山岡計文が手掛けた「エラストマー」製ワーム『PDLヘアリーフライ3 ECO(ティムコ)』が遂に登場! フィンズダズラー・リンキンシャッドの血統に注目!



ティムコのPDL(プロデザインルアーズ)ブランドから今春に発売される『ヘアリーフライ3 ECO』。そのルックスやフォルムを見る限りでは、『あの人』がイロイロ関与しているに違いない…との邪推から、早速連絡してみました、あの人に。ということで、ベイトフィッシュを忠実に再現するルアー&メソッドを語らせたら右に出る者がいない、JB TOP50プロの山岡計文さんにヘアリーフライ3 ECOについて、アレコレ聞いてみました!

【Profie】

山岡計文(やまおか・かずふみ)

琵琶湖と並んでデカバスの聖地と言われる池原ダム、七色ダムをロコフィールドに腕を磨き、現在はガイドサービスとJB TOP50プロ、そして池原ダム&七色ダムがある奈良県吉野郡下北山村の村議会議員という“三足のわらじ”で活動している。

浮く、そして弾力性に富んでちぎれにくいというエラストマー素材の特徴をフル活用!

早速ですが、このヘアリーフライ3 ECOが生まれた経緯は?

山岡「ティムコがここ最近、エラストマー素材に力を入れていることもあり、何か新しいモノが作れないだろうか…と模索していました。エラストマー素材とは簡単に言ってしまえば浮力が強く、ちぎれにくいワーム素材のようなもので、ジョイント式ビッグベイトルアーのテールなどに使われていると言えばわかりやすいでしょう」

ということは、このヘアリーフライ3 ECOはエラストマー素材なんですね?

山岡「そうです。この浮力の強さとフレキシブルに動く弾力性を活かそうと思ったときに、僕がかつてプロデュースした『フィンズダズラー』を復活させることができないか? と考えました。すでに廃盤のワームなんですが、ミドストやI字引きでは絶大な威力を発揮していました。ただ、復活させるにしても素材をエラストマーに変えるだけでは面白くないし、どうせならもっとブラッシュアップして新しい効果も付け足したい。ということで、これもまた僕がプロデュースしたワームなんですが『リンキンシャッド』(現行品)のジョイント部分を参考にして、より動きやすいボディを追求しました」

リンキンシャッド

ジョイント部分…確かに、下の部分がエグレているような、一風変わった形状になっていますね。

山岡「既存のジョイントボディタイプのワームは、ジョイント部分のボリュームが薄くなっているだけで、ボディの上から下まで全部つながっています。だからテール部分が左右には動きやすいんですが、上下には動きにくい。これだとマスバリのワッキーセッティングで上方向から引っ張ったり、水面でピクピクアクションを演出したりするときに動きが制限され、理想通りには動いてくれないんです。そこでジョイント部分の下側にエグレを作ることで“遊び”ができやすくなり、テールが上下にもフレキシブルに動くようになったんです。このフォルムを弾力性に優れたエラストマー素材でヘアリーフライ3 ECOに導入することで、さらにテールアクションの自由度が増し、テールが千切れる心配も少なくなりました」

ティムコだからこそできた、リアルな人工毛が艶めかしい生命感を演出!

名前の一部にもなっている『毛』の部分ですが、これはフィンズダズラー3inchからの踏襲ですか?

山岡「そうです。胸ビレと尾ビレを表現していて、化学繊維なんですがゾンカー(ウサギの毛)のように水に馴染みやすく、アクションを与えなくても水流で勝手に揺らめいてナチュラルにバスを誘えます。フライフィッシングの素材が豊富なティムコだからこそできたアピールポイントだと思います」

ここまでの話を要約する限りでは…フィンズダズラーとリンキンシャッドのオイシイトコ取りで、しかも新たな素材を採用してアクションがさらに進化した、というところでしょうか?

山岡「そんな感じですね(笑)。良いところは継承し、さらに進化が望めるところは新たなチャレンジをしてみた結果のヘアリーフライ3 ECOです。テストではプロトタイプの数が少ないだけに、無くさないように慎重な釣りが求められましたが、とにかくヤバイくらいに釣れました」



表層&中層スイミングはもちろん、水面で“止めて”誘えるのは大きな武器!!

どんなリグに適しているのでしょうか?

山岡「例えばノーシンカーリグならば、I字引き、そしてそこからのトゥイッチなど。前述のようにエラストマー素材は浮力が強く、ワームフックの中では重めのオフセットフックを装着しても浮くので、アクション後に止めて放置し、毛をユラユラとたなびかせて食いを誘うのもアリです。オフセットフックは刺したときにジョイント部分に干渉しないサイズならば、ナローゲイブとワイドゲイブのどちらでも構いません。マスバリならアゴ部分にチョン掛け、もしくは正面から入れて軸が完全に中に埋まる深さまで刺し、腹部から針先を抜く縫い刺しもフッキング性能に優れています。また、背中にチョン掛けして水面で“ピクピク”させるのにも適しています。このときに前述のジョイント部分が有効に働くことで、ボディがキレイな『へ』の字に曲がり、移動距離を抑えながら絶妙な波紋を発生してアピールします」

【山岡さんのノーシンカー使用タックル】

  • ロッド:フェンウィック エイシスACES66SLJミッドストローリングスペシャル(ティムコ)
  • リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
  • ライン:スーパーライトPE0.4号+ルアーリーダーフロロ 4~5lb(東レ)

お得意のミドスト、ホバストにも?

山岡「もちろん、想定してデザインしています。フィンズダズラー3”もミドスト&ホバストに多用していましたが、ヘアリーフライ3ECOではジョイントボディになったことでロール時にフロントボディとテールの動きにラグが出て、より複雑で艶めかしいアクションが出せるようになっています。また、シンカーを使うという意味では、腹部にはネイルシンカー挿入専用のホールも設けられています。エラストマー素材は弾力があってネイルシンカーが刺しにくいので、あると助かるギミックだと思います」

【山岡さんのミドスト使用タックル】

  • ロッド:フェンウィック エイシスACES64SULJミッドストローリングスペシャル(ティムコ)
  • リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
  • ライン:エクスレッド タイプNS 4lb(東レ)

【山岡さんのホバスト使用タックル】

  • ロッド:フェンウィック エイシスACES61SULJタイトシェイキンスペシャル(ティムコ)
  • リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
  • ライン:エクスレッド タイプNS 4lb(東レ)

ベイトフィッシュパターンやスレたフィールドには必携ワーム!!

開発に苦労された点は?

山岡「エラストマー素材は通常のワーム素材と比較して彩色が乗りにくく、よりリアルなベイトフィッシュカラーを追求していたこともあり、ティムコの開発部門もかなり苦労していたようです。ただ、その難題も何とかクリアできたので、新たな素材を導入したことによるこれまで以上のライブリーなアクションに加えて、本物のベイトフィッシュに近いよりリアルな見た目も再現できたので、自信を持ってオススメできるワームができあがったと自負しています。ワカサギなどのベイトフィッシュをメインに捕食しているパターンや、スレまくっているフィールドに投入すれば、その爆発力を体感できるはずです!」

PDLヘアリーフライ3 ECO

【スペック】

  • 全長:3in
  • 重量:2.2g
  • タイプ:フローティング
  • 入り数:未定
  • 価格:1,034円(税込)