テンリュウのライトジギングロッド『ホライゾン』シリーズのハイエンドライン『ホライゾン・プログレッシブ』に、ネギングカスタムの異名を持つアイテムが追加される。そもそもネギングとはどんな釣りなのか? そしてカスタムならではのロッドの特性とは? 自身もネギングにハマるテンリュウの舟木雄一さんに解説いただいた。
【Profile】
舟木雄一(ふなき・ゆういち)
半世紀の歴史を持ち、国内自社工場のMADE in JAPANクオリティを誇るロッドメーカー『テンリュウ』の開発・広報を担当。自社製品が関わる釣種すべてに確かな腕を持つスーパーマルチアングラーでもある。
ライトジギングの新潮流、ネギング人気がじわじわきている!
ライトジギングロッドのホライゾンに最先端の素材、製法を導入し、操作性と耐久性を高めたのが『ホライゾン・プログレッシブ』シリーズ。この最高峰ラインに追加されたのが、HPG632S-MLネギングカスタムだ。このネギングというワード……聞きなれない方も多いはずです。
舟木「ネギングは根魚ジギングの略です。100g前後から150gまでのメタルジグを使うライトジギングの範疇で、私の知るところでは、発祥は島根の遊漁船の龍勢丸さん。ライトジギングタックルで30kgクラスのハタや、20kgクラスのヒラマサまで釣っていたんです。なんじゃこりゃ? と思って釣りに行ったら、私もすっかりハマってしまいました(笑)。いま山陰地方を中心に人気が高まっているオフショアゲームです」
ホライゾンプログレッシブ 632S-ML(テンリュウ)
【スペック】
- 全長:190cm
- 自重:112g
- 継数:2(オフセットハンドル)
- 仕舞寸法:141cm
- アクション:レギュラースロー
- ルアー:MAX150g
- PEライン:MAX2.0号
- ドラグ:MAX3.0kg
- 価格:53,000円(税抜き)
- 発売:2021年10月中旬予定
ネギングのターゲットは多彩! ハーフピッチジャークで誘い上げて喰わせるのが特徴
ネギングの魅力は、ライトジギングタックルで大物が獲れることですか?
舟木「それは結果として。一番の魅力は、ターゲットからのコンタクトです。アタリが多い釣りは楽しいですよね」
メインターゲットは、ネギングの名の由来でもある根魚ですよね?
舟木「そうですね。カサゴ類やハタ類。同じようなエリアに生息するマダイにも有効だし、砂泥のボトムを狙えばアマダイ。これもネギングの人気魚種です。誘い方からすると青物にも効きます」
誘い方は通常のライトジギングとは違うんですか?
舟木「ちょっと違います。ボトム付近からリールのハンドル半巻きひとシャクリのハーフピッチジャークで、メタルジグをキラキラ躍らせながら誘い上げて喰わせるのが基本です。根魚は喰って根に戻ろうとする習性がありますからね」
フォールで喰われるとそのまま根に潜られて出てこない、と。
舟木「上に追わせて喰わせれば、それを許さない。釣り人が主導権を握ってファイトできます。だからライトジギングタックルで想定外の大型魚が獲れる確率も上がるんです」
「伝説」のネギングロッドを最新の技術・製法でブラッシュアップ!
ホライゾンプログレッシブHPG632S-MLは、ハーフピッチジャークによる誘い上げがしやすいということですか?
舟木「そうですね。そのベースとなるのが、初代ホライゾンLJのHLJ63S-Lです。現在は製造を終了していますが、龍勢丸さんで驚異的な釣果を叩き出していたロッドです」
その伝説ともいえるべきロッドをプログレッシブで復活。特長は?
舟木「ひとつはHLJ63S-Lから踏襲した長めのリアグリップです。500mmとプログレッシブシリーズの中でひときわ長い。ストレートポンピングがしやすく、かけた魚を中層の安全圏まで浮かせてからロッドを曲げたファイトが楽しめます。プログレッシブシリーズは、ブランクにC・N・T(カーボンナノチューブ)を採用していて粘り強い。曲げたときの安心感が一層高まっています」
ガイドから調子まで、細部にいたるまで全てがネギング仕様
そのほかにホライゾンプログレッシブ632S-MLが、ネギングカスタムといえる特長は?
舟木「プログレッシブのスピニングモデルは全3機種あって、2機種はティップにマグナフレックス製法による低弾性カーボンを使用しています。HPG632S-MLネギングカスタムだけは通常のチューブラーです」
その狙いは?
舟木「繊細なアタリをとったり、フォールのアタリを向こうアワセでのせるという特性を捨てて、メタルジグの操作性に特化しました。魚が強烈にバイトするように仕向けて、しっかりフッキングさせるというコンセプトです。そのため、ほかの2機種と比べるとティップはやや張りがありますが、レギュラースローテーパーで負荷がかかれば全体的に曲がります。リアグリップの形状も極力段差を少なくして脇挟みしやすくなっています」
張りのあるティップと脇挟みしやすいリアグリップでハーフピッチジャーク。メタルジグをキラキラと動かしやすい?
舟木「そのとおり。あとネギングは最初にチョイ投げをして沈めて、斜め軌道で誘い上げます。ライン抜けの良いキャストしやすいガイドサイズというのも狙って作り込んでいます。ぜひ専用ロッドでネギングを楽しんでほしいですね」
ライトジギングから派生したネギング。ターゲットは根魚を軸に多彩。全国各地の海でホライゾン・プログレッシブHPG632S-MLが活躍するのは間違いなさそうだ。
HPG632S-MLの開発風景
ブランクががきれいに曲がって粘り強いから安心してファイトが楽しめる。かけた直後や大型魚に対してはロッドを曲げずにストレートポンピングで対処。ハーフピッチジャークを多用するので、リールは4000番のエクストラハイギアがマッチ。PEラインは1.5号~2号。リーダーはナイロン35~40lb(3ヒロ、約4.5m)がネギング仕様のラインシステムになる。
『ホライゾン プログレッシブ 632S-ML』の実釣解説ムービーをチェック!
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