並木敏成の“左腕”DAIWA 最高峰バスロッド『STEEZ MACHINGUN CAST(マシンガンキャスト)』は「DAIWAベイトリールの進化と共に」生まれ変わった究極のエクスカリバー!



2021年、第2世代へとフルモデルチェンジを果たしたDAIWAバスロッドの最高峰『STEEZ』(読み:スティーズ)。開発に携わったプロングラーが渾身のNEWモデルについて語り尽くす当企画の第4回目は、満を持して“Mr.STEEZ”、並木敏成さんの登場だ。氏の代名詞とも言える『MACHINGUN CAST』(読み:マシンガンキャスト)の名を冠した3モデルは、はたしてどんな進化を遂げたのだろうか。 

DAIWAベイトリールと共に、STEEZロッドは進化を遂げる。 

 

ピックアップから矢継ぎ早に放たれる弾丸。ルアーの滞空時間はごくわずか。次の瞬間にはピンスポットを鋭く撃ち抜き、ターゲットとの間合いを詰めていく。 

誰が呼んだか『MACHINGUNCAST(マシンガンキャスト)』。自動小銃をイメージさせるその驚異的パフォーマンスは、バスアングラーなら誰もが知るところだろう。 

並木敏成さんを語る上で欠かせない、その言葉は、いつしかDAIWAバスロッド最高峰『STEEZ』の1モデルとして名を連ねて久しい。 

07 TYPE-Ⅰ&Ⅱに始まり、14 TYPE-Ⅲ、そして17 TYPE-1.5、18 TYPE-0.5。初代STEEZでは実に5モデルを数える看板シリーズとして君臨してきた。 

並木さんは今季2021年、STEEZが第2世代を迎えるにあたり、次なる時代を見据えたNEW TYPE-Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを完成させることになった。

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【Profile】

並木敏成(なみき・としなり)

JB年間チャンプ、B.A.S.S.クラシック出場、FLW年間2位など、日米で輝かしい実績を残す、日本を代表するプロアングラー。卓越したキャスティング技術及びキャスト理論は本人の代名詞ともなっている。DAIWAプロスタッフ、O.S.P.inc代表

並木「初代から15年もの歳月が過ぎた。その間に、バスフィッシングを取り巻く環境と共に求められる竿も移り変わっていった。同時に、DAIWAテクノロジーも大きく進化していったことは言うまでもない」 

並木さんは「特に」と前置きして、こう続けた。 

並木「ロッドと共になくてはならない存在、ベイトリールの進化は目覚ましい。軽いルアーを軽快かつドラブルレスで投げるために、SVが果たしてきた役割は大きい」

2013年に登場したストレスフリーバーサタイル・SV機構は、ベイトの歴史を塗り替えた。極端に軽い及び重いルアーを除く、使用頻度の高いウェイトを幅広く扱え、なおかつスプール過回転によるトラブルを極限まで減少したことは誰もが知る。 

そして今季2021年、トラブルレスに加え、さらに遠投性能をも極めた「SV BOOST」が登場。STEEZ LTD SV TWを始めとしたベイトリールに搭載され、全方向に死角のないモデルが仕上がった。 

並木「誤解を恐れずに言うならば、かつてMパワーで投げていたルアーは、今やHパワーでも投げることができる時代。だとすれば、バスロッドには今、何を求めるべきなのか」

優れたリールのレスポンスを最大限に活かす現代のバスロッド。並木さんの新たなMACHINGUNCASTは、日々完成度を高めていった。

 

ベイトフィネス級を網羅する TYPE-Ⅰの圧倒的攻撃力 

並木「ルアーを正確に投げることができるなら、竿は硬い方が有利であるのは明らか。ロングディスタンスでの操作性は上がり、フッキングもしっかり決まる」

並木さんは竿の真理を説く。長さではなく、硬さの優位性について言及した。 

並木「元々、MACHINGUNは特化した釣法を極める一方で、その優れたブランク性能によって高い汎用性を持つシリーズ。新たなモデルたちは、そのアドバンテージがさらに拡大されたと考えていい」 

例えば、21MACHINGUNCAST TYPE-Ⅰ。 

かつては投げやすさを求め、全体を曲げ込んでルアーを弾き出したテーパーは一新。ベリーから立ち上がり、パワーを増したバットへ繋ぐレギュラーファストへと進化。ティップだけを回して放つコンパクトなスイングで軽快なキャストを可能にする。 

並木「投げやすさ、使えるルアーの幅の広さは竿だけでなく、リールとの連携で実現できる。だとすれば、ロッドはさらなる可能性を追求したモデルへと仕上げることができる」

パワーを増したテーパーデザインは、SVFナノプラスで軽く細身に仕上げられた。その先端から根元までの最外層はX45フルシールドが締め上げ、捩れが懸念される細身ブランクを支える。軽さとパワーを両立した形だ。 

並木「かつてはクランクベイトが中心だった巻きの竿・TYPE-Ⅰは、軽さがもたらす感度と共にワーミングへの対応力を格段に向上した」

ソフトなティップは巻きのルアーに追従する一方で、パワーを備えたベリー〜バットは撃ちにも磐石だ。 

並木「通常は巻きと撃ちを両立するとは言っても、巻きで100点の竿なら撃ちは60点程度になるもの。ところが、TYPE-Ⅰは厳しく評価しても80点。ベイトフィネスに迫る領域までカバーできる1本に仕上がった」

現代シーンに欠かせないバーサタイル性能を磨き上げた究極の1本がTYPE-Ⅰなのだ。 

【並木敏成セッティング例・TYPE-Ⅰ】

●ロッド:21 STEEZ C66M MACHINGUNCAST TYPE-Ⅰ 
●リール:STEEZ CT SVTW、SVライトリミテッド 
●ライン:フロロカーボン8〜14lb(※主軸は12lb) 

並木「ベイトフィネス級ワーミングから、レギュラークラスのクランクベイトやスピナーベイト、それにミノーやトップなど操作系にも使う1セット。ボートなら2〜3セット積んでおくほど重宝しているよ」



テーパーの進化で戦力の増強を遂げたTYPE-Ⅱ&Ⅲ

レギュラークラスのファストムービングに加え、ベイトフィネス級ワーミングというバーサタイル性能を発揮するTYPE-Ⅰに続き、TYPE-Ⅱ、TYPE-Ⅲも劇的な進化を遂げた。 

並木「開発で試行錯誤を重ねる中で、日に日に、MACHINGUNCASTの3本で1日のゲームを完遂したい気持ちが強くなっていった」

元来、3/8ozクラスのワイヤーベイト専用機としての印象が強いTYPE-Ⅱ、そして重量級の巻きを守備範囲としたTYPE-Ⅲ。そのいずれもが新たなテーパーデザインによって、TYPE-Ⅰ同様に幅広いルアーへの対応力を高めていった。 

並木「いずれもテーパーはレギュラーファスト。キャスト時に曲げ込む位置をティップ寄りの1点に集中させることで、張りのあるティップを強靭なベリー〜バットへ繋げた」

ティップとベリー〜バットの明確化は、小さな入力でのロールキャストに万全。また、この“への字”曲がりとも呼ばれるテーパーは、トレブルフックを持たないファストムービングルアーやジグ&ワーミングで優れた性能を発揮する。 

並木「ティップの張りを保ったまま水中からの振動をとらえるスラック巻きを可能にする一方で、ボトムサーチでは優れた感度を伴って食わせの間を演出できる」 

先端から曲がり込むテーパーとは異なり、ティップ寄りの1点から曲がり込むからこそ可能となるのがそのアドバンテージ。スラックラインが違和感のない食わせへと直結する。 

またTYPE-Ⅰに採用されたSVFナノプラスの軽量高感度、捩れを防ぐX45フルシールドに加え、TYPE-Ⅱ&Ⅲのバット部にはハニカム構造で復元力を発揮する3DXを搭載して剛性をさらに高めている。 

並木「Ⅱはワイヤーベイトを中心に、テキサスやフリーリグ、高比重ノーシンカー、スイミングワームなどにも対応。Ⅲはヘビーワイヤーベイトに加え、ジグ&ワームのヘビーカバー撃ち、ヘビキャロやビッグベイトまで」 

ルアーの重さや引き抵抗、カバーの濃さなどに応じて、2本を使い分けることが可能。段階的に使い分けが可能なⅠ・Ⅱ・Ⅲによって、使用頻度の高い釣法のほぼ全てに対応することが可能となる。 

【並木敏成セッティング例・TYPE-Ⅱ】

●ロッド:21STEEZ C66MH MACHINGUNCAST TYPE-Ⅱ 
●リール:STEEZ SV TW、STEEZ LIMITED SV TW 
●ライン:フロロカーボン12〜20lb/(※主軸は14lb)

並木「3/8ozのワイヤーベイトだけでなく、テキサスやフリーリグのワーミング、スイムジグにも。大型のトップや小型ビッグベイトにも」

【並木敏成セッティング例・TYPE-Ⅲ】

●ロッド:21 STEEZ C610MH+ MACHINGUNCAST TYPE-Ⅲ
●リール:STEEZ SV TW、STEEZ LIMITED SV TW
●ライン:フロロカーボン14〜25lb/(※主軸は16lb。時にPE40〜60lbも)

並木「3/8~3/4ozのワイヤーベイトを始め、カバー撃ちにフットボール、ヘビキャロ、2ozクラスのビッグベイトにも」

100点の攻撃力、厳しく評価しても80点の守備力

全15モデルが発表された21STEEZ。うち、並木さんが開発したモデルは、ここまでに紹介した3機種を含め、実に5機種を数える。

今回は登場していないモデルとしては21HARRIER610(C610SH-SV)、21SKYFLASH66(S66L)も存在する。

いずれにも共通するのが「専用モデルとして研ぎ澄まされながらも、あらゆる釣法への対応力を磨き上げたバーサタイルロッド」であること。現代フィールドから弾き出されたリアルな回答がそこに凝縮されている。

TYPE-Ⅰの項で並木さんが解説したのは「100点」の攻撃力と「少なく見積もっても80点」の守備力。

そこには、現時点のDAIWAバスロッド最高峰の姿、“Mr.STEEZ”の現場主義が息づいている。