フェンウィック・リンクスのスピニングモデル『クリッタースティック(ティムコ)』に「65」が追加! オカッパリ×PEラインの戦略に組み入れるべきスペックが満載!!



フェンウィック・リンクスの『クリッタースティック』は、すでにCT60SULP-Jという6ftのモデルがラインナップされている。今回紹介するNEWモデルも同じクリッタースティックというサブネームを持ちながらも、長さは6ft5inになってパワーもアップし、オカッパリゲームで快適に扱えるセッティングになっているという。そして、これまで以上にPEラインの重要性を意識しているモデルのようだ。その詳細を、ティムコスタッフの大津清彰さんに突っ込んで聞いてみたぞ!

【Profile】

大津清彰(おおつ・きよあき)

ティムコ社員として、クリッタータックル・野良シリーズなどヒット作をリリース。フィールド業務も加速度的に増え、今や夢の職業に!? 胃の内容物調査を始めアカデミックなアプローチも欠かさない現場主義者だ。

日本のバスフィッシングの実情を反映した『オカッパリフィーチャーモデル』

60クリッタースティックのコンセプトを継承しつつの第2弾、ということでしょうか?

大津「60モデルはレンタルボートでの使用を前提にしたモデルでしたが、今回の65モデルはロングキャスト性能とオカッパリでの使用感の向上をコンセプトに開発を進めました。さらに、60モデルでも前面に謳っている、PEラインでの釣りをより快適に楽しめるような設計になっています。というのも、手前味噌で申し訳ありませんが…野良ネズミを代表に吊るしの釣りやパワーフィネス一歩手前のスモラバ、ネコリグ、虫の釣りなど、近年流行しているスピニングタックルでの釣りは、ほとんどがPEラインの使用が前提になっているんです。これらの釣りをオカッパリでも可能な限り制限なく行えることを目指したモデルになっています」

伸びないPEラインでも若干長めのソリッドティップが投げやすさをアシスト!

では、まずは長くなったブランクスの特徴をお願いします。

大津「60モデル同様にソリッドティップを採用していますが、若干長めになっています。これはほとんど伸びないPEライン使用時でも、キャストの際にブランクスに掛かる負荷を和らげてスムーズにルアーを前方に飛ばすためです。ナイロンやフロロのモノフィラメントラインでキャストする場合、ルアーが前方に放たれる瞬間はラインが想像以上に伸びていて、それが負荷の吸収にもなると同時にゴムのような反発力にもなり、ルアーをスムーズにキャストすることができます。しかし、PEラインの場合は前述の通り伸びがほとんどないので、長めのソリッドティップを柔軟に曲げることで余裕と反発力を作り出すことで、ルアーをキャストしやすくなっています。現代のバスフィッシングは『ココだ!』というスポットにルアーを正確に入れ込まないと釣ることはかなり難しいので、キャストの正確性というのは相当意識したつもりです」

キャストについてですが、ボートでは後ろに振りかぶれるスペースが十分に取れますが、オカッパリではそうもいかない場合があったりします。そういう状況も含めて、キャストしやすいということでしょうか?

大津「ご指摘の通り、オカッパリではヤブこぎしないと水辺に出られない場所もあったりして、そういう場合はたいてい左右上下ともにロッドを振りかぶるスペースがなく、少ないモーションでルアーを前方に飛ばさなければならない。だから小手先だけを使って瞬間的にピュンッ! と投げられるように、ベリーからティップまでがしなやかに曲がる設計になっています。ボウ&アローキャストもベリーの反発力を活かして瞬間的にルアーを放てるので、ライトリグでも遠くまで飛ばすことができます。対してバットは硬めでパワフルなので、バスが掛かればカバーから引き剥がしやすいし、足場が多少高くても抜き上げやすくなっています」



Kガイドのオリジナルセッティング&アルコナイトリングでライン素材を問わずにトラブルレス

ガイドはPEライン専用セッティングなんでしょうか? また、リングはアルコナイトを採用していますが、PEラインを使っても大丈夫ですか?

大津「いえ、PE専用ではなく、これまで同様のFuji製Kガイドを使ったオリジナル・フィネススピニングガイドシステムです。いろいろ試してはみましたが、このシステムならばPEラインはもちろん、ナイロンやフロロカーボンといったモノフィラメントラインまで、素材を問わずにキャストできるという結論になりました。ただ、PEラインの場合はリーダーをリールのスプールまで巻き込むくらい長く取るとバックラッシュが起きやすくなったり、リーダーのノットから切れてルアーが飛んでいってしまったりするトラブルが出やすい場合もあるので、リーダーはできる限り短めに取ることをオススメします。ちなみに、僕は60cmくらいにしていますが、これでトラブルになったことは一度もありません」

大津「そして、ガイドリングに関してですが、アルコナイトが世に出る前までは『PEライン=SiCリング』という絶対的な図式ができあがっていただけに、他のリング素材だとラインが切れる、リングが摩耗するなどのトラブルが出やすいという意見もありました。しかし、リンクスシリーズは全モデルにアルコナイトリングを採用していて、これまでPEラインを使ってもそういったトラブルはありませんので、安心してPEラインを使ってもらえます」

オカッパリでの貴重な1尾を獲るための必携バーサタイルスピニング!!

使い方、使いドコロのアドバイスをお願いします。

大津「やっぱりオカッパリが、このロッドの特長を一番感じられると思います。PEライン0.8~1号+フロロカーボンリーダーを使って野良ネズミや高比重ワームでカバーの奥の奥を攻めたり、ロングキャストしてポッパーやペンシルでオープンウォーターを広く探るのもいい。もちろんライトリグも含めて、スピニングタックルで使うルアーならばバーサタイルに対応できるロッドになっていますので、貴重な1尾を獲りたいアングラーにはぜひとも使って欲しいです!」

クリッタースティック

【スペック】

  • 全長:1.96m
  • 重量:104g
  • 継数:1
  • 適合ルアーウェイト:1.8~7g
  • 価格:28,050円(税込)