21ポイズングロリアス(ジャッカル×シマノ)がバス釣りに“革命”をもたらす『真の軽さ』とは!? 編集部が実釣インプレしてきたぞ!



「CROSSOVER Re:EVOLUTION(クロスオーバーレボリューション)」の名の下に、総合釣具メーカー「シマノ」とバスを中心とした国内トップクラスの人気を誇る独創的ルアーメーカー「ジャッカル」が業務提携を果たし、生まれた最先端のバスロッドシリーズ『ポイズングロリアス』。2021年2度めのモデルチェンジを果たし、さらなる深化を遂げ生まれ変わった同ロッドは、自重には現れない『真の軽さ』があるという。そんな軽さは本当に体感できるのか!? 実証すべくルアマガ+編集部のバスキチ二人がインプレッションしてきた!

【Profile】

ルアマガプラス編集部・大木

元大型釣具量販店の店員という経歴を持つルアマガプラス編集部員。バスソルト問わず、幅広く釣りを楽しむことをモットーとする。バス釣りにおいては水野浩聡氏を師と仰ぎ、ロッドもポイズンアドレナを愛用中! 今日のインプレはここ最近で割と楽しみにしていた(笑)

【Profile】

ルアマガプラス編集部・フクシゲ

編集歴7年のルアマガプラス編集部員。本格的に釣りにのめり込んだのが遅かった為、色々と偏った癖を持つ。釣りに対するモチベーションは高く、バスをはじめ様々な釣りを経験。モノオタク気質もあり、暇があればルアーを作ったり、ロッドカスタムも嗜む。ド派手なカラーのウェアを好むことから某将軍から『ふく・ぴんく』というあだ名をつけられた。

取材協力地:弁慶フィッシングクラブ

東京は赤坂、大都会にある唯一無二のバス釣り場。通常はボートフィッシングのみフィールドだが、今回は特別に桟橋からのインプレを許可して頂きました。多謝!

〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-26
TEL: 03-3238-0012

ポイズングロリアスは2011年に初代モデルが発売、そして2016年に2代目にモデルチェンジ、そして今年度3代目となりさらなる進化を遂げリリースされた。

ポイズングロリアスのコンセプトとして重要な点のひとつが、製造元であるシマノ社が「現在持ちうるテクノロジーすべて注ぎ込むこと」である。今ではバスロッドのみならず、各釣種にも採用されている「パーフェクションシートSS」「カーボンモノコックグリップ」「アルティメットブランクスデザイン(UBD)」などシマノが誇る最新鋭技術の採用のほとんどはポイズンシリーズがスタートとなっているのだ。

そして今回のNEWポイズングロリアスはスペック値からの軽さはもちろんのこと、アングラーがリールと組み合わせて持った際に自重値以上の軽さを体感出来る「真の軽さ」を各ロッドカテゴリーごと設定しているというのだ。

ケース1:ポイズングロリアス1610M+メタニウム

610M(ロクテンM)といえば、現在のバスフィシングシーンにおけるベイトタックルの「スタンダード」且つ「バーサタイル」なスペック。オカッパリはもちろんのこと、ボートフィッシングにも扱いやすい長さで、ルアーの守備範囲も中量級ルアーを幅広く使用できるのはいわずもがなであろう。ジャッカルが打ち出したこのレングスは今では多くのバスロッドでも見かけることが多い。

今回の『21ポイズングロリアス1610M』においても、これまで以上に理想のロッドバランスを実現しているという。

大木「610Mに関しては、自分グロリアスではないけど、アドレナで全く同じスペックのものを持ってる! しかも旧アドレナ、現アドレナ、さらにいえばジャッカル時代のポイズントランポでも610Mは持ってる! 全部2ピースだけどw」

フクシゲ「610Mって本当に野池から河川、湖、ボートと全国どこでも使えるベイトタックル究極の番手! ルアーマガジンT.O.Yのベイト部門でも何度も1位にランクインしてますし。しかもそのほとんどがシマノ社製(ポイズンアドレナ、エクスプライド)。それだけ支持を得ている番手ということは、基本として610Mのロッドはアングラーにとって釣りがしやすいスペックなんだと思います。そこをグロリアスになるとどう覆っているのかが見ものですね」

早速キャスト開始。投げるルアーは大人気バイブレーション「TN60(ジャッカル)」。

大木「グロリアス1610Mにメタニウム…はっきり言って投げやすさは言わずもがな。自分が使ってるアドレナ610Mもサイコーだと思ってたけど、軽く超えてくるところは流石のシマノです。メタニウムもサイコーです」

フクシゲ「大木さん、投げやすいのは当たり前なんです!今回は『真の軽さ』についてです!シマノHPでは低重量モーメント化で、重心位置が前作と変わり、より水平保持したときの軽量性を感じられるとのことですが、どうですか?」

大木「確かにロッドを水平に構えたときルアーをリーリングすると、今まで使ってきたロッドとは全く別物で、明らかに軽さの鮮明さが違う。かといって、ロッドを上段に構えたり、下段に寝かせてリトリーブしても重いと感じることはない」

大木「この610Mのロッドって色んなルアーが使える中でも、特に中心となるのがスピナーベイトやバイブレーション、ブレードジグ、シャッドテール系ノーシンカーワームなどの中型ファストムービング系ルアーが主軸。今挙げたルアーって、極端に水平姿勢で巻くことは多くはないけど、比較的水平に近い浅い角度で巻く機会が多いと思う。その中で場所によってはティップを下げてリトリーブしたり、浅い場所、また水面のラインをつけないようにリトリーブするときや、ライトテキサスやバックスライド系のワームを使うときはにはティップを上げたりもする」

大木「バーサタイルロッドがゆえ、釣りをする中で他の番手よりも最も色んなロッドポジションで釣りをするからこそ、ロッド角度の中心となる水平ポジション時に最も軽く感じるバランス設計になっているんだね」

フクシゲ「610Mは特にオカッパリにおけるオープンウォーターでのキャストも多い、バイブレーションのリフト&フォールは上下のアクション、クローラーベイトもラインを水面につけないよう遠方ではティップを上げて、近づいてくるにつれてティップは下げる。必ず動作のなかで『真ん中』というか一番ロッドの動きが通過する中心=水平に近いポジションは最も多いですよね。確かにその姿勢により軽く感じるバランスを設定すれば、1日通して釣りをした際も総合的に軽く感じられることになりますね」

ケース2:ポイズングロリアス161L-BFS+アルデバランBFS

フィールドのハイプレッシャー化により、これまで以上に繊細なアプローチが必要とされる現代のバスフィッシング。ことトーナメントにおいては刻々と変わるフィールドの変化に、人為的プレッシャーも加わるとなれば、魚を揃えることの難しさは想像に難くない。約10年ほど前にムーブメントとなったベイトフィネスにおいてもより繊細なライン、ルアーにおいてのアプローチが要求される中で、タックルも著しく軽量化し続けている。

そんな現代のベイトフィネスタックルの最先端をいくのが『21ポイズングロリアス161L‐BFS』。前モデルも既存のベイトフィネスロッドよりもより繊細かつコントロール性に優れたショートレングスはトーナメントにおいても活躍し、ジャッカル×シマノプロスタッフ陣への勝利に大きく貢献した。

そんなカリカリなレーシングスペックのロッドがさらに1inショートレングス化、またフルカーボンモノコック化されたことにより軽量性と感度も向上、秒単位でのスピーディーな手返しが可能となった。

大木「正直いって、オカッパリがメインな自分はあまりベイトフィネスをやったことがなくて…。でも最近オカッパリよりもレンタルボート釣行の機会が増えていて、カバー周りを繊細に、でも少し太めのラインでアプローチしたくなったときにベイトフィネスの必要性をより感じる機会が増えてる。なので先日『SLX BFS』を購入しました(笑)」

フクシゲ「そんな大木さんがこのタックルを使ったらヤバいですよ。最先端のベイトフィネスを体験したら間違いなく、後戻りができなくなる…。確実に欲しくなると思いますよ(笑)今回はフリックシェイク4.8in+1.8gのジグヘッドワッキー(ジャッカル)でインプレしてみましょう」

大木「ヤバいですね、ロッドとリールを組み合わせたときの軽さが半端ない…。しかもこんなに軽量ルアーのキャストがバンバン決まるって・・・本当にタックルの重さが感じられないから手の延長線上で投げているみたい! 楽しすぎます(笑)。遠投は厳しいかもだけど、近距離のカバーを攻めてくレンタルボートはこのタックルあったら絶対釣果違う」

フクシゲ「今回は前モデルもシマノさんから用意されているのでそちらも使ってみましょう」

大木「このロッドでも正直全然軽いよ!でもやっぱりフルカーボンモノコック化された161L-BFSはそれを凌駕してる。ジグヘッドワッキーのフワフワさせている感じも鮮明に分かるし、ウィードタッチした瞬間もすぐに分かる。ブルーギルが突いている感じもね。凄すぎてどう表現していいか分からない!(笑)」

フクシゲ「161L‐BFSは先程の610Mとは違い、垂直保持、つまりロッドを上段に構えたポジションにおいてより軽さを感じるモデルになっています。とはいえ、前モデルと比べて自重は軽くなってるのでロッドティップを下げた状態でも全然軽い。それでもやはりこのロッドはティップを上げてアクションさせたり、バイトを取る姿勢が多くなるので体感的な軽さはロッドティップを下げたときよりも上げたときの方が感じられますね」

大木「糸を通す前から、リールをセットしたときですらその軽さに驚いたけど、糸を通して、ルアーをつけて実際にアクションさせたらよりそれがハッキリ分かった。勝つためのロッド、レーシングスペックだからこそ、ただ単に軽いのではなく、タックルに合わせた適正なロッドポジションにおける数値では表せない『真の軽さ』が必要なんだね」



ケース3:ポイズングロリアス263ML+ヴァンキッシュ2500S

バス釣りにおけるスピニングタックルは、以前はフィネス的なラインナップが主流で、繊細さを求められるシーンが多かった。しかしPEラインの導入や進化により、近年ではパワーフィネス、または小型ハードベイト拡充、さらには小型フロッグなど、オフェンシブなスタイル「パワースピニング」タックルの需要も高まりつつある。それは繊細さを求められていたスモールマウスゲームにおいてもだ。

昨今スモールマウスゲームにおいては8m以深のメソッド「シャッドキャロ」がムーブメントとなっている。特殊な釣り方ではあるものの、トーナメントにおいてもスモールマウス戦はあることからトッププロたちは決して無視することはできない。今回最後にインプレッションするのがそんなシャッドキャロに特化した『ポイズングロリアス263ML』だ。

大木「シャッドキャロと聞くと、スモールマウスのイメージがあるけど、アングラーによってはラージマウスでも取り入れているよね」

フクシゲ「そうですね、急深のリザーバーや琵琶湖でやられる方は独自に応用したりもしてますよね。でも今までポイズングロリアスでこんなリグに特化したロッドってありましたっけ?」

大木「前モデルや初代モデルでも琵琶湖という場所に特化したモデルがあったけど、リグに特化したロッドは初代ポイズングロリアスのジグヘッドワッキー専用の『266L フリックシェイキー』が確かあったと思う。ちなみにシャッドキャロを優先で意識しつつも、通常のシャッドや小型ミノー系のハードプラグには適したロッドにもなってるんだよね」

今回の弁慶濠は水深が浅いのでシャッドキャロはできないが、PEライン0.4号+8lbリーダーに小型ミノーをセッティング。どのフィールドにも適応するハードベイトスピンスタイルでインプレッションした。

フクシゲ「ディープでのシャッドキャロ専用なので、例えグロリアスでも少し重さは出てくるかなと思いましたが、全然そんなことはありませんでした。むしろ軽さとパワー、そしてショートレングスであるため軽快さもあるので小型ハードベイトには本当に良いですね」

大木「このロッドは161L-BFSとは真逆に、ティップを下げた姿勢での垂直保持において軽さを感じるモデルなんですが、今回インプレした機種の中でも、ロッドを下段に構えて止めたときの保持姿勢がすごい安定している。『真の軽さ』を一番体感しやすいかもしれない」

フクシゲ「シャッドキャロはやったことないですが、8m以深のディープで、シンカーをつけたシャッドをアクションさせるとなるとティップにはとてつもない抵抗が掛かるのは想像に難くない。でもこのパワーティップならしっかりダートさせられるし、姿勢保持が軽いから止めてからのバイトも構えられる。釣ることを優先しながらも、アングラーの負担も軽減するまさにレーシングマシンですね!」

263MLの『真の軽さ』の凄さの余韻に浸っていると、インプレをしていたフクシゲにまさかのヒット!

上がってきたのはなんと40アップのナイスバス。

フクシゲ「ミノーで喰わせたっす!今季最大魚(笑)桟橋の下に潜られたんですが、難なく取り込めました!」

※今回は取材のため特別に許可を得て桟橋で釣りをしております。通常は桟橋での釣りはできません。

ロッドの深化による「真の軽さ」を導き出した『21ポイズングロリアス』

今作で3代目を迎えるポイズングロリアス。2011年にリリースされた初代においても、シマノの最新テクノロジーは導入されていたが、より大きな変革をもたらしたのは、『カーボンモノコック』を採用し、フラッグシップ『ポイズンアルティマ』に迫る軽さと感度、操作性、そしてパワーを手に入れた2代目であろう。

実際に今回ベイトフィネス番手においては前作のモデルを触ってみたが、完成度は非常に高く、今でも最前線において高いパフォーマンスを発揮することは間違いない。

そんな2代目からモデルチェンジをし、進化を果たした3代目新ポイズングロリアスに備わっているのが、最新形のリバースフレアシェイプの『カーボンモノコックグリップ』や、より深化した『アルティメットブランクスデザイン』。さらには使うルアー、シチュエーションなどにより理想の感度と重量バランスを追求しながらも、スペックには現れないアングラーとの一体感「真の軽さ」を導きだしたのである。

今回「真の軽さ」をインプレッションにて体験することができたが、ロッドの性能はもちろんのこと、軽量なブランクスに、軽量なリアグリップという軽さが相まった組み合わせで、重心位置を決めること自体普通に考えても非常に困難なことであるのだが、それを実現するだけでなく、さらに昇華させているシマノロッド開発陣の努力と技術力の高さをより感じることができた。

トーナメント志向の「勝つためのロッド」でもあるポイズングロリアスだが、是非オカッパリアングラーやレンタルボートアングラーにもこのロッドで今まで取れなかった1尾を掴んでもらいたい。

今回インプレしたポイズングロリアスの解説動画はこちら