『90cmオーバー』のランカーシーバスを狙う秋のビッグベイトゲーム攻略法をレジットデザイン・澤村智之が徹底解説!



秋の大型ベイト、コノシロ。この群れを追って盛んに捕食を繰り返しているのは、よりカロリーを欲しているランカーシーバス。普段は手にすることさえ難しい80~90cmのシーバスだが、この時期のビッグベイトゲームなら狙い撃つことが可能だという。ここでは、その攻略法をボートシーバスのエキスパート澤村さんが余すことなく伝授!

【Profile】

澤村智之(さわむら・ともゆき)

自らボートを操船して釣りすることにこだわる東京湾のエキスパート。ボートシーバス、ボートアジングともに新しいスタイルを提案している。本業はデザイナーで、レジットデザインの企業ロゴも担当。

10月中旬頃から始まるコノシロの群れにビッグシーバスが付く

秋はでかいシーバスが釣れる。そんなイメージを定着させたのが、コノシロの群れに付いているビッグシーバスたち。70~80cmといったサイズはザラで、なかには90cmといったスーパーランカーサイズも混じる。この釣り方は、一体どこで、どうやって釣れば良いのだろうか? その疑問をボートシーバスのエキスパートである澤村さんへ聞いてみた。

澤村「コノシロの大きな群れがかたまり始めるのは10月中旬頃からでしょうか。サイズは20cmを超えてきて栄養価が高いベイトです。河口や瀬周りといったシャロー帯をメインに、あちこちに群れが点在するような形で広がっています。それを喰いにきているのは、よりカロリーを得ようとしている産卵前の大きなシーバスです」

――そこで、でかいコノシロと同じようなビッグベイトに喰いつくというわけですね。

澤村「でかトップにバーン!と食ってくるような豪快な釣り。この時期のボートは予約で満杯になるほど人気のパターンですよね。でも、居ても喰わないことも多い釣りなんです」

――そこをなんとか…ぜひ喰わせるような釣り方を伝授してください!

でかトップのドッグウォーク&ビッグベイトのS字で誘う

澤村「私が使っているルアーは、スーパーサミー(ラッキークラフト)などの大型トップウォータープラグ。それにリアルアユ(ラッキークラフト)やジョインテッドクロー(ガンクラフト)といったビッグベイトになります」

――どれも大型ルアーですね。使い方はどうやっているんですか?

澤村「どちらも群れの周辺へキャストしてから巻いてくる。トップならドッグウォークです。なるべく移動距離を短くするようにしています。一ヶ所でポチョポチョ…とやってみるのも有効で、急がせるよりバイトへ繋げられると思います」

――ビッグベイトもゆっくり巻いてくる感じですか?

澤村「ビッグベイトはS字系といわれるように、S字を描くようにゆっくり巻いてきます。そこへバーン! とアタックしてくるのが醍醐味の釣りです」

群れの後ろから通し、あえてコノシロを散らしてパニックバイトを誘発

――トップもビッグベイトもゆっくり巻いてくるのが基本。でも、それ以外に何かコツとかありませんか?

澤村「コノシロの群れを散らして食わせるといった事はしますね」

――それって、どういう効果があるんですか!?

澤村「群れがパニックを起こして逃げていくんですが、そのなかで逃げ遅れたコノシロを捕食しようとするシーバスがバイトしてくるんです」

――その釣り方を詳しくお願いします!

澤村「まず、コノシロって小規模な群れが広い範囲であちこち散らばっている感じなんですよ。そこで、その小さな群れの後ろへあえてキャストします。そして、真ん中をトップやビッグベイトを通していく。群れが散ったらゆっくりと巻いていけばOKです」

――なるほど…。でも、そのパニックバイト以外も群れの後ろへキャストすれば良いんですか?

澤村「基本は群れの前へ大遠投します。群れの先頭側にいるシーバスの方が食い気はありますからね。360度ソナーで見える魚探があれば、群れの動きがどっちへ行くのか丸わかり。もし、ボートに付いていればその画面を見て判断すると釣りやすいと思います」



それでも食わない場合は大遠投で投げ続けるべし!

澤村「いろいろ手を尽くしても食うタイミングがあるので、どうしても釣れない場合があります。そんな時は大遠投してゆっくり巻き続ける。もうキャストしまくる釣りになってきます」

――でかいルアーを投げ続ける…豪快だけど腕がパンパンになりそうですね。

澤村「タックルバランスも重要になってきますよね。自分が使っているロッドは、ビッグベイトを投げ続けることを想定して、すこし短めのものを使っています」

――ビッグベイトロッドといえば7ftオーバーのものも多いが…?

澤村「5ft11inと6ft4inの2本を使い分けています」

――確かに短めだが飛距離的には…?

澤村「5ft11inでもルアー自体もウエイトがあるし、十分飛距離は出るんですよ。あと、秋のコノシロパターン以外にも夏のシェードパターンでストラクチャーへビッグベイトを通したり…。1年中通して使えるビッグベイトロッドになっています」

実際に澤村さんが使っているのはスクアド・ビッグベイトスペシャルの2本。この2機種をそれぞれ詳しく解説していこう。

スクアドSKC511XH-SEABASS~Technical Big Bait Special~

ショートレングスで細かいアクションや誘いも可能な取り回しの良いロッド

コノシロパターンでのビッグベイトの使用はもちろん、夏のシェードパターンといったストラクチャー撃ちでも扱いやすいショートレングス。より細かいアクションや誘いが可能で、テクニカルな小技を仕掛けやすい。

澤村「これから防寒着を着込んでくると、7ft前後のロッドではグリップエンドが当たったりしますよね。エンドが短いので取り回しも良くて、誰にでも扱いやすいロッドになっています」

【スペック】

  • 全長:5ft11in
  • MAXルアー:145g(5oz)
  • フロロ:30lb/PE:MAX4号
  • 価格:¥34,650(税込)

スクアドSKC64XXH-SEABASS~Big Bait Special~

軽い力でもキャストしやすくバラシにくい復元力を持つ“もっちり感”のあるロッド

グラス繊維の含有率を20%まで高め、独特の粘りを持っている。この粘りがブランクの反発力を最大限に引き出し、軽い力でもキャストしやすくなっている。

澤村「重いルアーを一日中投げ続けるコノシロパターンでも疲れにくいので助かります。あと、この粘りと復元力から出る“もっちり感”によって、シーバスを掛けてからロッドがしっかり追従。バラシ防止にもなってくれるんです」

【スペック】

  • 全長:6ft4in
  • MAXルアー:185g(6.5oz)
  • フロロ:30lb/PE:MAX4号
  • 価格:¥35,750(税込)

これからが本番!でかいルアーで、でかいシーバスを存分に釣ろう!

これから11月中がコノシロパターンの最盛期。でかいルアーを投げ続けられるロッドを用意して、自分のレコード記録を狙ってみる絶好の機会だ!

澤村「せっかくの大型を逃さないために、バラシにくいもっちり感のあるロッドがおすすめです」