今年度3度目のモデルチェンジを果たした、ジャッカル×シマノによる最先端バスロッド「ポインズングロリアス」。これまでトーナメントシーンにおいて勝利を成し遂げるためのレーシングロッドシリーズであったが、第3世代となる今作は、トーナメントシーンのみならず、全国のローカルフィールドの特性を解析し、真のスタンダードアクションを追求したモデルとなっている。今回は関東バスフィールドの新たなるメッカ・房総半島をホームとするスーパーロコとして精力的に活躍するジャッカル×シマノプロスタッフ・川島勉さんに唯一のビッグベイト専用モデル「165XH-SB」について解説して頂いた。
【Profile】
川島勉(かわしま・つとむ)
1969年生まれ。千葉県亀山湖をホームレイクとするすべてのベテランアングラーから一目も二目も置かれているスーパーロコにしてルアマガモバイル・初代艇王チャンピオン。使っていて楽しく、釣れるルアーを生み出すヒットメーカーの顔も持つ。ジャッカル×シマノプロスタッフ。
接近性を制す!テクニカルビッグベイトロッド『ポイズングロリアス165XH-SB(ジャッカル×シマノ)』
――3代目ポイズングロリアスシリーズの中で新たにパワーロッドとして今回ラインナップされたのが『165XH-SB』。改めてこのロッドはどのような特徴を持つのか教えてください。
ポイズングロリアス165XH‐SB(ジャッカル×シマノ)
【スペック】
●全長(ft.):6.5
●テーパー:RF
●継数:1
●仕舞寸法(cm):196
●自重(g):125
●ルアーウェイト(g):MAX150
●適合ライン(lb):14~30/6号(PE)
●本体価格(円):62,000円
川島「このロッドはその名の通りSB(スイム&ビッグベイト)ロッド。ですが、従来のビッグベイトロッドとは違い、広範囲にビッグベイトをバンバン投げて探るというよりも『ピンポイント』へ的確にアプローチするテクニカルビッグベイトロッドになります。
私がホームとする房総のリザーバーはご存知かと思いますが、フィールドには比較的人も多く、常にプレッシャーも高い。また小規模リザーバーなのでオーバーハングに加え、倒木や立ち木といったストラクチャー、ブッシュカバーなども多くあります。小場所を攻めるときもキャストの際から丁寧なアプローチを必要とします」
川島「そのようなエリアにおいてビッグベイトゲームを展開するとき、バスとの距離が近いオーバーハングの下にビッグベイトを送り込まなければいけないシーンもあり、長すぎるロッドだとキャストしたあとのフォロースルー時にオーバーハングしている木の枝などにぶつかってしまう。165XH-SBは近距離でのキャストアキュラシーに優れ、レンタルボートでも取り回しのよいショートレングスのビッグベイトロッドなんです」
重量級ビッグベイトを意のままに操れ、アングラーへの負担も解消したベストバランス設計を実現!
――川島さんの代名詞ロッドといえば、ジャッカル時代も含め、初代、2代目ポイズングロリアスシリーズにもあったビッグベイトロッド『170H-SB スーパーボルティズム』。以前は7ftクラスのビッグベイトロッドを房総リザーバーで使っておられましたが、そのロッドとの違いとは?
川島「スーパーボルティズムからの違いとして、まず重たいビッグベイトを投げられるようになったこと。近年ビッグベイトもより重たいものが増えてきて、スーパーボルティズムで投げるのは中々厳しかった。単に遠投するのなら7ftのエクストラヘビーでも問題ないんですけれども。
次に、既に先述してあるようにレングス(長さ)が6ft5inとなったこと。例えば70~100gくらいのルアーを小場所にキッチリ送り込むというと、7ftではキャスト時に水面を叩いてしまい、思ったようにアプローチができなかった。なので165XH-SBは短くて、これまでより重たいビッグベイトをストレスなく小場所に送り込めるようなロッドになっています」
川島「また、近年のビッグベイトはロッドワークでアクションをするものが増えてきてます。165XH-SBはそのニーズに適応するレングス、そしてパワーを備えています」
――どのようなところに前作のスーパーボルティズムから進化を感じられますか?
川島「軽くなったのはもちろんのこと、それ以上に『バランスの良さ』が際立っていますね。持ち重りや振り疲れが全然なくて、1日中ビッグベイト投げてアクションしていても腕に負担が掛からないんです!」
川島「ブランクスも全体的にガチガチではなくて、『UBD(アルティメットブランクスデザイン)』による可変テーパー。力を加えれば加えるほど、ティップ、ベリー、バット反発せずにちゃんと曲がってくれる。力まないでキャストをしてもルアーがしっかり飛ばせます。
従来、ビッグベイトロッドというと、硬くて重いロッド、また曲がりにくく、キャストしづらいロッドもあったかと思いますが、そんな要素が一切ない。昔1日中ビッグベイトを投げると肘を痛めたりしたのですが、そんな心配はなく、体に優しいロッドになってます(笑)」
遠投性能とさらなるパワーを求めるなら『ポイズンアドレナ169XH-SB(ジャッカル×シマノ)』との使い分けを。
――川島さんは自身のYouTubeチャンネルでは『ポイズンアドレナ169XH-SB』も使用されていますが、ポイズングロリアス165XH-SBとの使いわけ、また違いがあれば教えてください。
川島「単純に飛距離を出したいときはアドレナを使いますね。また個人的にはアドレナのほうが更にウェイトがあるものが投げやすい。グロリアスだとちょっと重いかなと感じたビッグベイトはアドレナで投げたりもしています。
ロッドの構造上グロリアスの方はハイパワーX、スパイラルXコア両方採用されていて、アドレナはスパイラルXコアのみ。ホント簡単に表現するとアドレナのほうが硬くて、グロリアスのほうがシャープで筋肉質なブランクスをしている。その差があるんですよ。
つまりアドレナの方がパワーを出すため硬くなっているのでちょっと重いものでもいけるかなと思って投げています」
「カバービッグベイティング」の新境地を切り開きたければこのロッドを手にすべし!
――川島さんはがおっしゃられているように房総をはじめとした小規模フィールドにおけるビッグベイティングに特化したロッドとなっていますが、このロッドをどんなアングラーにおすすめしたいですか?
川島「ずばり一日中ビッグベイトを投げ倒したい人におすすめしたいですね!ちょっと使ってすぐ別のタックルやリグに切り替えるアングラーというよりかは『ビッグベイトだけを投げ倒す人』におすすめしたいです。
ちょっと触るだけだと本当の良さがわからないと思います(爆)。ビッグベイトをバンバン小場所に投げて、オーバーハング奥にも撃ちこんでいきたいというアグレッシブなビッグベイターにはその良さがわかると思います。
現時点で長めのXHロッドを使ってる方だと『短い!』と違和感はあるかもしれませんが、投げてみるとイメージが覆されると思います。
また短くてXHというアクションだと曲がらないと思われるかもしれません、かといってルアーの重みをバットまで乗せるとグニャンと曲がるわけでもありません!
シマノの『ハイパワーX』『スパイラルXコア』によるねじれ剛性に対する強さ、そして『UBD(アルティメットブランクスデザイン)』によりロッドの各パート毎による必要な強度と曲がりを持たせているため、ルアーのウェイトを乗せて曲げて戻る力も強いので、ロッドの軽さに対し驚くほど軽快にビッグベイトをキャストできます。最初使った瞬間不思議な感覚に思いますよ。是非とも体感して頂きたいですね。
タックルセッティング例
●ロッド:ポイズングロリアス 165XH-SB
●リール:アンタレスDC(シマノ)
※巻き抵抗のあるマグナムクランクはノーマルギア、リップレスのビッグベイトガンタレルならハイギア。
ライン:フロロ20lb。
カバーでのファイトやビッグベイトの操作感を考えると現時点では20lbがベターとのこと。
おすすめルアー:ガンタレル、ギガンタレル、メガポンパドール、ブラストボーンSF、マイキー160(廃盤)
※すべてジャッカル