使い方は無限大なリグパーツ『グライドハンガー(リューギ)』をホバストの名手山岡計文さんが解説



ホバストの元祖にして、ミドストの使い手として知られる山岡計文さんが、今度はボトスト攻略の切り札パーツを完成させた。その名も『グライドハンガー(リューギ)』。これにて全層でのスイミング攻略に死角はない。

【Profile】

山岡計文(やまおか・かずふみ)

国内最高峰JBトップ50で2度の優勝(12早明浦ダム、21七色ダム)を始め、紀伊半島ローカル戦では無数の優勝を飾り圧倒的な強さを誇るリザーバーマスター。クリアウォーター戦のみならず、17エリート5霞ヶ浦優勝など、その手腕にも死角はない。

ボトムを主軸に全層攻略可能その名も『グライドリグ』

山岡「開発の発端は『ボスリグ』です」

今年発表される期待の画期的リグパーツ『グライドハンガー』の開発経緯を山岡計文さんに訊くと、まずはこう返ってきた。

『ボスリグ』とは、オフセットフックを使ったノーシンカーリグにおいて、フックのシャンク部分にフリーリグ用シンカーを通してゴム管などのストッパーをセットしたリグ。シンカーのアイがシャンク上を動ける範囲を制限して、いわば『ジグヘッドリグのスナッグレス版』として主にボトムで活躍するリグだ。

シンカーがワームのフロント部分に近いため、リーダーレスダウンショットと比較されがちだが、シンカーの可動範囲が異なる。フォールでは先端に移動してスピーディーかつすり抜け性能が向上するのみならず、操作時はより後方にスライドしてワームの水平姿勢をキープする点でアドバンテージは大きい。

山岡「ボトストが簡単にできます。ただ、シンカーを交換する時にゴム管を抜くか切るか…それしか方法がなかった。ワームを交換するにもラインを切るしかない。もっと簡単に、もっと無駄なくリグれる方法はないのかなと」

試行錯誤の末に完成したのが、この新作『グライドハンガー』。そして、リグの名称も新たに『グライドリグ』と名付けられた。

山岡「完成してみてわかったのが、コレって発想力のある人が使ったら、何にでも使えちゃうなと。もうメリットしかないなと」

それでは、その『グライドハンガー』の使い方詳細を語っていただくことにしよう。

発想力次第で使い方は無限大まさにバーサタイル・パーツ

『グライドハンガー』の形状は、マグカップの持ち手に似たシェイプに形作られた硬質ワイヤー、そして両端にはリングアイと開閉可能なハンガーアイがそれぞれ見える。

山岡「基本的な装着方法は、ラインをリングアイに通してからフックのアイへと結びます。そしてハンガーアイからシンカーを通して、開閉可能なアイをフックのシャンクに装着します」

こう装着することで、フォール時はシンカーが先端へと移動してスピーディーなフォールを実現。また操作時はフックアイがリングアイに対してストッパーとなることで、シンカーの可動範囲を制限できる。

山岡「シンカーの位置が先端だけじゃないので、スイミング姿勢が安定します。ミドストの場合なら、シンカーが横方向にフリー状態なのでロールのアクションを阻害せず、むしろ小さな力で大きな動きを生み出すこともできます」

表層や中層での使用時に限らず、ボトムでも威力を発揮する。

山岡「後方にズレてシンカーが寝ることで、障害物に阻まれにくくなり、根がかりの危険性も大幅に減ってくれますね」

岩の隙間などにもはさまりにくく、障害物を舐めるようなトレースも可能となるのだ。

また、フックのハリ先からグライドハンガーのリングアイを通してセットすれば、より後方までシンカーをスライドさせることも可能。ウェイテッドフックと同様の効果を発揮。使い方の幅はさらに広がっていく。

山岡「オフセットフックだけに限らず、マスバリにも対応可能です。ジグヘッドワッキー的な使い方もできますね。シンカーだけでなく、ブレードを追加することだって可能です。1つで様々な釣り方に対応できるので、非常に便利ですよね」

ミドストを始め、カバー撃ちやスイミング、さらにはワッキー系リグにまでも対応して、シンカー次第でオールレンジに対応可能。まさにバーサタイルなリグパーツだ。

リーダーレスダウンショットからボスリグへ、そして劇的進化を遂げた『グライドリグ』へ。使い方はワームでのリグのみに留まらない。何とハードベイトでも活用が可能なのだという。



ワームのリグのみならず、ハードベイトにも装着可能

山岡「例えばスピナーベイト。ラインにリングアイを通してから結びシンカーを装着。チャター系なら、スナップにリングアイを通せば、いずれもアクションを損なわずに簡単にウェイトアップが可能なんです」

ワイヤーベイトをもっと深くへもっと遠くへ到達させたい時に、グライドハンガーとフリーリグ用シンカーさえあれば簡単にチューンが可能。BOXに1パック用意しておけば、攻略の幅が一気に広がっていく。

山岡「僕はプラグでも使っています。例えば、グリマー(ティムコ)。シンカーをプラスすることで、より深いレンジの中層へ仕掛けていくとも可能となります。これらはほんの1例で、発想力のある人なら、また新たな使い方が見付かると思いますよ」

無限の可能性を秘めるグライドハンガー。使い方はバスフィッシングのみならず、ソルトウォーターの各種ルアーフィッシングでも用途は広がっていく。

山岡「カサゴなどのロックフィッシュでは根がかり対策で効果は大きいですし、ハタ系はもちろんチヌなどにも活躍の幅は広がりそうです。けっしてバスフィッシング専用ではないので、いろんなターゲットにぜひ使って欲しいですね」

サイズラインナップは、小型ターゲットから大型までに対応するべくS・M・Lの3サイズを取り揃えている。

3サイズ揃え、フックへのマッチングが基本…だが!

山岡「3サイズの基本的な使い分け方は、オフセットフックのサイズ次第です」

基本的なフック対応例

サイズ対応フック
Sオフセット#2/0まで
Mオフセット#3/0〜4/0
Lオフセット#5/0〜6/0

「ただし」と山岡さんは前置きして、以下のようにお話を続けた。

山岡「小さなフックにLを付けてもいいんです。シンカーのスライド幅が広がってウェイテッドフックに近くなっていきますよね。姿勢を変えたり、飛距離が増したりします」

逆に大きなフックにSを付けたらどうか。

山岡「リーダーレスダウンショットに性格が近くなってカバー撃ちの貫通能力が向上しますね」

使い方は無限大だ。最後に、山岡さんにグライドハンガーのデメリットを訊いてみた。

山岡「いろいろと考えてみたんですが…残念ながらメリットしかありません(笑)。ここまで話してきたことは現時点で考え得る、ほんの一例と思ってください。発想力次第ではまだまだ使い方は広がっていきますよ」

シンカー以外にもジグヘッドにブレードを装着することができる。発想次第で使い方は無限大だ。

山岡計文さんが満を持して送り出す画期的リグパーツ『グライドハンガー』(リューギ)は今夏までにリリースを予定している。

【スペック】

  • ラインナップ:S M L
  • 入数:未定
  • 定価:未定