってみたいというそれだけの理由の選択。これだけ視界が悪いならエサを捕食するバスも底とか壁とか際の方が追い詰めやすいのでは? それならミミポンでひたすら底を小突いて偶然目の前に通りかかったバスにアピールしましょうねえ。高滝湖はバスめっちゃいるって聞いてるし、釣れたら他のハードベイト使えばいいわよね♪
これが素人の浅知恵である。
【06:45】チーム馬鹿艇、フルカワ痛恨のバラシ
高滝湖は魚影めっちゃ濃い。と聞いていた。なのですぐに釣果報告がどんどんくるだろうと思っていたが、各艇からの連絡はまったく音沙汰なし。
そんな静寂を突き破ったのが6時45分。チーム馬鹿艇サトウからの鋭い一報で各艇が震撼する。
サトウ「フルカワさん痛恨のバラしです。。。」
誰もが優勝候補と予想した実力者フルカワが案の定ファーストヒット! だが、フルカワは初バスボートで連携にも不慣れな同船の新人サトウを庇い、タモなしで引っこ抜こうとして船べりですっぽ抜けたらしい。
デカイのは、いる。食い気もある。
一方、1/2ozのスピナベを投げていたサトウ。なんだかやたら竿が曲がるので、フルカワが硬さを聞くと……。
サトウ「64Lッス!」
フルカワ「マジか……竿変えて」
サトウ、ロッドをブラックレーベル610MHRB(DAIWA)に交換。
キャストフィールとか、リールの具合はどう?
サトウ「スプールが軽く回るのにバックラッシュする感じが全然しないから、キャストに自信がない僕でも安心して投げられマスね!(ジリオン SV TW 1000PL)」
フルカワ「よし、頑張ってくれたまえ! 獲るぞ!」
サトウ「ッス!」
一方のフルカワは、フレッシュな水が入るインレットをジグアンドポークで狙う。
折からの長雨で流入小河川の水量は多い。ド茶濁りの本湖に比べれば水質も悪くなく、流れに乗って落ちてきたベイトを狙うバスも周辺に潜んでいるはずだ。
フルカワ「ピッチングでも低弾道かつ、スムーズにルアーが飛んでいくのでピンスポットのキャストもよく決まりますね。あと軽くて感度がいいです。ノーマルギアだけどPG化と勘違いするくらい抵抗のあるルアーをグイグイ巻けちゃいますね。(ジリオン SV TW 1000XH)」
インレットは狙い目……。誰もがそう感じるコンディション。
【06:53】チームWトモヒロ艇、バイト報告
古敷谷川に攻め入ったWトモヒロ艇フクシゲから通報。これも惜しく、乗らなかったとのこと。
フクシゲ「個人的ロクマル実績ルアーにバイトあり。それにしてもジリオンはキャストがきまりますな(ジリオン SV TW 1000HL)」
などと報告しながら鼻歌まじりにリグるフクシゲの手元の怪しい動きをオグラは見逃さなかった。
オグラ「フクちゃんそれは?」
フクシゲ「ゲキ濁りと言えばビッグワームでしょう♪」
オグラ「汚いさすがフクシゲ汚い。。。」
フクシゲ「勝てばいいんス!」
オグラ「フクちゃんこれとかどうかな? バッシャーンって音でさ」
フクシゲ「最高ですね」
オグラ「どう使うの?」
フクシゲ「自分で調べてください」
オグラ「汚いさすがフクシゲ汚い。。。」
【07:09】チームフリー艇、表層に好反応か?
何やらワンドの表層にボイルらしき反応を見つけたチームフリー艇。新人タナカが巻きから撃ちに切り替える。ブルフラットをチョイス!
しかしバイトはなかなか出ない。
オオキは新発売のSTEEZアスロック(DAIWA)をチョイス。この激濁りにはちょうどいいのでは!
ここで予告通りのスピナーベイトを投入だ。
オオキ「ハシタクさんの動画めっちゃ見てイメトレはバッチリです!」
【07:20】チーム色白艇、それでいいのか色白艇
プラグ、フロッグ、ワームとシーンによってきちんと様々に狙い方を変えるチーム色白艇船長オオバをよそ目に、スズカワはひたすらミミポンを投げてはボトムを叩くという地味な釣りを敢行。実はこの時点で魚のアタリが何度か出ていた。……これは、いつか釣れる。狙いは……間違っていない(確信)。
オオバ「って、スズカワさんそのロッド、スピニング用じゃないですかw ガイドが大きいw まさかのトリガーレスw」
スズカワ「バレたか!」
実はこの竿、ハゼクランク用のウルトラライトロッドである。シンカーの重さにちょうど適合するのがこの竿しかなかったのだ。何よりこの竿でバスを掛けたらどうなるのか……という誘惑に抗えなかった。
オオバ「それ、ちゃんとジリオンに適合してるんですか? ちょっと貸してくださいよ(ビューン)! あ、ちゃんと飛ぶ。意外とちゃんと飛びますこれ。ジリオンってすごいんですね。。」
【08:16】チーム東の都艇、オリキンさんをリスペクトです!
ここまで沈黙を守ってきたチーム東の都艇から通信。
アズマ「ハイピッチャーMAX(O.S.P)です。僕は数日前からオリキンさんのSNSをチェックしてまして。ガイドのゲストさんがコレでキャッチしてましたから! 間違いないですよ!」
やはりスピナベなのか。確かに実績があるようだ。が、それは折金一樹さんがガイドをしているからでは……?
アズマ「根がからないけどバイトもないなぁ。ってあれ!? フックカバーがついたままですこれ!」
ツヅキ「(これ、ネタじゃなくてマジなんだよなあ。。)」
頑張れシュンエイ。アズマの明日はどっちだ!
【08:28】チームフリー艇、トイレはどっちだ!
オオキ、トイレポイントを模索中。
人目につかぬポイントを四方八方見回しております。
タナカ「(つらそう)」
ちなみにトイレは桟橋をあがって事務所脇にあります。
無事に人としての尊厳を守り抜いたオオキであったが、止む気配のない雨にテンション下降気味。
ここでタナカは昨年実績大のハガーを投入。
タナカ「去年は地元九州でめっちゃ釣りました。ハガーマスターとは僕のことです!」
オオキ「見せてもらおうか……」
タナカ「やったります」
【08:54】チーム馬鹿艇、アゲていこうぜ
フルカワにバイト。
ポイントを休ませて撃ち直すべく雨宿り。
しっかりメリハリをつけていく。
濡れた捨てネズミのような顔の企画販売局サトウ。
あだ名はバイブス。
その理由は販売部のSくんで、バイブS。
いつも美味しいところを全部持っていってしまう。新人ながらみんなの人気者である。
【08:54】チーム色白艇、来たか!?
ひたすらミミポンをちょんちょんしているだけのスズカワをヨソに、きっちりストラクチャをなめてスタンダードな釣りを展開しているオオバ。ここでついに魚信が!
オオバ「ワンバイト! ヴァラップスイマー3.3(ボトムアップ)でボトムを攻めたててからのもごもごバイトです。ハテナがいくつもうかぶマイルドな口当たりでした……やられました」
ここまで明確なアタリがなかったが、魚の反応を得るとテンションも回復するというもの。
オオバ「このまま攻め上がっていきましょう!」
これまでの状況からシャローではない方がいいのでは? という判断をもとに、色白艇は本湖を養老川本流へ向かって遡っていく。途中、上流から折り返してきたチームフリー艇、チーム馬鹿艇、チーム東の都艇に別れを告げる。……ということは狙いは間違っているのか? いや、ここは勘を信じたい。
【10:24】チーム馬鹿艇、フィネスにチェンジ
長い沈黙が続く。雨はときおり強くなったり、ふっと弱くなったりを繰り返す。気力勝負なタフコンディションだ。
チーム馬鹿艇から通信。
フルカワ「ちょっと食いが渋いのでフィネスなリグを投入してみます。ジリオンだと1.8gのネコリグでもまァまァなげられてしまうので幅広いルアーが使えて便利ですね」
【10:56】チーム東の都艇、上陸ス
東の都チーム、上陸! 食うもの食わねば戦はできぬ。高滝湖に来たら外せないアレとは? 飢えて走れ! 遠回りこそが近道なのだ(陸王っぽいノリ)。
ツヅキ「というわけで、としまや弁当 牛久店さんの『チャーシュー弁当』です。千葉南部に点在するお弁当屋さん。みよこのチャーシューの色! どうだまいったか。釣りで疲れた身体に染み渡ります。お味噌汁付きで720円ですぞ」
この報告に、全チームの心は完全に折れてしまった。
オオキ「やってくれたな……」
フルカワ「野郎やりやがった」
オグラ「無理」
フクシゲ「俺もアイス喰いたいっす」
オオバ「スズカワさん、このまま養老川いけるところまでいきましょう。ほら魚っけもでてきました、ライズもあります」
スズカワ「シャッス」
チーム色白艇のみ湖上で補給を済ませつつ釣りを続行。
東の都効果で色白艇以外全チームが上陸して休憩。
オオキ「バイブスどうよ」
サトウ「全然ダメっす、フルカワさんだけッス、ここシーバスいないッス」
タナカ「(笑)」
【12:54】チーム東の都艇、気を取り直して
しっかり腹ごしらえを済ませ、気力十分ハラ一杯の東の都。周辺のカバーを攻める。
ツヅキ「ジリオン SV TWは安心してオーバーハングの下を攻められるところが良いところ。SVブーストだから伸びも違います! 今まで届かなかった『あと少し』を埋めてくれる感じです」
朝からワームを投げないシュンエイ。
ツヅキ「ワームやらないの?」
アズマ「持ってきてないです(キリッ)。右巻きのジリオンなので、今日は巻きを堪能しようかと。やはり一次元違うというか、普段使っているタトゥーラも差し支えない巻き心地ですが、ジリオンはその上を行く円滑な回転が手元に……」
ツヅキ「そっか! シュンエイなりに考えてんだね!」
アズマ「そもそも、考えるという行為を抜いてしまったら、バス釣りほど面白くない釣りはないと思うんですよ。要するに考えることこそがバス釣りの醍醐味であり……」
ツヅキ「(Zzz)」
【13:17】チームフリー艇、午後の1発目!
本湖近くの壁際を攻めていたオオキのブルスホッグ(ボトムアップ)にバイトあり!
超ショートバイトで惜しくも乗らず!
【14:18】チーム馬鹿艇、夢で逢えたら
さかなは私から遠く離れているけど、逢いたくなったらまぶたをとじるの。
閉じちゃダメ。
サトウ「みてください、操船しながら寝てます。サトウの運命やいかに。サトウは帰れるの」
フルカワ「ちょっと疲れてるかも」
このあとめちゃくちゃ寝た。
フルカワ「すまんサトウ、30分寝る!」
危ないと思ったら引き返す勇気。生きて帰ってこその勝者。とても大切なことです。
【時刻不明】チーム東の都艇、そしてまさかの事故発生
落ちました。
ひっくり返したのは大会の行方ではなく、自分自身でした。
ツヅキ「あれっ……」
アズマ「気がついたらツヅキさんがいなかったんです。どこへ行ったんだろうって見渡したら落ちてて。あまりに非現実的な光景で、もうツヅキさんここで死んじゃうんだって思いました」
ツヅキ「助けて(笑)」
ツヅキ「眠たくなったとかじゃなくて、ふっとよろけて、そしたらあっという間に水の上で」
アズマ「写真を撮る暇はないなって思ったのですぐに救助を行いました。そして、せっかく救命胴衣が開いているのでもう一度落ちてみませんか。今度はちゃんと写真を撮りますから」
ツヅキ「確かに啓発の役に立つかもしれんね(どぼん)」
アズマ「これぞ営業マンの鑑、後のことはぼくにお任せください」
まず、船釣りやボート釣りでは絶対にライフジャケットを着用しましょう。義務化されています。ライフジャケット着用による溺死率は1/6に下がるというデータもあります。そして、ライフジャケットがあるから絶対に安全、というわけでもありません。船釣り以外でもライフジャケットはあなたの命を守る役割を果たしてくれます。普段から着用する心構えを。
そもそも十分な休憩時間を確保しましょう。
釣りは命の危険がある、リスクを承知の上の遊びです。危険は常にそばにあるということをよく理解したうえで余裕をもって楽しみましょう。
ツヅキ「ちなみにせっかく水の中に入ったんですが、バスは見当たりませんでした」
アズマ「転んでもただじゃ起きねえなこの人」
【14:24】チーム色白艇、古敷谷川へ
激流と化してきた養老川をけっきょく他の艇同様に折り返してきた色白艇は本湖のポイントを目指す。
オオバ「陸王で何回も見直しました。キムケンさんが釣ったポイント『道路跡』。ぼくにとっては夢のポイントなんです。ここで釣りができる日がくるとは」
しかし期待も虚しく反応はなく、一度上陸して休憩したあと古敷谷川に入る。濁りがきつい本湖よりも河川上流の方が水質に期待ができるのでは? 雨はあがりつつあった。
同じことを考えていたのか、チーム馬鹿艇、チームフリー艇に遭遇。
オオキ「ここはダメっすねー」
フルカワ「うわっ、まだミミポンやってる(笑)。ミミポン場なら桟橋脇の鳥居前がガチっすよ」
確かに普段ならそうなのかもしれない。だが、これまでに蓄積してきた状況が、今日の正解は古敷谷川ではないか、とささやく。本湖方面に戻っていく他艇を尻目に古敷谷川のワンドに突入していく。
オオバ「スズカワさん、ここ、います……! カバーに通したら食ってきた……! でかい、40オーバーです。残念ながらフッキングしませんでしたが……ここでとっておきの秘密兵器使います」
スズカワ「ここやりましょう。実はいまこっちもアタリが……」
遠目にその様子が見えていたのか、チームWトモヒロ艇も本日2度目の古敷谷川にのぼってきた。
スズカワ「ここいいですよ、バスいます」
オグラ「えっ、本当ですか~? てかスズカワさんトローリングみたいになってるじゃないですかw」
スズカワ「澪筋でアタリがあるんですよね……こうやって底をとんとん突いてるとコツン、コツンって……」
【14:38】チーム色白艇、ついにヒット
スズカワ「とんとんしてるとコツンって……ん?」
オグラ「あれっ、なんか釣れてない?ww」
スズカワ「えっ、あっ、本当だ(グイッ)」
オグラ「うそだろ~~~w」
やりました。
記録は23cm。決して大きいサイズとはいえない。
スズカワ「陸王とかならノーレコード。でも今日はサイズ制限がないですね……」
オオバ「LINE見ましたけどまだ誰も釣れてないです。現時点でぼくらがトップに立ったみたいですね……」
スズカワの釣果を目の前でみせつけられたWトモヒロコンビも慌てて作戦変更! ミミポン!
フクシゲ「どんな手を使っても勝てばいいのだ。自分ミミポン巻きます。俺が本当のミミポンってやつを見せてやる」
オグラ「汚いさすがフクシゲ汚い。。。」
フクシゲ「そう言いながらオグラさんだって慌ててミミポンつけてるじゃないですかwwww」
オグラ「いや、だって、ほら、さwww 釣りたいじゃん」
フクシゲ「え、なんて? 聞こえない」
オグラ「釣りたいの……」
そしてここで時間は15時をまわり、通信遮断のシークレットタイムに突入。17時の帰着まで、最終的に誰が勝っているのかはわからない……! はたして……。
【シークレットタイム以降は2ページ目に続きます】
- 1
- 2