ルアマガ誌面を作り上げたプロカメラマン「渾身」の傑作写真たち【ルアマガ フォトギャラリー 久保田憲編#6】



これまでルアーマガジン、ルアーマガジンソルト、ルアーマガジンリバーなどにおいてルアーやタックル、ギアなど数々の撮影を行ってきたプロカメラマン・久保田憲氏の写真をルアマガプラスにて特別公開!今回もルアーマガジン&ルアーマガジンソルトにおいて表紙や扉カットを飾った、臨場感と迫力を生み出すタックルやルアーの撮影写真&秘話をご紹介! 日本一釣具を撮影した珠玉の作品をご覧あれ!

【Profile】

久保田憲(くぼた・けん)

1999年〜写真スタジオのアシスタント、カメラマンを経て、2005年〜フリーカメラマンへ。
東京都台東区のスタジオを拠点に、広告、出版物、Web等の物撮影をメインに活動しています。釣り具の撮影に携わること16年。これまでに撮影してきた釣り道具は、ロッド、リール、ルアー等、のべ十数万点。
魅力的な被写体を、より魅力的に伝えられるよう日々奮闘中。趣味はキャンプと釣り。仕事柄釣りの知識ばかり増え腕が追いついてないが、時間ができれば海へ川へとロケハンという名の釣行へ。なかでもエギングが大好きで、自他ともに認める軟体好き。ネコ好き。日本酒好き。絶叫マシンとニンジンが苦手。

特集の根幹である「羽根」を徹底的に強調させる技アリな1枚!

「ルアーマガジン2019年8月号」掲載写真。

久保田「『羽根モノ大図鑑』という特集に合わせた表紙用の写真です。この写真の中で一番の目立たせたい場所は羽根です。羽根にしっかりとピントを合わせ、目と背中のロゴにもピントを合わせる為にシフトレンズを使いました。

絞りは浅めしてピントの合っている以外のところをボカす事で、見せたい部分をより強調しました。背景を透過光にして影を消し、被写体のディティールや色が潰れてしまわぬように、左右からの補助光とレフ板で調整しました」

強者たちの相棒(タックル)を暗闇から浮かび上がらせることで醸し出す「威風堂々」とした重厚感

「陸王MAGAZINE 2016年」掲載写真。

久保田「歴代陸王のタックルをお借りして撮影した扉用の写真です。ロッドを規則的に並べる場合、角度や間隔がずれてしまうと一気に残念な写真に見えてしまいます。ですので、並べには細心の注意を払う訳ですが、リールがセットされている状態でベイトスピニング混在、更には並べる順番が決まっているので、ここが一番苦労しました。

悠然と立つ陸王達の相棒の姿が、暗闇の中に浮かび上がるようなライティングで、堂々とした重厚感のある写真を狙いました。シャッタースピードは1/125秒ですが、シャッターを切るまでの準備が大切ということですね」



オールド感を「カメラ設定」と「電球色」で作り上げたプロカメラマンの妙技

「ルアーマガジンアドバンス NEOサーフェスゲーム」掲載写真。

久保田「オールドルアーのイメージカットです。オールド感を演出するためにアンバー調にしました。デジカメの設定でWB(ホワイトバランス)というものがありますが、これを太陽マークに設定して光源を電球色のようなものにすると、このような色の写真が狙って撮れます。逆にデジカメを電球マークに設定して、太陽光で撮影すると青くなります。これは色温度によるものですが、ここでは省かせてもらいます。

写真はストロボのモデリングライトを光源にして、綺麗な形で残っている箱と共に撮影しました。被写体のルアーは編集部の方の私物ですが、ここまで大切に残してあるともう投げることは出来ないでしょうね(笑)」

読者の目を止める!大胆且つ立体感のある「レバー」と「リールカラー」を際立たせた1枚

「ルアーマガジンソルト 2011年12月号」掲載写真。

久保田「レバーブレーキリールのイメージカットです。記事を見た読者の方に目を止めてもらえるように、一見なんの写真だか分からないような大胆なトリミングにしました。金色の表現は難しいところがありますが、ハイライトやグラデーションを入れ、黒を残すことで立体感があり光っているように見せることができます。

また、リールのシルエットやブランドロゴがしっかり見えるようにライトを調整しました。およそ10年前に撮影した写真ですが、当時の担当編集の方との会話やシチュエーションなど思い起こさせるところも写真の良いところですね」

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