ギガアジから豆アジまで狙えるアジングロッド『Advancement65(34)』の強靭&繊細を実現した設計の秘密とは



日に日に気温が下がり冬が深まってくると、アジング本格シーズン。ギガアジの釣果報告もグンと増えてきます。陸っぱりでの釣果はもちろん、ボートアジングでの釣果をしかりです。最新の55tナノアロイカーボンプリプレグ、T1100Gなど様々な最新素材を導入して、あのサーティフォー(34)で開発設計された、限定の「Advancement65」なら、そんなギガアジやテラアジ相手にも一切物怖じしません! ということで改めてご紹介します。

Advancement65は34とルアマガのコラボロッド

Advancementはアジングのパイオニア的メーカーである34の高性能ロッド群に冠されるブランド名です。後ろの65はロッドの長さを表す数値です。つまり6ft5in仕様。この6ft5inの「Advancement65」はルアマガとのコラボモデルのみラインナップに存在します。

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ロッドコンセプトは「小は大を兼ねる」。繊細なライトゲーム用を基本としつつ、アジング用ロッドでありながら、不意の大物に対しても躊躇なく戦って仕留められる「魚のいなし力」、つまり「ファイト性能の効率化」が高いロッドを作って欲しいとオーダーしました。

開発をしてくれた34のレジェンドアジングプロ家邊克己さんは、その要望に応えるために6ft5inという長さを設定し、単に強いというだけの機能ではなく、魚の引きを効率よくいなすためのテーパー設計をしてくれました。これにより、繊細さを必要とする豆アジから、オオニベやブリクラスの大型魚相手でさえ戦える性能を手に入れました。

【Profile】

家邊克己(やべ・かつみ)

「Advancement65」の開発を担当してくださった、34の家邊克己プロ。

複雑で緻密なテーパー設計で実現した面白さ

セクションごとにしっかりと役割を持たせていることもあり、34のロッド群は、実はベンディング(竿の曲がり方)自体は奇妙なことが多いですが、使ってみるとアジングロッドとしては実にスマートなことがわかります。

Advancement65もティップ(竿先)→ミッド(中央部)→バット(竿尻)の働き方を緻密に設計していることから、面白い曲がりを見せるロッドに仕上がっています。

下記は、現在「ルアマガ オンラインストア」で発売されているロッドと、現在開発中のロッドとで竿の曲がり具合を比べた動画です。ぜひ参考にしてみてください。『INTRO LG-ALL』と『INTRO SETOUCHI-SP(瀬戸内特化モデル開発中)』は、どちらもレジットデザインに開発していただいているライトゲーム向け汎用パックロッド。オモリは90gを吊り下げた状態です。

ベンディングはスムースに曲がる方がいい。ロッドにはそういう1面もあります。ですが、明確な機能を各セクションに持たせて働く場合はその限りではありません。34のロッド群を触られた方ならわかるかと思いますが、比較的初心者ユースのレギュラーテーパー(標準的な曲がり方の竿調子)寄りのロッド以外は、かなり複雑かつプログレッシブな曲がりを見せる傾向があります。

Advancement65は取材で訪問した宮崎県の遊漁船TATSUMARUグループの柏田船長にも愛用いただいています。

なぜ凝った曲がり方に設計されているのか

開発者の家邊克己さんが明確な意志を持って、アジングロッドを設計しているからにほかなりません。複雑なベンディングを見せるロッドは2パターンあります。「まったくもってバランスがとられていない歪なロッド」。そして、使ってみたらわかる「しっかりとバランスが取られた」ロッドです。

「Advancement65」を含め、34の旗艦ブランドとなるこのシリーズのロッドの完成度は、多くのアングラーが認めるところでもあります。特にFチューンドティップと呼ばれる「長めのソリッドティップが搭載されている(65も搭載されています)、潮感度にこだわり、繊細なアタリ感度も掴みフッキングすることのできるモデル」のテーパー設計の妙は、ロッドのティップセクションだけでなくミッドセクション以降に感じることができるはずです。



ライトゲームだけでなく大型魚にも対応可能!

「Advancement65」は先にも申し上げましたように、アジングロッドとして「ファイト性能の効率化」を意識したモデルです。0.4~0.6号クラスのPEラインを使えば、ブリやオオニベといった重量級ファイターとのやりとりも可能です。

ボートゲームを意識したモデルの竿ではありませんが、ARシステム(34が提案する深場も狙えるオールレンジ型キャロライナリグのシステム)を使えば、今までジギングなどでしか狙うことのできなかったレンジ(水深50〜70m)での超スモールルアー(アジングワーム)での攻略も可能になっています。

ARシステム用アタッチメント「Sタッチ」

アジングワームのような小型のワームで、大型の青物が反応するのか? と疑問に思われる方も多いかもしれませんが、これが思いのほか良い反応を見せることから、こちらの釣りの可能性も見出すことができます。

今後、34からはこういったライトゲームで楽しむ大物釣り用のロッドなどが出現するかもしれません。

Advancement65はそういった釣りの先鋒としても活躍してくれます。

このロッドは「アジングロッド」ですので、アジを釣ることに特化しておりますが、スーパーライトジギングで楽しむようなステージに、忍ばせていただけると面白い世界が広がると思います。

70cmを越えるオオニベも無理なく仕留められる。取材はタツ丸「遊漁船 タツマル 吉薗船長 090-9729-2490(宮崎県)」。
タチウオくらいなら無問題。
Advancement65はアジングロッドですので、もちろんアジングには最強!
南海の暴走アジ、ガチュン(メアジ)。体高があり、マアジと比べるとパワーは1.5倍から2倍の体感の魚。こちらの魚でのテストも開発中に行なっています。

陸っぱり用途での最適解

「Advancement65」は6ft5inのロッド長を持っており、最近の流行りの短いロッドに比べると長めの設定になっています。サーティフォーでも5ftを切るロッドを発売していたりと、その流れは加速しているかに思えます。では長いロッドは時流から外れるのでしょうか?

家邊「そんなことはありませんよ(笑)。なぜ短いロッドが多くなってきているのか。アジの食性がプランクトン主食に傾きつつあるので、ロッドをなるべく動かさない、ルアーをなるべく動かさないドリフト術が求められるようになってきています。慣れてない人であれば、短いロッドの方が結果的にルアーをあまり動かさないのでいいんですよ。つまり釣り方を理解していれば長いロッドは有利な局面も多いんです。私自身は長いロッドも非常に好きです」

例えば磯場でのアジングは手前のブレイクをかわしたりランディングするのに長い方が有利です。防波堤でも手前に藻場などがあるような場所では長いロッドのほうがコントロールしやすかったりします。複雑な潮をうまくかわすメンディングも長いロッドのほうが楽です。

飛距離という面でも、長いロッドのほうが有利です。

単純なロッドの軽さや見栄えだけで、ロッドが短くなる傾向がある昨今ではありますが、長いロッドのメリットは多分にあります。

潮を訊くトゥイッチや、ちょっとしたレンジコントロールを繊細に行うテクニックが必要にはなりますが(大きくするとルアーが大きく動いてしまう)、そういったデメリットを熟知していれば武器になる局面も多いのです。

最新の高弾性ナノアロイ素材を全身に纏ったこちらのロッド。まさにライトゲームの革新となる1本です。ぜひ、愛竿として使っていただければ幸いです。

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取材協力釣り船情報

取材:タカ丸

【Ship Profile】

タカ丸(TATSUMARUグループ)

タカ丸は宮崎県で非常にリーズナブルな価格でボートアジングなどが楽しめる遊漁船です。お問い合わせは080-3377-0600まで。

  • 所在:宮崎県宮崎市
  • 出船:内海港
  • 電話080-3377-0600
取材:アングラーズスタッフ

【Ship Profile】

Anglers Staff(アングラーズスタッフ)

取材でお世話になった「アングラーズスタッフ」。ご予約や釣り物の詳細は090-6542-2557まで。

  • 所在:東京都
  • 出船:首都高羽田線「空港西IC」降りてすぐ
  • 電話090-6542-2557