2022年はアブ・ガルシアからエリアトラウト専用ロッドの新モデル『AION(アイオン)』が登場! アブらしい、クールな見た目には当然、超実用的な性能も込めらているはず! というわけで、開発に携わったフィールドスタッフの岡安幸夫さんにお話を聞いてみました!
【Profile】
岡安幸夫(おかやす・ゆきお)
バス釣りやエリアトラウトを得意としているアブ・ガルシアのフィールドテスター。吉祥寺にてバスとトラウトの専門店『吉や』を経営しており、豊富な経験と知識を求めてビギナーから上級者まで多くのアングラーが訪れる。
ステップアップに最適!
――直近では、マスビートの新モデルがアブ・ガルシアさんからリリースされていましたが、『アイオン』はこれまでのアブのエリアトラウトロッドとはどの様に違うのでしょうか?
岡安「マスビートはその価格からも分かると思いますが、いわゆるエントリー層向けという意味合いの強いモデルでした。その一方で、アブ・ガルシアには上級者にも好まれるディプロマットエクストリームというモデルもありましたので、『アイオン』はちょうどその間を埋めるグレードというイメージになると思います」
――なるほど。そうすると、ステップアップみたいな感じですね。
岡安「そうですね。例えば、1シーズンに数回エリアトラウトをやっていたくらいの人が、ハマって月に2回行くようになっただとか、用途別のロッドを欲しくなってきたりだとか、入門ロッドでは色々と物足りなくなってきた人に向けたロッドですね」
――ブランクスには『NANOカーボン』ブランクスを使用していますね。
岡安「ディプロマットエクストリームの様にTAF製法ブランクスを使えばもちろんもっともっと性能はよくなりますが、その分値段が上がってしまいますからね。購入しやすい価格に設定しつつ、使用感のかなめとなる『軽さ』にこだわった結果選んだのが『NANOカーボン』ブランクスなんです」
――見た目もカッコいいですし、これが実勢価格1万円ちょっとで買えるのは驚きです!
釣り場で誰もが気になるカッコよさ!
岡安「実はその、『カッコいい』という点にもこだわりがあるんです」
――それは何故なのでしょう?
岡安「エリアトラウトって、複数セット用意したタックルを、多くの人が目にする場所に置くじゃないですか」
――確かに! バス釣りだとタックルを何セット持っていってもボートに乗っけてしまえば誰かに見られるということはあまりないですけど、エリアフィールドだと釣りしているすぐ後ろにおいたりするから場内にいるアングラーみんなに見られますね。というか、自分もつい見ちゃいます(笑)
岡安「ですよね(笑)。そうなると、所有感のあるデザインだと嬉しいじゃないですか。だから『アイオン』は見た目にもこだわっています。例えば、グリップ周りは、最近のトレンドに合わせたコルクのストレートタイプを採用しています」
――リールシート部分もコルクなのはカッコいいですよね!
岡安「そうなんですよ。この部分は例えばウッドを採用する案もあったのですが、重いんですよね。カッコよさはともかくせっかく軽いNANOカーボンブランクスを使っていることが無駄になってしまいます。そこで、バスロッドのファンタジスタ・ディーズなどでもお馴染みのコルク地のリールシートを採用して、見た目の良さと軽さを両立させているのです」
――グリップ中央に向けてシェイプが絞り込まれつつ、センターに赤い金属パーツが配置されているのも洒落ていますよね! ブランクスにも飾り巻きが入ったりと、こだわり満載なのが伝わってきます!
岡安「ワインレッドのブランクスにメタリックカラーのスレッドを合わせているのもポイントです。テストで使用している際にも色々な方に『そのロッド何?』と聞かれました(笑)」
様々なスタイルに対応した5機種をラインナップ!
――ラインナップは全部で5種類ですが、それぞれどういった特徴なのでしょう?
ATNS-602ULS+
【Spec】
- 全長:6ft
- 継数:2
- 仕舞寸法:94.2cm
- 自重:65g
- 適合ルアー:0.3~3.0g
- 適合ライン:1.0~4.0lb
- パワー:UL
- テーパー:ファスト
- 価格:17,600円(税込)
岡安「例えば602UL+。こちらはスピニングのソリッドティップロッドです。繊細なティップのおかげでわかりにくいバイトに対してもフックが口に残りやすく、手元に感じたアタリでしっかりと掛けていくことが出来るロッドです。掛かるアタリだけを伝えてくれるイメージです」
AINS-612UL
【Spec】
- 全長:6ft1in
- 継数:2
- 仕舞寸法:96.7cm
- 自重:68g
- 適合ルアー:0.3~3.0g
- 適合ライン:1.0~4.0lb
- パワー:L
- テーパー:レギュラー
- 価格:17,600円(税込)
岡安「612ULはベーシックな1本です。軽く振っただけだとファストテーパーみたいな印象を受けると思うのですが、負荷がかかるほど全体が曲がっていくテーパーになっているため、非常にバラしにくいです。1本だけ選ぶとすれば間違いなくこれですね」
AINS-622L
【Spec】
- 全長:6ft2in
- 継数:2
- 仕舞寸法:98cm
- 自重:74g
- 適合ルアー:0.5~5.0g
- 適合ライン:1.5~4.0lb
- パワー:L
- テーパー:レギュラー
- 価格:17,600円(税込)
岡安「スピニングの3本中、もっともバットが太く、強いモデルとなっています。ボトムの釣りやミノーを急潜航急浮上させる釣りで必要なフッキングパワーをもたせているんです。遠投性能にも優れているし、バスロッドに慣れている人が扱いやすいエリアトラウトロッドだと思いますよ」
AINC-562UL
【Spec】
- 全長:5ft6in
- 継数:2
- 仕舞寸法:86.5cm
- 自重:71g
- 適合ルアー:2.0~7.0g
- 適合ライン:3.0~8.0lb
- パワー:UL
- テーパー:レギュラー
- 価格:17,600円(税込)
岡安「エリアトラウトでのベイトタックルとして、スタンダードな性能を追求したロッドが562ULです。非常に投げやすいテーパー設定に加えて、ランディングもしやすい短めの全長が特徴となります。昨今はリール性能も向上しているということもあり、ラインの種類を問わず使いやすくなっています」
AINC-602L
【Spec】
- 全長:6ft
- 継数:2
- 仕舞寸法:94.2cm
- 自重:79g
- 適合ルアー:2.0~7.0g
- 適合ライン:3.0~8.0lb
- パワー:L
- テーパー:レギュラー
- 価格:18,700円(税込)
岡安「敢えて軽いルアーへの対応力は抑え、大物狙いを想定したスペックに仕上がっているのがこちらの602L。ベイトリールならではのダイレクト感をしっかりと楽しめるようになっています。トラウトだけでなく、バスをはじめとした様々な魚種をターゲットとしたエリアフィッシングで活躍してくれると思います!」
初心者はもちろん中級者にもありがたい!
――基礎を抑えつつも幅広いラインナップが揃っているんですね。
岡安「『アイオン』で揃えれば、おおよそ全てのエリアの釣りは楽しめるようなラインナップというのは意識していますね。それとはじめの方で初心者のステップアップで、というお話をしましたが、中級者以上の方にも使っていただけると思います。アブのロッドが気になる、という人であったり、ソリッドティップロッドやベイトタックルを使ってみたいけど高すぎるロッドも安すぎるロッドも選びにくい…。そんなニーズにも答えられるラインナップなんですよ」
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