世界を釣り歩く男・林龍介が監修する『BLX TRAVEL(DAIWA)』に込めた「こだわり」と「活用法」を徹底解説!!



長年フランスで生活してきた林龍介さんは、飛行機で世界各地に移動して釣りの旅をしてきた。その経験をもとに監修したのが、『BLX TRAVEL(ブラックレーベルトラベル)』の7機種だ。すべて5ピースモデルで、仕舞長さは50cm以内。なぜ50cm以内なのか? 開発のきっかけと活用法を林さんが解説する。

【Profile】

林龍介(はやし・りゅうすけ)

1971年生まれ。9歳のころ釣りと出会い、釣りキチ三平の影響でルアーフィッシングを始めた。16歳のときに父の転勤でフランスに渡りパリで5年間生活。その後アメリカの大学に入学してサンフランシスコで7年間暮らし、カリフォルニアデルタやクリアレイクで釣りをした。パリに戻りファッションフォトグラファーとして活動しつつ南米アマゾン川、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなど世界各地で釣りをして2017年までフランスで生活。

フランス在住時代に、パイク、パーチ、ザンダー(ウォールアイ)、バスという4魚種混合のトーナメントに参戦。2017年にフランスFFPSチャレンジャーリーグで年間優勝を獲得した。当時からダイワ(フランス支社)のサポート選手としてヨーロッパ(主にフランス)の釣りの現場で感じたことをフィードバックしていた。

タックルをどこへでも持ち運ぶなら「仕舞寸法50cm未満」

林さんは2018年から活動の拠点を日本に移して、ベビーフェイスというルアーブランドを創業。そうしたなか、ダイワが開発する新しいトラベルロッドの監修をすることになった。

キーワードは仕舞長さ50cm以内。釣り旅の経験が豊富な林さんは、パックロッド(マルチピースロッド)の有用性を確信していた。飛行機の移動で問題になるのがロッドの運搬。近年は、多くの航空会社で機内持ち込み可能な手荷物のサイズが、長さは55cm以内とされている。

「20年以上、海外を旅して、多くの国で釣りをしてきたなかで、昔は飛行機での移動時にバズーカと呼ばれる長いロッドケースを空港で預けていました。南米などに釣りに行く場合は、出発する空港から、目的地の空港まで2~4回の乗り換えが当たり前です。どこかでミスがあると、目的地の空港にロッドケースが届きません。遅れて届けてくれることになっても、そこから母船やセスナに乗って移動する場合は、足止めをくらうことになります。

ロッドケースが届かずに、同行した友人にロッドを借りたこともあります。そうしたリスクを避けるために、バズーカのほかに、保険としてパックロッドを1本、機内持ち込みにしていました。ただし、昔のパックロッドは満足できる性能ではなく妥協したロッドでした」

2017年、フランスの4魚種混合トーナメントで年間優勝を獲得。
コロナ明けに釣りに行きたいのが、15年通っているアマゾン川のピーコックバス。マナウス空港からセスナでバルセロスに入り、そこから母船で1週間ジャングルの中を進む旅。

林さんが監修したブラックレーベルトラベルの7機種は、5ピースで、仕舞長さが50cm以内という設計。長いロッドケースは不要になった。飛行機に乗る前に空港で預けるスーツケースに数本のロッドを収納できる。さらにリスクを回避するために、国際線でも国内線でもロッドを機内持ち込みの手荷物にすることもできる。

「ブラックレーベルトラベルは仕舞が50cm以内なので、機内持ち込みの手荷物にすることができます。例えば、空港で預けるスーツケースに3本を入れて、メインで使うロッド2本を機内持ち込みにするのです。時間とお金をやりくりして計画した海外での釣りを確実に楽しむためのリスク回避です。しかも昔のような妥協したパックロッドではなく、ダイワの最新技術を備えた高性能な5ピースのロッドです。継ぎの信頼性が高く、軽量で高感度、きれいなカーブを描いて曲がります。キャスト時のコントロール性能が高く、ルアーを操作しやすく、魚を掛けて寄せるパワーを備えています」

国内でも大活躍する『ブラックレーベル トラベル』

仕舞長さ50cmのメリットは日常にもある。林さんは東京と高知の二拠点で生活している。東京には車がないので、開発中のルアーのスイムテストをするときにトートバッグに5ピースロッドをとルアーを入れて地下鉄で都心の海に通っているという。新幹線で移動した先でタクシーやレンタカーで移動するときもブラックレーベルトラベルの携帯性は重宝する。

林さんは高知ではジムニーに乗っている。荷室の長さが短い車でも、ティップ部分だけ外せば積むことができるので、ブラックレーベルトラベルを何本も積んで、アカメ釣りに通っているという。

「皆さんも出張した先で釣りができる可能性があるときは、カバンにロッド、リール、ルアーを忍ばせておけばフリーな時間に釣りができます。しかも、高性能ロッドで妥協しない釣りができることは大事なことですよね」



林さん愛用モデル『C73H-5』&『C64XH-5・SB』

7機種のうち、林さんの使用頻度が高いものは次の2機種。

BLX TRAVEL C73H-5 ワールドワイドバーサタイル 

【スペック】

  • 長さ:7ft3in
  • 仕舞:50cm
  • 自重:132g
  • ルアー重量:11~84g
  • ライン:12~30Lb
  • パワー:H
  • テーパー:F 

「トラベルシリーズで最長の7ft3in。オールマイティーで、スピナーベイト、テキサスリグ、大型のミノー、ビッグベイトなど幅広いルアーに対応します。特にビッグベイトを気持ちよく遠投できて、アクションさせやすく、フッキングのストロークを充分にとれます。バスやシーバスに使うほか、高知ではボートからのアカメねらいに使います」 

タックル例 

  • 対象魚:アカメ
  • リール:タトゥーラTW300
  • ライン:PE4号、リーダー:ナイロン100Lbを3m
  • ルアー:BB180などのビッグベイト 

BLX TRAVEL C64XH-5・SB モンスターフィッシュカスタム


【スペック】

  • 長さ:6ft4in
  • 仕舞:45cm
  • 自重:142g
  • ルアー重量:14~170g
  • ライン:16~35Lb
  • パワー:XH
  • テーパー:R

「14gのスピナーベイトから、170gのジャイアントベイトまで、幅広いルアーを投げて操作できるロッド。6ft4inの長さは日本のレンタルボートの釣りで取り回しがよくダム湖でバスをねらう近距離戦で使いやすいです。ブラジルのアマゾン川でジャイアントベイトを投げてピーコックバスを掛けて寄せるパワーを備えています」 

タックル例

  • 対象魚:ピーコックバス
  • リール:タトゥーラTW300
  • ライン:PE3~4号
  • リーダー:25~40Lbを3m
  • ルアー:ジャイアントベイト

キニナル他5機種についても徹底解説!

このほかの5機種について、想定するターゲットと使用用途、タックルセッティングを教わった。 

BLX TRAVEL NEON C63MH-5・FR ネオンリミテッド・フロッグスペシャル 

【スペック】

  • 長さ:6ft3in
  • 仕舞:45cm
  • 自重:124g
  • ルアー重量:7~42g
  • ライン:10~20Lb
  • パワー:MH
  • テーパー:XF 

「バス用フロッグに特化したロッドで、このティップの軟らかさとバットの強さのコンビネーションは、軽めのフロッグをスキッピングでカバー奥にキャストして、ドッグウォークさせやすいです。また、ピーコックバスをペンシルベイトでねらい、掛けた魚をカバーから引き出せるパワーを備えています。私はボートシーバスで穴撃ちするときにもこのロッドを使います」 

タックル例 

  • 対象魚:ピーコックバス
  • リール:ジリオンTWHD
  • ライン:PE4号
  • ルアー:ペンシルベイトなど 
  • 対象魚:シーバス(穴撃ち)
  • リール:スティーズA
  • ライン:PE1~1.5号
  • リーダー:30Lbを3m。

※リーダーの結び目がリールのレベルワインダーを通過しやすいので、長いリーダーにしてタフ化に対応している 。

BLX TRAVEL C66M-5 バーサタイルスペシャル 

【スペック】

  • 長さ:6ft6in
  • 仕舞:46cm
  • 自重:115g
  • ルアー重量:5~28g
  • ライン:8~16Lb
  • パワー:M
  • テーパー:R 

「バス、ロックフィッシュ、シーバス、青物に対応して、幅広いルアーが使えるバーサタイルロッド。私は主にバスねらいのファストムービングルアー用として使っています。リールやラインは普段バス用に使っているもののなかから、使うルアーや状況に合わせて選んでいます」

BLX TRAVEL C70MH-5 パワーバーサタイルスペシャル 

【スペック】

  • 長さ:7ft
  • 仕舞:49cm
  • 自重:125g
  • ルアー重量:7~42g
  • ライン:10~20Lb
  • パワー:MH
  • テーパー:RF 

「バス用のジグや、テキサスリグ、リーダーレスダウンショットリグなどワームを使うリグ用として使っています。シーバス用のミノーなどファストムービングルアーも扱いやすいです。リールやラインは普段バス用に使っているもののなかから、使うルアーや状況に合わせて選んでいます」 

BLX TRAVEL C61XXH-5・SB モンスターフィッシュカスタム

  • 長さ:6ft1in 
  • 仕舞:44cm
  • 自重:145g
  • ルアー重量:MAX280g
  • ライン:20~45Lb
  • PEライン:MAX8号
  • パワー:XXH
  • テーパー:F 

「280gまでのスイムベイト、ビッグベイトに対応するロッド。世界中の怪魚と対峙できる。私はアマゾン川で7~10kg級のピーコックバスをねらい、大型プロップベイトを水面でジャークする釣りに使います。長さを6ft1inにしたことで、サオ先を下げるジャークがやりやすくなっています。日本ではシーバスのコノシロパターンで130g前後の大型ペンシルベイトを使います」 

タックル例 

  • 対象魚:シーバス
  • リール:タトゥーラTW300
  • ライン:PE3~4号
  • リーダー:40Lbを3m
  • ルアー:大型ペンシルベイト 

BLX TRAVEL S66L-5 バーサタイルスペシャル 

  • 長さ:6ft6in
  • 仕舞:47cm
  • 自重:98g
  • ルアー重量:0.9~14g
  • ライン:4~8lb、PE1.2号まで
  • パワー:L
  • テーパー:F

「守備範囲が広いスピニングロッド。バス用のライトリグ全般、トラウト用ルアー、メバル用ルアー、シーバス用ミノーなど幅広いルアーに対応。大型のシーバスなど大型魚とのファイトに対応するために長めのグリップを装備。野尻湖ではPE0.4号にリーダー4lbのラインで虫系ルアーを使ってスモールマウスバスを釣りました」 

タックル例 

  • 対象魚:バス
  • リール:セルテート2500
  • ライン:5Lb
  • ルアー:ライトリグ全般 
  • 対象魚:シーバス
  • リール:セルテート2500か3000
  • ライン:PE0.8号、リーダー:20Lbを150cm
  • ルアー:7cm前後のミノー 

「7機種について自分なりの使い方を説明しました。私の感覚では、ブラックレーベルの2ピースロッドと、トラベルシリーズの5ピースロッドの使用感は同等で、目隠しして振ったらどちらのロッドかわかりません。ブラックレーベルトラベルは、それほど高性能の5ピースロッドということです。仕舞50cm以内という携帯性のよさは、飛行機、鉄道、バイク、自転車、あらゆる移動手段に対応するので、ぜひ活用してください」 

各機種の特徴を更に知りたければ下記動画もチェック!