加藤誠司とシマノが導いた「グラスティップ」による高次元シェイキングロッド『ポイズングロリアス268UL/ML-G(ジャッカル×シマノ)』



2011年に誕生したポイズングロリアスはトーナメントシーンで鍛え上げられ、2021年に第3世代へと進化した。グロリアスの各モデルは世代を重ねてブラッシュアップされてきたが、この「268UL/ML-G」は第3世代で新たに生まれた番手だ。特徴はグラス素材のティップをもち、ピクピク釣法に最適化されていること。日本を代表するルアーデザイナーであり、B.A.S.S.オープントーナメントに参戦する加藤誠司さんが解説する。

【Profile】

加藤誠司(かとう・せいじ)

いまや世界的タックルブランドに成長したジャッカル創設者のひとりであり、同社現CEO。ルアー開発&テストの場として日米のトーナメントに出場し続けているレジェンドプロの顔も持つ。

シャッド用ロッドから生まれたピクピク釣法特化ロッド。

ピクピク釣法とは、水面に弱ったベイトフィッシュや虫が浮いている状況で、水面に浮くルアーを使い、ティップを小刻みに連続シェイクして、ピクピクと動かすことでバスを寄せてバイトさせる釣り方のこと。

このロッドはどのような経緯で生まれたのか。

加藤「もともとグロリアスの第3世代として、シャッド用の食わせ能力が高いロッドを開発していました。その時期にジャッカルでピクピク用のルアーが完成したので、数多くのプロトタイプをテストして、ピクピク用に最適なロッドを探していたら、シャッド用のプロトタイプがもの凄くよかった。驚きの発見から方向転換して、ピクピク用に磨き上げた新しい番手が、268UL/ML-Gです」

ポイズングロリアス268UL/ML-G(ジャッカル×シマノ)

【スペック】

●全長(ft.):6.8
●テーパー
:R
●継数:2(グリップジョイント)
●仕舞寸法(cm):179.4
●自重(g):87
●ルアーウェイト(g):2~15
●適合ライン(lb):2.5~5
●本体価格(円):61,000円

細かいシェイクの要となるのがグラスティップだ。ティップセクションは、低弾性素材のカーボンティップも含めて、あらゆるプロトタイプをテストした。その結果、グラスティップに行き着いて、ピクピク系ルアーの絶妙な揺れ方を演出できるようになった。

加藤「グラス素材のティップは、縦さばきの操作でサオ先を細かくシェイクし続けると、サオ先の戻りが微妙に遅れることで適度なラインスラックが発生して、理想的なピクピクアクションが出せるんですよ。いわゆるビビビシェイクはカーボン素材のソリッドティップのほうが適していたりするけど、ピクピクはグラスティップと相性がいい。特に、キャストして、遠くから手前に来るまできれいにピクピクさせ続けるには、グラスティップのほうが自分がイメージしたとおりに、ピクピクするリズムを刻むことができる」

グラスティップは、縦さばきの操作でシェイク中に出るバイトに対して「垂直方向のノセ性能」を向上させている。水面のルアーを吸い込んで潜ろうとするバスに対して、グラスティップの柔軟性と追従性によって、より深くバイトさせバスを掛けきることができる。

加藤「第3世代のグロリアスは、ロッドの重心とリールシートを近づける設計によって、持ち重りが軽減されている。これもシェイクの操作感を向上させている。長さも絶妙で、7ftだとシェイクがややしんどい、6ft6inだともっと飛距離が欲しくなる、飛距離と操作感のバランスがいい6ft8inに設定した」

ハイシーズンはピクピク、冬のシャッドにも◎

268UL/ML-Gはピクピク釣法に最適化されたモデルであると同時に、加藤さんはこの1本があれば表層や中層の幅広い釣りに対応できるという。もともとは、食い込みを重視したシャッド用のロッドとして開発していたモデルなので、当然シャッドにも適したロッドになっている。

加藤秋、冬はシャッド用ですよ。グラスティップの柔軟性と追従性により、シャッド本来の泳ぎを引き出して、低水温期の弱いバイトを弾くことなく掛けきることができます。グラスティップの機能はI字系の釣りにも有効です。ピクピクで触れたように、シェイクがしやすいことは、ジグヘッドリグを中層でフワフワ泳がせるミッドストローリングにも適しています

268UL/ML-Gは、ピクピク釣法、I字系、シャッド、ミッドストローリングのように、ルアーを表層や中層で操作する、幅広い釣りに対応できる。

加藤「グラスティップ特有の遅い戻りと、それが作るラインスラックは、手先の技術では再現できません。クランクベイトにグラスロッドを使う理由は、人間ができない仕事をグラスロッドがやってくれるから。同じようにグラスティップが仕事をしてくれるロッドが268UL/ML-Gです」

ピクピク釣法やミッドストローリングでは、連続シェイク中に適度なラインスラックを出すことでルアーがきれいにアクションする。

グラスティップで連続シェイクすると、ラインが張るのは一瞬だけで、ラインがゆるんでいるタイミングを長くすることができる。連続シェイクの狭間にあるラインがゆるんだ瞬間に、ルアーはフリーな状態で慣性によって動く。その動きがバスを反応させる。

加藤「シェイク系の釣りを別次元に高めてくれる、グラスティップのアドバンテージをぜひ体感してほしいですね」



タックルセッティング例

ピクピク釣法とI字引きではPEライン+リーダーを使用。シャッドとミドストはフロロカーボンを使用。

●ロッド:ポイズングロリアス 268UL/ML-G
●リール:ヴァンキッシュ2500S
●ライン:PEライン0.4~0.6号
●リーダー:レッドスプール/フロロカーボン4~7Lbを90cm前後、FGノットで直結
※ロッドはジャッカル×シマノ、リールとPEラインはシマノ、フロロカーボンラインはジャッカル製品

実釣解説動画もシマノ公式YouTubeにて公開中!