サーフのフラットフィッシュゲーム。人気の釣りですが、ターゲットはなかなかの難敵です。この喰い渋るヒラメやマゴチが攻略できるジグヘッド、フィネスヘッドがジャクソンからリリースされます! 数多あるサーフ用ジグヘッドと、このフィネスヘッドは何が違うの!? 特徴は!? 開発者でもあり、アングラーとしても大活躍の、ジャクソンの井熊さんに根堀葉掘り聞いちゃいました!
【Profile】
井熊亮(いくま・りょう)
大阪府出身。静岡県在住。関西ではシーバスに熱中し、静岡移住後はサーフの釣りにどっぷり。YouTubeチャンネル『釣りジャック』で駿河の黒豹の愛称で活躍中。ジャクソンのソルトプロスタッフを務め、同社の製品開発にも携わるソルトショアキャスティングゲームのエキスパートアングラー。
サーフフィネスが手軽に楽しめるジグヘッドを開発
井熊さんはサーフプロと呼ばれるほどの腕を持つサーフフィッシングのエキスパート。その井熊さんがフィネスヘッドを作ろうと思ったきっかけは?
井熊「近年、サーフのフラットフィッシュゲームが人気で一般的なプラグやメタルジグを喰わない魚が増えています。そういう魚を攻略するのに有効なのがワームなんです」
フィネスヘッド
【スペック】
- サイズ:10g 12g 14g
- フック:#8
- 価格:2個入り880円(税込)※22年春以降発売予定
ハードルアーを見切るヒラメやマゴチにワームというのは常套手段ですよね?
井熊「ところが今は、ワームを投げれば喰ってくれるほど甘くないこともある。喰い渋るほど軽くて小さいものが効く傾向があります。それがここ数年で注目が高まっているサーフフィネスの釣りです」
サーフフィネスでジグヘッドを使うんですね?
井熊「今まではバレットヘッドタイプの10g前後のジグヘッドを改良してやっていました。でも完璧ではなかった。もっと手軽に使えて釣れるジグヘッドが欲しいと思い作ったのがフィネスヘッドです」
サーフフィネスに完全対応のジグヘッド。トリプルフックを装備し、いかにもフッキングが良さそうですね!?
井熊「それだけじゃありません。飛距離も操作性もサーフフィネスを追求したジグヘッドです」
ハリ先ビンビンで喰った魚は逃さない! サーフの味方、Zシステムに対応!
フィネスヘッドでまず目を引くのがフックシステムです。
井熊「これは遠州サーフのエキスパート、サーフゾンビのシンジさんが考案したZシステムです。フッキングが良く、トリプルクレンに装着したトリプルフックは自由度が高いからバラシが減ります。さらZシステムはフックがすべてルアーの上部にきます。サーフではプラグなどボディ下にフックが付くルアーはハリ先が砂底に擦れて甘くなりやすい。Zシステムはそれがない。実は、これが一番のメリットです」
なるほど。フィネスヘッドはZシステムのリグが標準装備。これは便利ですね!
井熊「はい。しかもフィネスヘッドはヘッド下部にもアイがあって、中層を釣るときはトリプルフックを下に装着できます。下部アイセッティングでシーバスも視野に入れたジグヘッドになっています」
【中層より上を探る場合】
トリプルフックのスナップを上部アイにセットし、フック側のスプリットリングにジグヘッドのフックを通せばZシステムが完成。ボトム付近を根がかりを避けて探ることができ、フッキング率アップとバラシ率ダウンが狙える。
【ボトム付近や根回りを探る場合】
表・中層など根がかりの心配のないレンジを探るときはヘッド下部のアイに装着。プラグを喰わないシーバスにただ巻きやドリフトでフィネスなアプローチができる。
独自のヘッド形状による素早い底切れと、水平姿勢でスレた魚が誘える!
飛距離や操作感の向上するためには、どんな工夫が凝らされているんですか?
井熊「飛距離に関してはアイの位置を変えたものを何パターンも作ってテストし、1番飛ぶ位置を探りました。開発段階でサーフゾンビのシンジさんにも試してもらったんですが一言めが『これ飛びますね!』でした(笑)」
一般的な同重量のジグヘッドより飛ぶんですか?
井熊「私が投げる感覚でいうと間違いなく飛びます。まぁ、これはタックルセッティングにもよりますが。あとヘッド形状も独特で正面から見ると三角形で、ヘッド前方下部に凹みを設けています」
【ヘッド形状解説】
巻くとヘッド前方下部の凹みが水を噛み、素早い底切り、水平姿勢のキープ、明確な操作感を実現。正面から見ると三角形のような形状は、水を受けたときに上がろうとする力を抜き、レンジキープ性能を高めています。
その狙いは?
井熊「着底後の巻き出しでの底切りの早さ。水平姿勢でのレンジキープ性能。凹みが水を噛むことによる操作感と水中の情報感知能力の高さですね。サーフフィネスビギナーの方に使っていただいても、ただ水抜けるだけのジグヘッドのようにノー感じということがなく、潮の流れも感じやすいです」
独自のヘッド形状が釣れる要素を生み出しているということですね。
フィネスヘッドを使えばサーフで繊細な喰わせの釣りができる!
フィネスヘッドにマッチするワームと使い方も教えていただきましょう。
井熊「私はボーンベイト3.5inをメインに使います。ベイトフィッシュが大きめのときは4.5in。好きなワームが使えて、よりフィネスに釣りたいときはピンテールタイプのワームもありです」
ではフィネスヘッドの使い方は?
井熊「一番簡単なのは底をとって巻いて再着底を繰り返すストップ&ゴーですが、より釣れるパターンがあります。着底後、リールをゆっくり4、5巻きして浮かせます。ここでフィネスヘッドの底切りの早さがいきてきます。巻いた後にストップ。ラインテンションを保ってカーブフォールさせますが、今度は着底させずにまたゆっくり4、5巻きを繰り返します。これがサーフフィネスの基本的な動かし方です」
繊細な操作ですね?
井熊「慣れもありますが、フィネスヘッドは水を噛みやすいので一般的なバレットタイプのジグヘッドより水中のルアーの状態がつかみやすいです。応用として4、5巻き後、ロッドティップをチョンッと上げて一瞬速い動きを入れて誘うのも有効。ロッドティップによる誘いとカーブフォールで止めずに巻き続けることもあります」
巻きながらロッドアクションとフォール。そうするとリグの軌道は?
井熊「水平姿勢で一定レンジを保って、ロッドティップをチョンッと上げた瞬間レンジが上がる。同時にワームのアクションにも変化が付いて、ティップを戻すと元のレンジに戻るイメージですね」
弱々しい小魚のようなワームがフィッシュイーター好みの水平姿勢で泳ぎ、そこに喰うきっかけを与えるアクセント的なアクション! 喰い渋るヒラメ、マゴチもたまらんわけですね。
サーフでフィネスヘッドを活躍させるにはタックルセッティングも重要
サーフの釣りでは軽量な10g強のジグヘッド。タックルもライトなセッティングが必要になりますね?
井熊「僕は初めての釣り場ではフィネスヘッド12gを基準に使います。ロッドは9ft6inのLクラス。PEラインは0.6号。ラインが細いほうが飛距離も出るし、フィネスな釣りがしやすい。12gで反応がないときは10gに替えてよりふわっと漂うように引いたり、ジワーッと沈めたいケースもありますからね」
【使用タックル解説】
井熊「ロッドのサーフトライブSTSLS-9062L+は30gまでの幅広いルアーが使えるスーパーライトショアジギングロッドで、サーフフィネスの釣りにも対応します」
井熊さんのタックルセッティングを参考にサーフフィネスを楽しみましょう!
タックルデータ
- ロッド:サーフトライブSTSLS-9062L+(ジャクソン)
- リール:ヴァンキッシュ4000XG(シマノ)
- ライン:マックスパワーPE X8 0.6号
- リーダー:シーバスショックリーダーフロロカーボン12lb(以上バリバス )
いかにもフィネスな戦略です! では14gはより飛距離がほしいときに?
井熊「それもあるし、横風や流れが強いときに使います。飛ぶし、操作感が得やすいのでサーフフィネス初心者の方には14gをおすすめします」
サーフゲームは投げているだけで楽しい! でも釣果もほしい……が本音の釣り人の皆さん、フィネスヘッドがリリースされた暁には、サーフフィネスにトライしてみてはいかがでしょうか? 今春以降発売予定ですよ!
フィネスヘッドが登場するムービーはこちら!
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