冬の強風アジングはロッドに頼れ! 悪条件ほどわかる『Advancement65』の価値【34×ルアマガ】



雨も寒さも、釣り師にとっては大した悪条件ではないかもしれません。ですが、『強風』だけは釣りが続行できず、竿を仕舞うなんて人も多いかもしれませんね。とはいえ、快適環境、快適風速のなかで常に釣りができるわけではありません。今回は、風に限らず悪条件になればなるほど、やはり『高性能』な道具が生きるというお話をしようと思います。

アジングに限らず、良い道具は悪条件でこそ、その違いを発揮する

「包丁は切れれば良い」。

料理をする上で食材をカットできるだけの切れ味があれば、確かに食事は作れます。美味しくもできるでしょう。ただ切れれば良いというだけであれば100円ショップの包丁だって、研げば剃刀のような切れ味にすることは可能です。ですので、その部分での性能を得るハードルは低いものです。

ですが、本物の料理人は、包丁の材質や、どんな切れ味かまでを吟味し、それをさらなる美味しさにつなげたりします。

ルアマガで作った堺打ち刃物・和包丁鯵切(源正守)<まごうことなき堺純正>。完売。

釣竿もそんな側面があります。どんな釣竿でも、投げたいエサやルアーを、ポイントに運びさえできれば、魚は釣れます。でも、ジャンルや魚の数だけ専用竿があり、魚どころか使うルアーやエサの数という具合に細分化されています。

遊びとして、趣味としてその道を歩んでいくのであれば、道具へのこだわりはまさに無限です。

1,000円と10,000円のロッド。10,000円と50,000円のロッド。魚を釣ることに関して大まかな能力は変わりませんが、価格の差は細かな機能面で性能差となることがあります。

特に、その差が大きく顕在化してくるのが「悪条件下」です。狙っている魚の数が少ない。もしくは、極端にプレッシャーが掛かってスレている。水温が低下、もしくは急激に上昇している。などなどの状況で、釣果を伸ばすためには、より、専用の仕掛けや釣り方をする、釣りの精密さが求められます。

天候的な悪条件も同じことです。特に強い風が吹いている。というような最悪な条件下では、ある意味、釣りのための最低限の条件を満たすためのロッドのキャスト能力が高ければ高いほど、精密であれ精密であるほど良くなるのはお解りのことかと思います。

爆風でアジのヒレが逆向きに……。こういった悪条件下になればなるほど、道具というのは真の性能差が顕在化する。釣り人はサーティフォーの家邊克己プロ。

アジングはルアー釣りの中でも、かなり繊細な部類であるがゆえに、そのロッドの性能差が非常にわかりやすく出やすいジャンルでもあります。



アジング専門メーカーとしての矜持。サーティフォーのアイテムはなぜ信頼できるのか

アジングという釣りは一大ムーブメントとなりました。そのなかで、大手のメーカーはもちろん、さまざまなルアーメーカーがアジングという釣りに取り組み、専用のアイテムを販売してきました。

そのなかでも、ほぼアジング専門メーカーとして10周年を迎えたサーティフォー。そこに特化してタックルを開発してきたアジングのパイオニア的メーカーです。

そのサーティフォーから発売されるアイテムの開発を担うのが、アジングの名手として知られる家邊克己さんです。その年間の釣行日数はおそらく300日前後。そこまでアジングの傾倒した名手が、日本全国のフィールドに出向き、必要だと思った道具を生み出しているのですから、アジングの道具として優れていないワケがありません。

敢えて弱点を指摘するとすれば、アジの生態を含め、知り過ぎているが故に釣果を得るために極度に効率化されていることでしょうか(弱点じゃないですね……)。

そんなメーカーのロッドの基幹であり、旗艦となるのがAdvancementシリーズです。どのモデルも40,000円から50,000円を超える高級ロッドで、たかがアジを釣るために? と、首をかしげる人も多いかとは思いますが、繊細さの極地、そのゲーム性の高さを遊びとして昇華することを厭わない人にとっては、究極の選択になっているロッドシリーズです。

ルアマガでは、そんなAdvancementシリーズの限定モデルとして、6ft5inのアジングロッドをコラボアイテムとして発注しました。アジングロッドとしての最先端の性能を内包しつつ、想定外の相手、大物のヒットにも焦ることなく対応できる強さとしなやかさを持つ1本の開発をお願いしました。

対応できる魚の閾値を上げたことで生まれた副次的性能

T1100G(東レ)カーボン。そこに同じく東レのナノアロイ®︎技術を投入した55t、40t、30tの各種カーボン(T1100Gもナノアロイ技術が採用されたプリプレグ)と、ルアマガが求めたロッドの余裕を実現するために、ロッドマテリアルとしては最新・高性能な素材が盛り込まれました。

INTRO AG-ALLはINTORO LG-ALLの間違いです。すいません。

そこに、今までサーティフォーで培われたテーパーデザインが加わり、ルアマガチームがサーティフォーに求めた「アジを釣る繊細さとブリをもいなすファイト(いなし)性能」を内包したAdvancement65が生まれたのですが、大型の青物が掛かっても勝負にもっていけるブランク性能は、ただ強さだけでなく悪天候時の操作感に関しても抜群の安定感を見せることがわかりました。

家邊「取材時に、あまりに風が強かったので、これはもしかして全体的にシャキッと……シャンとしているAdvancement65がいい仕事をするのではないかと思って使ってみました。長さはあるのですが、風の影響なども受けず、なおかつラインを長さで抑え込めたので扱いやすかったですね。悪天候時には、こういったタイプのロッドが武器になりますね」

Advancement65。ティップは繊細なソリッドティップ(サーティフォーのFチューンドティップ=長めのティップでアタリ感度、潮感度伝達性能が高く、軽いリグのキャストに向くソリッドティップ)を採用していて、強風時もリグをキャストしやすい。とはいっても、ミッドトップからバットにかけてはしなやかで強め。これにより風によって起こるキャストブレや操作ブレを起こしにくいのが奏功したようでした。

アジングロッド、ジグ単ロッドとしての総合力は、Advancement63 Ver.III。アジングロッドとしての楽しさを求めるなら完売してしまいましたが、究極のしなりを求めたAdvancement 510(10周年記念モデル)。そして、アジングロッドとしての懐の深さ、ジグ単を筆頭にキャロ系、飛ばし浮き系のシステムを扱いやすく、荒天時などに使いやすい性能を持っているのはAdvancement65でしょうか。

家邊さんの年間釣行日数はおそらく300日を超える。そこから生まれてくる実戦主義。現場主義。

当初コンセプトもあり、陸っぱりだけでなく、ボートなどのちょっとしたライトジギング、タイラバ用途にも耐えるロッドです。なにより、ARシステムなどを使うことで、大型の回遊魚も構えずに攻略できることからも、その汎用性については、ライトゲーム用ロッドとしてはピカイチ。実際にオオニベもさほど苦労せず、ランディングに持ち込むことができました。決して棒のように固いだけのロッドではないのですが……。

ということで、特殊そうに見えて、実はものすごく汎用的。取材で日本各地のフィールドをまわり、こっそり竿出したいと願うルアマガチームの釣りバカが切に求めたスペック。アジ専用でありながら、物おじせずに大魚とも戦える二律背反性能を、ぜひ感じてみてください。