“西の琵琶湖と東の霞ヶ浦”。全国各地にバスフィールドは数あれど、東日本の代表として君臨するのは、今も昔も霞ヶ浦水系だろう。一方で、気候は段々と晩秋のシーズナルパターンへと移り変わっていくわけだが、今年も秋の霞ヶ浦でバスを釣りまくりたい諸君のため、晩秋陸っぱり攻略をO.S.Pプロスタッフの加藤栄樹さんに指南してもらった!
霞ヶ浦水系の若きプロアングラー、O.S.P加藤栄樹さん!
【Profile】
加藤栄樹(かとう・えいじゅ)
2000年6月10日生まれ(21歳)。千葉県出身、茨城県在住。ベイト、スピニングともに左投げ右巻き。スポンサー:O.S.P、アウトレック。バス釣り歴は12年に上り、父親の影響で霞ヶ浦に連れて行ってもらったのがきっかけ。初バスは、北浦でロボリーチのダウンショットにて釣った43cm。
加藤「現在、チャプターやJB、WBS、他にもBMCといったトーナメントに出ています。特に、チャプターには17歳から出ていて、今まで優勝したことはなかったんですが、今年の北浦チャプターで初優勝を遂げました。JBは参戦1年目で、来年はマスターズに昇格できるように頑張りたいです。基本はボートで霞ヶ浦水系に出ていますが、それでも陸っぱりも変わらず続けているので、みなさんにとってタメになるようなフレッシュな情報をお伝えします!」
霞ヶ浦水系の現状と、晩秋にかけての展望
加藤「特に、今年に関していうと魚のサイズのアベレージが下がった感じを受けますが、北利根川、霞ヶ浦の土浦方面、西浦方面など小さい魚を筆頭に比較的釣れやすくなったように思います。2年前の台風の後に激減して一時期は釣れなくなっていたんですが、そこから回復傾向になりフィールド的には今後とても楽しみな状況になるのではないかと思っています」
――今後の晩秋に向けて、どういう展開が望ましいのでしょうか。
加藤「基本は巻き物の展開がメイン。適水温になって、追うベイトもエビからイナッコなどの動きの早い小魚系にシフトし横の動きへの反応が良いため、ワームを撃つにしてもシャッドテールワームなどを巻く方がベターです。また、夏まではピンスポットに付いていた魚が石積みの周りをウロウロ回遊するようになったりと、だんだんと散るようになっていきます。そういった状況下において、広範囲に効率よく探れる巻き物のチョイスが望ましいです」
――散っているバスを攻略するには、何が必要ですか?
加藤「とにかく、粘らずにどんどんラン&ガンをしていく。まずはベイトの有無を確認し、ベイトがいればその辺りをスピナーベイトなどを巻いてサーチしてみる。水質が綺麗だったり、狭い流入河川といった場所をスピーディーに攻略するときはシャッドテールをベースに巻いてみる。そういった対応をすれば魚と出逢える確率も増えると思います」
――おすすめのエリアは?
加藤「インターセクションだったりワンド奥の流入河川の出口だったり。ベイトフィッシュが溜まりやすく、魚っ気があるところを優先的に探して、ベイトフィッシュに付いて回遊してくるバスを狙ってみてください」
今後の展開を踏まえた、加藤プロ必須ルアー4選!
セレクト1:ハイピッチャー(ダブルウィローモデル)
選んだ理由について
加藤「晩秋になってくると、水質もどんどんクリアアップして、よりウィロー系の方がベイトフィッシュライクなシルエットの統一感が出ます。また、タンデムウィローモデルよりも速く引けて、横の動きをより出すことができます」
使い方
加藤「基本は3/8ozを使い、トレーラーフックは必ずつけます。晩秋にかけていきなり冷え込みが発生することがあり、そういう状況下では反応するけど食いきれないという場合があります。なので、食いミスが起こりづらいようにして、陸っぱりの数少ないチャンスをものにします」
使うシチュエーション
加藤「どこでも使えちゃうルアーなんですが、自分は流入河川のマウスだったり、石積み周りだったりで回遊を待ったり、餌を食いにきている個体を狙ったりします。根掛かりもしにくいし、サーチベイトとして1番最初に投げるルアーです」
セレクト2:ブリッツシリーズ
選んだ理由 について
加藤「スピナーベイトのレンジコントロールは難しいんですが、クランクは誰が巻いてもある程度同じようなレンジを巻くことができるので、コンフィデンスを持って投げることができます」
使い方
加藤「陸っぱりだとノーマルモデルしか使わないんですが、斜め護岸など深いエリアを探る場合はDRやEX-DRを使っています」
使うシチュエーション
加藤「基本、足元をやるときに使います。石積み周りや護岸周りで使うことが多いです。スピナーベイトは上のレンジを速く引いてくるために使うんですが、それでバスの食いミスが連発するといった場合にシャロークランクなど一段深く潜らせてあげると、ちゃんと食ってきたりします」
セレクト3:ドライブシャッド3.5in
選んだ理由について
加藤「晩秋の流入河川に残っている、イナッコなどを食いにきている個体を狙うときに活躍します。スピナーベイト、クランクともに共通して言えるのは横の動きなんですが、違いとしてはゆっくりとしたスピードで見せてあげられ、弱い波動で狙っていくとき用です」
使い方
加藤「オフセットフック#1/0を使ったノーシンカーです。カラーはサイトスペシャルという膨張色を好みで使っています。人間からみるとインパクト強めなんですが、バスから見ると銀ラメが入っていて意外とナチュラルに見えるんじゃないかなと思っています」
使うシチュエーション
加藤「この時季にフラフラと泳いでいる魚が見える流入河川があるんですが、そういった夏から流入にいる個体は賢くて、ウォブルの強いクランクだったりスピナーベイトだと見切られてしまう。そんな状況下で、アシが生えている水門周りというような狭いエリアをピンポイントで攻略するときに投入します」
セレクト4:ヘビキャロ
選んだ理由について
加藤「ヘビキャロはオールシーズン釣れるんですが、スピーディーに横の動きを出せるので晩秋のタイミングでは特に重宝します。ノーシンカーは表層で使うんですが、それをボトム付近でやるイメージです」
使い方
加藤「ワームはドライブシャッド3.5かドライブシュリンプ4.8か。シャッドテールの方がフォールスピードが若干遅くなるし、シュリンプ系の方は速く動かせる。その点において、その都度試しながら使い分けています。シンカーは、陸っぱりだと14gか21g。意外と重いシンカーの方がスタックを感じ取れるので、慣れるとかわしやすいこともあります」
使うシチュエーション
加藤「限定的なんですが、北利根川や常陸利根川の斜め護岸で使います。沖でバスが回遊していたり、一時的にピンスポットについたりというタイミングが晩秋ではあります。斜め護岸は広く、切れ目まで何もないところが多いので、そういうエリアを効率的に引きやすいです」
秋の霞ヶ浦水系で1尾釣るためのアドバイス!
加藤「4選のルアーはどれも効率が良いので、これをエリアに合わせてうまくローテーションすれば1尾キャッチに大きく近づくはずです。特に、スピナーベイトで釣って欲しいですね(笑)。投げやすいし、かわしやすい。秋により強さを発揮すると思います。また、時期が進んでいくと、おのずと大きいバスの反応が残ります。小さいバスにとらわれてライトリグを投入して時間を使うよりは、秋はとにかくベイトが確認できるところをラン&ガンした方が、結果的に良型サイズのバスをキャッチする確率も上がってきますよ!」