冬バス釣りの特効薬『メタルワサビー』! 今オススメの8gを田辺哲男さん自らが解説!



レジェンドアングラー・田辺哲男さんが冬の釣りを解説! いつからがウィンターパターンなの? ジギングスプーンの重さのオススメは? 読めばこの冬の釣りが楽しみになること間違いなしです!

【Profile】

田辺哲男(たなべ・のりお)

1958年生まれ。’80年代初頭に単身渡米し、本場のバスフィッシングを吸収。帰国後、現地で学んだ、この釣りの最も基本となる理論「パターンフィッシング」を提唱し、日本のアングラーに多大なる影響を与えた。国内トーナメントで数々のビッグタイトルを獲得し、’93年には世界最大のバス釣り組織「B.A.S.S.(バス・アングラーズ・スポーツマン・ソサエティー)」のトーナメントにおいて、外国人初の優勝を飾る。近年は自らのブランド『ノリーズ』のタックル開発に注力、なおも進化を続けるレジェンドアングラーだ。

冬の釣りはいつから試すべき?

ルアマガ編集部松島(以降マツ):ここのところの冷え込みからすると……もう冬って感じですね?

田辺「冬だな。先週、取材で中国地方のリザーバーに行ってきたんだけど、いやぁ厳しかったよ。かなりディープをやり込んだんだけど、ウンともスンとも言わない。結局巻いて釣る展開でどうにか答えを導くことができたんだけれど、そのパターンを煮詰めるところまでいけなかったのが心残り……。とにかく、これからの時期は簡単には釣れないからね。自分のスタイルとか、頭に描いたゲームを貫くことがハイシーズン以上に大切になってくる場合もある。あれもこれも試してると、あっと言う間に日が暮れちゃうからね」

マツ「先日、霞ヶ浦で玉砕しました……」

田辺「そういう時期に入ってきてるということだよ。めげずに頑張りなさい。まぁ、マツの場合はデコも慣れっこだと思うけど(笑)」

マツ「慣れまくりです(笑)。ところで田辺さん、今回はまず読者さんから届いた質問に答えていただきたいな、と。

田辺「了解です」

マツ「こちらです↓」

【質問】
『水温が何℃以下になったら冬の釣りにスイッチしたら良いでしょうか?』

田辺「なるほど。良い質問だね。でも、絶対に何℃っていうのは断定できないんだよな……。なぜかと言えば、全体水温が高かったり低かったり、レイクによってまちまちだから。たとえば、水温が下がって16度になったとするよね。でも、ゆるやかに下がって16℃になったのと、一気に下がって16℃になり、さらにまた下がっていく場合だと状況はまったく違ってくるよね。一気に下がって16℃を通過して、さらに15、14、13とどんどん下がってますっていう場合、魚の活性はやっぱり下がっていくわけだ。ヤル気がなくなるっていうのかな。そうなるともう、考え方としては冬の釣りを当てはめてもよくなってくる。

マツ「数字ではなく、水温の低下傾向によって変わってくるということですか?」

田辺「そう。だから俺の場合、水温計が示す数字というよりは『シャッドが効き始めるタイミング』っていうのが具体的な目安のひとつになってる。それがレイクによって、場合によっては11月中旬だったり12月末だったりするんだけれど、要するに弱い動きで何かにコンタクトした瞬間に食ってくるとか、リアクション的な誘いじゃないと口を使わないような状況に遭遇したら、『あ、そろそろ冬だな』というのを意識していくね」

マツ「う~む、なるほど。ありがとうございました!」

田辺「じゃ、今回はこれで」

マツ「って、ちょっと待ってくださ~い!! ここから、本題をお願いします」

田辺「わかってるよ。冗談です(笑)。ちゃんと用意してるよ。そうだよな、もう12月なんだよな。ということで!

マツ「ということで?」

田辺「今回はメタルワサビーの8g!」

マツ「冬の代名詞のひとつ、ジギングスプーン!! ウェイトも指定ですか?」

田辺「そうです。それがキーだからね」

マツ「8gがキー……思いのほか軽いんですね。なぜ、このウェイトなのでしょうか?」

田辺「何故だと思う?」

マツ「軽いとフォールスピードが抑えられるじゃないですか? だから、活性の低い個体も食いやすいのかな、と。あんまり重いと、目の前を即通過してそのままスルー!! みたいな」

田辺「なるほど。フォールスピードを意識してるのはよろしい。でも、単に軽いほうが食いやすいっていうのなら、4gのワサビーでも良いよな」

マツ「実はその部分、突っ込まれると思ってました(笑)。そうじゃない、と?」

田辺「うん、4gだと着底音もシルエットも小さいから、夏場に中層を狙う小ワカサギのパターンと違って難しくなっちゃうかな。なぜ8gなのかというとね、12月はまだ魚が浮いてるんだ。レイクよって時間差はあるけれど、魚の動きを考えていくと、まず小バスたちが越冬に備えてディープに落ちていくのが今の時期。寒くなると、小バスってシャローから消えるのが早いでしょ? 春先に浅いレンジに出てくるのも遅い。それはね、ディープに落ちちゃってるからなんだ」

マツ「だから寒くなると小さいバスがあまり釣れないんですね? って、僕の場合はデカいのも釣れませんけどね」

田辺「なに自虐的な突っ込み入れてんだよ(笑)。だから、タイミングによってはディープをやればお子様サイズが釣れる可能性もある。でも、そうだな……12月半ば~1月くらいになってくると、そういった小バスは食わなくなってしまうんだけれどね」

田辺「で、お子様はディープに落っこちるけれど、大人たちはサスペンドしてる。そのなかでもビッグフィッシュはシャロー、レギュラー~それなりのサイズのレンジはまちまちという感じ。シャローにいる45cmから上の個体は、それこそ湖によってはそのままシャローに残って冬を越してしまう場合もあるし、さらに寒くなれば少しレンジを下げたりするのももちろんいる。あくまでも経験上の、確率的な話だけどね」

田辺「いずれにしてもこれからの時期、活性のある魚を探していく場合、リザーバーとか天然湖とか明確なディープを持つフィールドだったら、ひとつの基準となるのが水深8m。この数字より深いところにいる魚は越冬に入っていると思って構わない。もちろん湖によって多少レンジの違いはあるけれど、たとえば10mとかを釣っていて小さいのしか食わないなら、その水深では良いサイズは期待できないはずだよ。ベイトフィッシュがもっと深いときもたまにあるけどね。だからシンプルに、ディープで釣れないなら魚が浮いてると考えれば良いわけだ」

マツ「その浮いた魚に食わせるがゆえの、8gだと?」

田辺「そうです。この場合のワサビーは中層をしゃくるときもあるし、縦ストラクチャーに沿って落とすこともあるし、キャストしてリフト&フォールで探っていく場合もある。そんなふうにフォールスピードを微妙に調整しながらいろいろな使い方に対応してくれるのが8gなんだ」

ここまでのお話は田辺さんの釣りのほんの一部に過ぎない!

ルアーマガジンmobileで大人気のコンテンツ「田辺哲男のMYBIG GAME」をベースに、シーズナルパターン&ルアーセレクトの考え方を月ごと週別にまとめたのが「ビッグバスパターンアカデミー」。

今回紹介したお話はほんのその一部。

その他にもこんな内容が掲載されています!



秋編 Fall Pattern

9月 September

  • 第1週 初秋の表層ベイトフィッシュパターン!! サーフェスか? ミドルか? 9月のキモはレンジの攻略にアリ!!
  • 第2週 アーリーフォール中層攻略・前編 水深10mでも有効なミドルレンジの巻きがある!!
  • 第3週 アーリーフォール中層攻略・後編 どこでもいい! なんでもいい! 強すぎないものをとにかく投げてみる!!
  • 第4週 シャローの底物ベイトパターン!! 勝負が早い食わせの釣り、田辺流!!
  • 第4週 その2 台風絡みの鉄板パターン!! 濁りを活かす、王道パワーゲーム!!

10月 October

  • 第1週 巻いて釣れる月のキホンPart1 今巻かないで、いつ巻くの? 強波動でターンオーバーを克服せよ!
  • 第2週 巻いて釣れる月のキホンPart2!! 強波動・プラス・音で誘うリアクションの釣り!!
  • 第3週 ターンオーバー攻略シャロー編!! とにかく奥!! のパワーゲーム。
  • 第4週 ターンオーバー攻略ディープ編!! ワームに食わない魚を狙う、絶対に外せない晩秋のパターン

11月 November

  • 第1週 ターン回復の正統派ベイトフィッシュパターンもっとも正しいスピナーベイト活用法!!
  • 第2週 もうひとつの外せない巻き物ふつうに投げてふつうに巻く、ハードボトムでの選択肢!!
  • 第3週 タダマキのただ巻き!! ロッドワークもポーズも必要なし。オートマチックなオープンウォータークランキング!!
  • 第4週 ややディープの一番簡単な釣り!!スピニングタックルで実践する水深5mまでのボトム付近きっちり巻き!!
  • 第5週 11月下旬のテッパン!! ターゲットはディープに落ちていく個体。勝手に食ってくれるメタルバイブゲーム!

冬編 Winter Pattern

12月 December

  • 第1週 冬の定番、登場!! 浮いた魚を狙うジギングスプーン、カギはウエイトにあり!!
  • 第2週 冬の定番Part2 ディープカバーを攻め抜く、もうひとつのワサビー必須ウエイト!!
  • 第3週 初冬のハードベイトゲームその1!! 狙ったスポットで、浮かせて食わせるサスペンドミノーパターン!!
  • 第4週 初冬のハードベイトゲームその2!! 場所不問! マッチ・ザ・レンジのディープクランキング

1月 January

  • 第1週 厳寒期の定番シャローゲーム 食わせの要素を備えた、この先3月まで外せないハードベイト!!
  • 第2週 意外なレンジ攻略!! シャローでもディープでもない、盲点のスローダウンゲーム
  • 第3週 真冬のミドルレンジ攻略Part2 シャッドやジャークベイトでは届かない、一段下をゆっくり探るための選択肢
  • 第4週 厳寒期のディープ攻略!! ベイトフィッシュの存在が絶対条件。タイミング次第では一撃で食わせられることも!!

2月 February

  • 第1週 シャロー狙いの裏ワザ!! 臆せず撃て!! 手返し重視のカバーゲーム
  • 第2週 初春の定番再び!! ディープは切り捨てよ! 合わせるべき照準はシャロー~ミドルの越冬バス
  • 第3週 越冬バス狙い、もうひとつのパターン!! ニュートラルな個体に口を使わせるこの時期ならではのテクニカルゲーム
  • 第4週 初春のセオリー!! 重要なのはフィーディングのタイミング。時間帯だけでなく、状況の変化を感じたら動くべし!!
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春・夏編もあります!

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