川の魚は海よりもより、シビアに有限であることを思い知らされます。ですので、日本のほとんどの河川は漁業協同組合などにより資源の管理がされています。今回は公益財団法人・日本釣振興会の主催するLOVE BLUE事業に埼玉県入間漁業協同組合が協力する形で入間川にマブナが放流されることになりました。その様子をお伝えします。
埼玉県の入間川って?
記者もなぜか組合員として潜り込んでいる、埼玉県は西部を流れる川で荒川の支流にあたります。狭山丘陵をゆったりと流れる入間川は、古くから様々な釣りが盛んに楽しまれており、鮎やヤマメ、イワナなどはもちろん、コイ、マブナ、ヘラブナ、ナマズ。そしてオイカワやカワムツなども生息しています。
高度経済成長期は日本の汚い川ワーストに選ばれる不老川などを支流に要していますが、近年はそんな不老川にもメダカが棲むようになりました。
近年でもウィークエンドになると、大勢の釣り人が河川で釣りを楽しんでいる。そんな里川です。漁協としても精力的に河川の魚族資源維持に取り組んでいることから、LOVE BLUE事業の支援を受けることができたんですね。うん、よかった。ちなみに今回の放流されたのは9月30日。
今回の放流対象は……マブナ!
様々な魚の生息に適した懐を持つ入間川ですが、今回行われた放流は、もともと入間川の在来魚でもあるマブナ。しかも、埼玉県の同じ水系産の質の良いマブナが用意されました。
日本釣振興会のスタッフはともかく、漁協のスタッフは40台後半で若いほう。漁協って遊漁券などを徴収することから、営利団体なんでは? と思われがちですが、近年の川の漁協はアユ釣りの衰退などもあり、ほぼ、河川管理のボランティアみたいなものです。
それなのに日に1,000円前後の遊漁券すら、払うことを渋る釣り人も多いのは悲しいことです。冒頭に申し上げましたが、漁協という組織が川を管理しなければ、正直なところ、一瞬で川は魚だけでなく退廃します。漁協が川をダメにしている場合もありますが、それでも管理しないよりはマシなのが昨今の情勢です。ちなみに入間川は漁協、がんばってますからね!
なので、お願いします。川で釣りをするときは、遊漁券をお買い求めください。売ってる場所がわからないなんてことも多いとは思いますが……。
そんな妙齢? のスタッフたちが集まって放流が行われました。みんな若いと思っているので魚をバケツリレーで放流したりしたのですが、人数が少ないこともあって大変です。
近年はカワウ大発生の問題なども深刻化しており、1箇所に固めて放流した場合、放流された魚が一網打尽にされてしまう危険もあるので、可能な限り放流場所を分散するのですが、それでもまだまだ行き届いている放流ではないのです。
放流されたマブナはまだまだ小さいですが、川の虫などを食べて来年には、釣りごろの魚に育っているはず。
多くの人が、川の魚と触れ合うことで、いまそこにある環境がどのようなバランスで維持され、紡がれているのか、そこを知っていただければ、もっともっと川は良くなります。今回はその一助となる放流事業をご紹介しました。
日本各所でこのように、川の魚たちが維持されていることを知っていただければと思います。
安価な延べ竿片手に、ちょっと川に釣りにでかけてみませんか?