2022年シマノバスタックルがいよいよお披露目開始! 毎年この瞬間を待ちわびているアングラーも多くいるはず!! そんなドキがムネムネしているシマノファンに朗報! 今年はついに「あの大人気ロッド」が2度目のフルモデルチェンジを遂げます。 果たして3代目はどのようなスペックを纏い進化したのか!? 今回はシマノインストラクターであり、同シリーズの開発にも携わった黒田健史さんに徹底解説して頂きます。
語っていただくのは国内最高峰トーナメンターにして大人気ブロガー!
【Profile】
黒田健史(くろだ・けんし)
1985年生まれ。国内最高峰カテゴリーJBトップ50メンバーであり、昨季は第2戦で3位、第3戦で2位と連続お立ち台入りで年間ランキングも8位フィニッシュ。長年の経験と高度な技術、そして豊富な知識に裏付けられたタックルに対する造詣の深さは特筆すべきもの。バスのみならず、ソルトゲームにも精通している。シマノインストラクター。
キニナルNEWエクスプライドがこちら!
エクスプライドといえば、メーカーHPやカタログにも記載されている通りシマノ社の「威信と技術を注ぎ込んだハイパフォーマンスバスロッド」。
軽量かつシャープな使い心地とシックなデザイン、実売価格2万円前後に豊富なラインナップから、オカッパリにレンタルボート、はたまたトーナメントとあらゆるフィールドやシチュエーションに対応。まさにバスロッドの「ど真ん中」と言っても過言ではありません。
初代は2012年、2代目は2017年にリリースされており、弊社のルアーマガジンT.O.Y(タックル・オブ・ザイヤー)では、ベイトモデルの1610Mが2013年、2014年、2017年で1位を獲得。スピニングモデルの266Lは2015、2016、2017年と3年連続で1位を獲得しており、2世代に渡りバスファンから絶大な人気を得ています。
トーナメントシーンではアメリカBPTツアーで活躍する深江真一選手の右腕ロッド。2014年にはバスマスターノーザンオープン第2戦で優勝し、初代エクスプライドがウィニングロッドとなりました。
国内では今回解説して頂く黒田健史さんや、同じくJBトップ50で活躍する佐々一真さんが使用。そのパフォーマンス高さは両名の近年のトーナメント成績を見れば一目瞭然でしょう。
そんな世界をまたいで活躍するエクスプライドが遂に3世代目へと進化を果たします。
人気ロッドだからこその「堅実なアップグレード」
――黒田さん、いよいよエクスプライドが2度目のモデルチェンジを果たしますが、どのような進化を遂げているのかご解説をお願いします!
黒田「多分ユーザーの皆様もかなり想像はついていたと思いますが、お察しの通り3代目エクスプライドは『カーボンモノコックグリップ』が搭載されています。これまでにカーボンモノコックグリップが搭載されたシリーズ(ポイズンアルティマ、グロリアス、アドレナ、ゾディアス、ワールドシャウラなど)と同様、大幅な軽量化とさらに感度が向上しています」
黒田「具体的には機種にもよりますが前作と比べると、10~15%の軽量化がされてます。最も人気のある1610Mに関しては10gの軽量化がされて100gジャストになります。感度もカーボンモノコック化に伴いさらに良くなっています、というかそこはもう言わずもがなですよね(笑)」
――初代から軽いと思っていたエクスプライドが100gなんですね…。技術の進化が凄まじい…。
黒田「ブランクスは前作と同じく高弾性のカーボンにハイパワーXの組み合わせ。デザイン的な面でいうと今作はマットなブランクスデザインに変更、ロゴも刷新されてシャープなイメージに仕上がっています」
――エクスプライドは初代からブラックを基調としたデザインにコルクグリップとシックな落ち着きのあるデザインでしたが、さらにクールさが増しましたね。
黒田「あとリールシートですが、こちらも前作と同じく軽量かつ高強度なシマノ独自の『CI4+』採用しているのですが、スピニングのリールシートがダウンロックからアップロックモデルに変更しています。実はこのリールシートみそがあって既に20ゾディアスにも搭載しているんです…」
―― え、ゾディアスは確かダウンロック式だと思うのですが!?
黒田「実は20ゾディアスのリールシートを逆さにしたものが22エクスプライドのアップロックタイプのリールシートに繋がるんです。 20ゾディアスのリールシートは専用で作っていたのではなく、22エクスプライド用に作っていたんですよ。ただ、ゾディアスのほうが先にモデルチェンジだったのでダウンロックタイプにしてリリースしたんです」
―― まさかそんなからくりが(笑)。でもアップロックモデルのリールシートだと人指し指を添えるようなスピニングならではの細かいアクションもやりやすそうですね。
黒田「面白いでしょ(笑)。といった形で22エクスプライドは、皆さんのご想像通りカーボンモノコックグリップを搭載したことが最注目ポイントなわけですが、その他では特段新たなテクノロジーが備わったわけでもなくいわば『 正常進化』と言って過言ではありません。
しかし言い換えるならば正常進化で良いほど、前作のエクスプライドの完成度が高いということ。それは前述したようにユーザーからの人気やトーナメントシーンにおける結果が物語っているかと思います。
では22エクスプライドはどのニーズにフォーカスし販売していくのか。そのみそはラインナップにあるのです!」
3代目はバスフィッシングの「選択肢を増やす」ステップアップするための『エクスプライド』
黒田「では今回のエクスプライドのラインナップを見てみましょう」
【22エクスプライド スペック(1ピースモデル)】
品番 | 全長(m) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | ルアーウェイト(g) | 適合ライン(lb) | 小売り価格(円) |
163L-BFS | 1.91 | 163.8 | 90 | 3.5~10 | 6~12 | 27,500 |
165ML-BFS | 1.96 | 168.1 | 110 | 5~15 | 7~14 | 28,000 |
165ML-G | 1.96 | 166.8 | 90 | 5~21 | 7~14 | 28,000 |
166XH-SB | 1.98 | 167.3 | 127 | MAX150 | 14~30 | 30,000 |
167MH | 2.01 | 170.8 | 105 | 10~30 | 10~20 | 28,000 |
1610M | 2.08 | 176.3 | 100 | 7~21 | 8~16 | 28,500 |
1610M-S | 2.08 | 176.3 | 100 | 5~15 | 7~14 | 29,000 |
170M-G | 2.13 | 179.8 | 122 | 7~30 | 8~16 | 29,500 |
170MH | 2.13 | 182.3 | 120 | 10~30 | 10~30 | 29,000 |
172MH | 2.18 | 186.5 | 122 | 10~30 | 10~30 | 29,000 |
172H | 2.18 | 186.0 | 120 | 14~42 | 12~25 | 29,500 |
259UL | 1.75 | 149.8 | 77 | 2~7 | 2.5~5 | 26,500 |
261SUL+ | 1.85 | 157.8 | 82 | 1.5~7 | 2~4 | 27,500 |
263L-S | 1.91 | 163.3 | 82 | 2~7 | 2.5~5 | 27,500 |
264UL | 1.93 | 165.3 | 85 | 2~7 | 2.5~5 | 27,000 |
264M+ | 1.93 | 164.3 | 87 | 5~21 | 5~10 | 28,500 |
265SUL+ | 1.96 | 166.3 | 87 | 2~10 | 2.5~5 | 28,500 |
266L | 1.98 | 169.8 | 87 | 3~10 | 3~6 | 27,500 |
267L+ | 2.01 | 171.3 | 87 | 3~12 | 3~6 | 29,000 |
2610ML | 2.08 | 178.6 | 90 | 4~12 | 4~8 | 28,500 |
2610M-S | 2.08 | 178.2 | 90 | 4~12 | 4~8 | 29,500 |
270MH+ | 2.13 | 182.8 | 100 | 7~30 | 6~12 | 29,500 |
【22エクスプライド スペック(2ピースモデル)】
品番 | 全長(m) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | ルアーウェイト(g) | 適合ライン(lb) | 小売り価格(円) |
163L-BFS/2 | 1.91 | 98.5 | 90 | 3.5~10 | 6~12 | 28,000 |
166XH-SB/2 | 1.98 | 102.0 | 125 | MAX150 | 14~30 | 30,500 |
167MH-2 | 2.01 | 103.5 | 112 | 10~30 | 10~20 | 28,500 |
1610M-2 | 2.08 | 107.0 | 100 | 7~21 | 8~16 | 29,000 |
172MH-2 | 2.18 | 112.0 | 117 | 10~30 | 10~30 | 29,500 |
172H-2 | 2.18 | 112.0 | 120 | 14~42 | 12~25 | 30,000 |
263L-S/2 | 1.91 | 98.5 | 87 | 2~7 | 2.5~5 | 28,000 |
264UL-2 | 1.93 | 99.5 | 87 | 2~7 | 2.5~5 | 27,500 |
266L-2 | 1.98 | 102.0 | 92 | 3~10 | 3~6 | 28,000 |
2610ML-2 | 2.08 | 107.0 | 92 | 4~12 | 4~8 | 29,000 |
272MH-2 | 2.18 | 112.0 | 105 | 7~21 | 6~12 | 30,500 |
――前作同様、充実したラインナップですね、2ピースもあるし。でもなんだかスタンダードなスペックが少ない・・・ような。
黒田「その通り、従来のエクスプライドであれば、リリース初年度はスタンダード且つ、オールマイティなラインナップ、2年目以降に特化したモデルをリリースしていましたが、22エクスプライドはファーストラインナップから特化したモデルが多いんです!」
―― ラインナップを見てみると、確かに1610Mはあるけど、割と定番な166Mがないですね。
黒田「はい、結構初代、2代目にあったバーサタイルなモデルは抜けてますね。わざと? うん、わざとですね(笑)」
――166Mって人気の番手ではないんですか!?
黒田「人気です、でも、先述したようにエクスプライドというロッドは初代、2代目、そして今作の3代目と『正常進化』なんです。ユーザーの方々もカーボンモノコックグリップが搭載されることは100%予想できたはず。
そのような正常進化のなかで、同番手の買い替えをオススメできるかというと個人的には難しいと思っています。なぜなら初代も2代目も今も現役でバリバリ使える良いロッドなので。
尚、1610Mや266Lに関しては初めて買う人やバスフィシングをこれから始める人にとってど真ん中な選択肢なのでラインナップはされています」
黒田「でも1610Mの2番手にいるセカンドベーシックな166Mを『モデルチェンジしたので買い替えてください』というのは今の時代のニーズにあってないのかなと。
ならば、初代や2代目を使用しているユーザーの方々にベーシックではなく、少し特化させたモデルにステップアップして、新たにバスフィッシングの幅を広げる選択肢として購入して頂けたほうがいいかなと思ったんです。ベイトフィネスやパワーフィネス、または166Mを持っている方なら派生の『ソリッドティップモデルを使ってみませんか?』という提案をしたいんです」
―― なるほど、そこまで考えているなんて…。確かにベーシックな番手を既に持っている初中級者は買い換えるというよりかは、どちらかというとステップアップしてみたい。でも高価なロッドは中々手が出しづらいとなったとき、エクスプライドの価格帯であればチャレンジしやすいですね。
黒田「そうなんです。またエクスプライドのユーザーは色んなロッドを触り尽くして、最終的にコスパの高いこのロッドに行き着く方も多い。そういったベテランアングラーにも納得した仕上がりでラインナップも揃えやすくなっています」
――確かに。レンタルボートレイクに行っても、複数本ロッドを持ち込む中にエクスプライドを所有している方は多く見かけますね。
個性派揃いのNEW「エクスプライド」黒田さんのおすすめ機種は?
――では今回の3代目エクスプライドで、黒田さんのおすすめ機種を教えてください!
黒田「僕がおすすめしたいモデルは3つあって、まずは『1610MS』。1610Mにソリッドティップを搭載したモデルになんですけれども、このロッドは僕が本当に欲しくて作ったやつ。去年七色ダムのトーナメントではこのロッドのプロトをよく使っていました。166Mや1610Mよりもソフトベイトに寄せた6ft台のMアクションです。ロングワームだったり、昨今でいうとカバースキャットなんかにも適したモデルですね。20ゾディアスでもソリッドモデルが何本かリリースされていますが、それとは全然違う味付けになってます。
あ、言い忘れてましたが、今回ソリッドモデルは全て最新の『タフテックインフィニティ』を搭載してますので繊細なだけでなくさらに高強度になっています」
黒田「あとはスピニングのパワーフィネスモデル270MH+。初代エクスプライドでも後期にリリースしたモデルだったのですが、2代目にはラインナップされませんでした。現在レンタルボートだけでなく、オカッパリにおいても浸透しつつあるパワーフィネスですが、シマノのバスロッドシリーズでもパワーフィネスに特化したモデルがあまりなかったので前作よりもさらに突き詰めて今作で復活させました。
264M+はライトリグから、ライトなカバー周りのパワーフィネスなんかもこなせるバーサタイルスピンです!僕はPEの0.8~1.0号くらいのセッティングでロングワームで多用しています!全国の色んなフィールド使用できるのでかなり溺愛モデルしてますね!」
――3代目はベイト、スピニング含めて「+」や「S」といったまさに「個性のある」フィーチャーラインナップが豊富でスペックだけ見ていると実際に触りたくなってきますね!
黒田「3代目はこれまでと違って個性派メンバーがホント多いんですよ。他にも佐々プロがみっちりテストした「265UL+」だったり、エクスプライド初の5ftモデルの「259UL」なんかも注目ですよ。あとはビッグベイト用に新たに「166XH-SB」というモデルもあって、MAXウェイトが150gなので昨今ブームのビッグベイトシーバスにもいけちゃいます」
――ちなみにエクスプライドと言えば、アメリカでもリリースされていますが今作も日米同時発売?
黒田「もちろん! アメリカでは深江さんがプロモーションを担当して、MLFトーナメントでもバリバリに活躍することでしょう!国内では僕と佐々プロが頑張ります!」
初代モデルがリリースされて以降、日本のバスフィッシングシーンの中心を歩み続けてきたエクスプライド。今作ではこれまでとは違う新たな一歩を踏み出し、さらなる「個性」がバスファンの心を掴み、バスフィッシングの新たな楽しさを導いてくれるでしょう。
黒田 「あ、ちなみに僕のオンラインサロンでも詳しい話をさせて頂きます! ブログでも結構書いているんですが、それ以上に濃い内容をお届けしますよ! 是非ともご参加を! 損はさせません(笑)」
黒田さんと佐々さんによるエクスプライド対談も必見です!
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