ジャッカルの中の人でありながら各種メディアでも活躍中の、ぶんちゃんこと石川文菜さんが、毎回様々なソルトルアーフィッシングに挑戦する企画『目指せ! フィッシングクイーン』第7回。テーマは、大阪湾でのアジングです。この、手練たちがしのぎを削るアジング激戦区で、果たしてぶんちゃんは見事アジをゲットできるのか!?
【Profile】
石川文菜(いしかわ・あやな)
第5代アングラーズアイドルであり、現在は、釣具メーカーのジャッカルの社員として、商品開発やプロモーション活動で忙しく働いている人物です。当企画を通じて、様々な釣りに挑戦し経験値を爆上げ中! みんなからは、ぶんちゃんと呼ばれている。
【Profile】
石川仁希(いしかわ・ひとき)
大阪湾をホームとして活躍中。昨年、ジャッカルのスタッフとして採用されたばかりの、フレッシュな若手アングラーさん。メインはアジングなんですが、チヌゲームにも精通。ぶんちゃんと名字は同じですが、これは単なる偶然。愛称はひとまめ。
超メジャーな釣り場で腕試し! 狙うは深場の大型アジ! 本番前に先生が概要を解説
ぶんちゃんが、フィッシングクィーンを目指して、キャラの濃ゆ〜いジャッカルテスター陣からソルトルアーフィッシングのレクチャーを受ける当企画。アジングは2回目となるんですが…。
ぶんちゃん「前回は、魚影の濃い大分だったんで、かなりいい思いをさせてもらいました。でも、今回はアジングの猛者が集う大阪湾…。ひとまめ先生、一気にハードル上げすぎじゃないですか!?」
実釣フィールド紹介
南港魚つり園護岸
- 入場料:無料
- 駐車場:有料
- 開園時間:4〜11月(5;00〜19:00)、12〜3月(7:00〜17:00)
- 定休日:毎週水曜日
- 所在地:大阪市住之江区南港南6丁目9番3号
- 電話:06-6612-2020
- その他:釣り具のレンタルや軽食、売店なども完備。
ひとまめ「ぶんちゃん、大丈夫ですよ! 前日にちゃんとプラをしてますから! しかも、アジの釣果出てますから! ホラッ!」
そう言って、前日のプラのときの釣果を撮影した写真をスマホで見せてくれるひとまめ先生。そこには、確かにコンディションの良いアジの魚体が写っています! さすが先生、この日のためにプラまでしてくれるなんて!
ぶんちゃん「え、待って、このアジでか! こんな太いのが釣れるの!? 逆にプレッシャー…」
ひとまめ「昨日は、夕マヅメから2時間ほどでコンスタントに釣れたんで、今日も恐らく同じパターンでいけると思いますよ!」
夜の本番の前に、先生によるレクチャー開始! 本日のサイズ目標は25cm超えに決定!
猜疑心の塊状態のぶんちゃんを優しく励ます、優しいひとまめ先生。さて、アジングの本番は日没後。まだ夕方なので、前日のパターンを踏まえた、先生によるブリーフィングがスタート。
ぶんちゃん「昨日のプラは、釣り方はどんな感じだったの?」
ひとまめ先生「釣れたのはボトムですね。1gのジグ単をしっかりとボトムまで落とし込んで、良型のアジを狙い撃ちします」
表層から中層はスルー! ボトムの大型アジに狙いを絞る戦略!
豆アジなどが表層から中層に群れている夏シーズンは、釣りやすいけどサイズは伸びにくい傾向にあります。水温が下がり始める秋から冬にかけては、中層から下がアジングのメイン攻略レンジとなる場合が多いです。軽量リグをいちいち底まで沈めないといけないので、手返し(効率)は悪くなるものの、良型アジのヒット率が上がるという側面があります。今回は、まさに後者のボトムパターンを中心に展開します。
ぶんちゃん「またそうやって簡単に言う〜。 ちなみに、水深はどれくらい? 潮流もあるよね? こんな軽いジグヘッドをボトムまで落とし込んで操作するんでしょ? いきなり難易度マックス…!」
使用リグ紹介
ひとまめ先生「私も開発にたずさわった、ペケリングタイドMAX2.7in浅溝リブとスリムなボディが特徴です。今回のように深いレンジをキープするような釣り方に最適です。あと、潮流が速い場所でも扱いやすいですね。サイズは2.2と2.7inがあるので、アジの反応を見ながら使い分けていきます」
ひとまめ先生「1gのジグヘッドだと、大体50カウントで着底します」
ぶんちゃん「50カウント! 結構深いんだね」
ひとまめ先生「今の時期のアジは、深場にいることが多いんで、特に大型のアジを狙おうと思うと、ちゃんと底を取ることが重要ですね」
大阪湾アジング 実績カラー
変化に乏しい釣り場でポイントを選ぶ場合のヒント
ぶんちゃん「あとさ、こういう長い堤防って変化があんまりないじゃん? なんでココがいいってわかるの? どうやって選んでるの?」
ひとまめ先生「後ろを見てください、常夜灯がありますよね。わかりやすい目印だとまず、コレです。あとは、潮流が当たりやすい場所やボトムの地形が変化している場所などでやると、釣果が上がりやすいと思っています」
ぶんちゃん「なるほど! 流れや地形変化は、実際にやってみないとわからない部分だよね?」
ひとまめ先生「そうですね。今回は、前日にチェックしているんで、いきなりこの場所に入っていますが、普段はまず状況の把握からスタートしますね」
わかりやすい解説に、ぶんちゃんも思わず納得。そんな解説を聞いていると、そろそろ日没のタイミングです。大阪湾アジング実釣の本番スタートですね!
ひとまめ先生「ただ、ちょっと気になることが…。実は今日、満月なんですよね」
ぶんちゃん「えっ…?」
日没直後から、ひとまめ先生アジ連発! アセるぶんちゃん!
ひとまめ先生「先程言った通り、狙いのアジはボトム付近にいます。ジグヘッドリグを50カウントで着底させたら、ボトムから15cmほどのレンジをキープして引いてくるイメージです。このとき、ワームが浮き上がるとアジの喰いが悪くなるので、なるべく一定レンジを保つことが重要です」
ぶんちゃん「ボトムから15cm! シビア…」
ひとまめ先生「飽くまでもイメージですけどね。このとき、リールでワームを操作するとレンジを外しやすいので、ロッドをゆっくりと立てて引いてくると、レンジを外しにくいですよ」
ぶんちゃん「じゃあ、リールはラインスラックを巻き取るだけ? それ以上巻いてしまうと、ワームは浮き上がってくるってこと?」
ひとまめ先生「まさに、そういうことです。このとき、ラインのテンションは張らず緩めずがベストです」
ぶんちゃん「前回の大分アジングよりも、かなりテクニカル! でも、マスターできればレベルアップですよね?」
ひとまめ先生「そうですね、かなりレベルアップになると思いますよ!」
リーリングではなく、ロッドでリグを操作することで浮き上がりを防ぐ!
夏場は比較的に上のレンジにいることが多いアジも、水温が下がってくるとボトムレンジに落ちる傾向にあります。これからの時期は、深場をいかに丁寧に攻略するかが釣果を伸ばす上で重要なポイントとなります。水平に構えたロッドをゆっくりと立てワームを操作すればレンジを外しにくく、ボトム付近に潜むでかアジのバイトを誘いやすいです。
太陽はとっくに水平線に吸い込まれ、気づくと常夜灯が点灯しました。そろそろ本番スタートのタイミングです!
ひとまめ先生「ただ、ちょっと心配が…」
ぶんちゃん「えっ、なになに? どうしたの、何が心配?」
ひとまめ先生「今日、満月なんですよ」
ぶんちゃん「え? 満月の何がダメなの?」
ひとまめ先生「満月だと月の光が明るいから、常夜灯が効きにくくなるんです。つまり、アジが散ってしまって効率が悪くなる可能性が…」
しかし、実はこの日は月食で、時合いとなる日没からしばらくは月明りを気にする必要がなかったんです。そのことに、誰一人気づかず満月の心配をしていました…。
ひとまめ先生「キタッ! あっ、コレ、でかいかも…! 30カウントぐらいで喰ってきましたよ!」
ぶんちゃん「えっ! いきなりアジ!? すごいよ、ひとまめ先生!」
危なげないファイトを繰り広げつつ、最後は豪快に抜き上げ!
ぶん先生「わっ、でかい! さすが先生! どんな感じだったの?」
ひとまめ先生「中層から少しずつ探るレンジを下げていってたんですけど、ちょうど、中層とボトムの間くらいでした。アタリはヌンッ!て感じでした」
ぶんちゃん「ヌンッて(笑)。いやぁ、それにしても立派なアジ。俄然、やる気がわいてきた!」
ひとまめ先生「アジいますよ!ぶんちゃんも釣れるはずなんで、 頑張りましょう!」
日没と同時に、潮流にも変化が! ジグヘッドのサイズ選びが重要なキーに!
ひとまめ先生から受けたレクチャー通り、カウントダウンでジグヘッドリグを着底させ、ロッド操作でゆっくりと引いてくる、という釣り方忠実に履行するぶんちゃん。しかし、次々と釣果を上げる先生を目の当たりにし、焦りが…。
ぶんちゃん「焦るとロッド操作が早くなってしまう! 落ち着け、落ち着け…」
操作が早くなると、当然ワームはボトムから離れてしまい、良型アジのヒットレンジを外れてしまう。
ひとまめ先生「流れで操作しづらいようならジグヘッドを1.2gか1.5gに替えてみて下さい。この潮流だと、1gでは底を取りにくいかも。今はもう、50カウントではボトム取れないです。70カウントですね」
ぶんちゃん「それ、早く言ってよ〜! 1.2gに替えます! 即替えます!」
潮が動き出したら、ジグヘッドの重さをUP!
潮流がある場所=アジが釣れる確率はUPします。ひとまめ先生の読み通り、潮が効き始めたこのポイント。ただ、1gのジグヘッドだとワームが流されてしまい、思うように底が取れなくなります(着底しにくい)。そこで、ジグヘッドの重さを1.2g、1.5gに上げていくとしっかりと底を取ることができるようになります。ただし、アジはフワフワと漂うワームに反応を示しやすいので、あまり重くしすぎると今度は喰いが悪くなります。ジグヘッドの重量UPは、ギリギリのところでとどめておくのが正解のようです。あと、ワームを替えてしまうと、フォールスピードに変化が生じるので、注意が必要です。
焦るぶんちゃんに待望のアタリが…!
アドバイスはすぐに取り入れるぶんちゃん。ジグヘッドのサイズを1.2gに変更し、さらにワームのサイズも、ひとまめ先生と同じ2.7inに変更します。
ぶんちゃん「よし、これでバッチリ!」
しかし、その後もぶんちゃんにはアタリがなく、我慢の展開が続きます…。
ひとまめ先生「暗くなってしばらくたつんで、そろそろチャンスですよ!」
ぶんちゃん「あっ、今なんかコツってきた!」
ひとまめ先生「それです、アジですよ!」
ぶんちゃん「今のアジ? あっ、またきた!」
ひとまめ先生「ぶんちゃん、アワせて!」
恐る恐るロッドをあおるぶんちゃん。すると…!
ぶんちゃん「のった、のった! アジきた〜! バレないで、お願い〜!」
ルアマガソルトのユーチューブチャンネルにアップされている、本連載の動画をご覧の方ならおわかりかと思いますが、ここ最近のぶんちゃんはバラしの多さに悩んでいて、見てる方も最後まで気が抜けないというスリリングな状況!
バラし病発症のきっかけとなった実釣はコチラ
ぶんちゃん「お願いだからバレないで…!」
水面にアジの姿が見えた! ロッドの反発を利用して、一気に引き抜くぶんちゃん! 魚体が柵を超えた瞬間フックアウトするが、間一髪で取り込み成功!
ぶんちゃん「やった〜! 今の、アタリがわかりましたよ! ちゃんと自分でアワせて釣れたよ!」
ひとまめ先生「すごい! 結構流れあって、ボトムとるのも難しいのに、ちゃんとアタリまで取れて、アワセも入れて、バッチリですよ!」
ぶんちゃん「いやん、まめちゃん、ホメ上手! 嬉しくなっちゃうよ〜」
しかし、釣れたことに興奮しすぎて、アジのサイズ計測をしないままリリースするという痛恨のミス!
目測ですが25cmは確実にあったと思われるのに、残念!
ぶんちゃん「し、しまった…。次はちゃんと測らないと」
潮流が一気に速くなり、難易度がさらにUP!
ひとまめ先生「潮がかなり速くなってきたんで、ジグヘッドを1.5gに替えました。これでやっと50カウントで着底です。あっ、またきましたよ! 今日は当たりの日ですね、昨日より全然釣果いいですもん!」
ぶんちゃん「めっちゃ釣るじゃん、まめちゃん! 私も1.5gに替えようかな」
釣れている人のマネをするのは、釣果を出すための鉄則。この企画を通して、釣り人としてのたくましさも備えたぶんちゃん。すると、その効果はすぐに出でました。
ぶんちゃん「1.5gで50カウントね。1、2,3、4……………あっ、キタ!」
ひとまめ先生「きました? すごいな、すぐ結果出しますね!」
2尾目は少し余裕が出てきて、落ち着いて取り込み成功!
ひとまめ先生「あっ、これ大きいですよ! すぐに計ってみましょう!」
計測してみると、何と全長27cm! 今日イチのサイズです!
ぶんちゃん「やった〜! 目標クリア〜! よっしゃ〜! 帰れる〜!」
えっ、そんなに帰りたかったんですか!?
ひとまめ先生「いやぁ、僕も肩の荷がおりましたよ。釣れなかったらどうしようって思ってたんですが、こんないいサイズ釣れてよかったです!」
ぶんちゃん「ここまで結果出せれば、アジングは修得でいいですよね?」
そ、それはちょっと拙速なのではないでしょうか…?
使用タックルデータ
ひとまめ先生
- ロッド:アジングロッド6ft3in
- リール:ルビアス エアリティFCLT1000S-P
- ライン:エステルライン0.3号
- リーダー:フロロカーボン0.8号
ぶんちゃん
- ロッド:BRS-S64UL-LG(ジャッカル)
- リール:ストラディックC2000S
- ライン:エステルライン0.3号
- リーダー:フロロカーボン4lb
『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報
『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』
今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!
このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。
『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。
- 発売日:2023年3月21日
- 定価:1,500円(税込)
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