海釣りの定番ターゲットであり、季節問わず身近な漁港などでも簡単に釣れる「カサゴ」。愛嬌のある見た目とは裏腹に、その食味の良さから「癒やしの魚」として初心者からベテランまで多くの釣り人に愛される魚種である。今回はそんなカサゴをターゲットに絞った、DAIWAのお手軽ルアーをインプレッション!! カサゴと同じく癒やしのルアーかと思っていたら、想像以上の「ポテンシャル」に編集部驚愕でした…。
夏の伊豆のロックフィッシュが待ち遠しい編集部・大木
【Profile】
ルアマガプラス編集部・大木
元大型釣具量販店の店員という経歴を持つルアマガプラス編集部員。バスソルト問わず、幅広く釣りを楽しむことをモットーとする。得意な釣りはシーバスで、時間があれば地元湘南河川でロッドを振るう。特技はモノマネ。毎年夏は伊豆のロックフイッシュゲームが恒例行事となっており、シーズン前はそわそわして仕事中にも関わらず、ネットでワームやシンカーを買いまくる34歳。
カサゴ倶楽部 イカ頭巾/ミミイカ頭巾(DAIWA)
初心者でも簡単に使えて、誰でも気軽にルアーフィッシングを楽しめるアイテムとしてリリースされたのがDAIWAの簡単・お手軽堤防シリーズである「カサゴ倶楽部」。その名の通り、日本全国各地に生息し、身近な漁港などでも簡単に釣れる「カサゴ」をメインターゲットとしたルアーで、現在5種類のワームがリリースされている。その中に、カサゴルアーとしては珍しい「子イカ」をモチーフとしたルアーが『イカ頭巾、ミミイカ頭巾』になります。
【イカ頭巾 スペック】
- サイズ:2.0in
- カラー:8色
- 入数:3
- メーカー希望本体価格:600円
【ミミイカ頭巾 スペック】
- サイズ:1.5in
- カラー:8色
- 入数:4
- メーカー希望本体価格:650円
イカをモチーフにしてるけれど、これは「チューブワーム」じゃないか!
先に述べたように、現在カサゴ倶楽部からは5種類のワームがリリースされていますが、イカ頭巾、ミミイカ頭巾は他のワームと違い、エラストマー素材と発泡剤を組み合わせてつくった、中空の「チューブワーム」となります。
チューブワームはかつてバスフィッシング最盛期の90年代には、定番とされていたワーム。しかし、新たなワームが続々と登場し、アメリカや一部の定番品を除き、その存在は影を潜める形となりました。
近年では、日本全国各地のバスフィールドにおけるハイプレッシャー化が急速に進み、再度その存在が注目を浴びつつあります。新たにマテリアルが変更されたり、形状が変わったりと各社から鋭意工夫されたモデルがリリースされています。
DAIWAからもラトルが埋め込まれたチューブに、ホッグ系ワームが融合された『ラトリンチューブホッグ』が発売されています。
そんなチューブワームの威力は、果たしてソルトでも通用するのか。今回小学生以来、久しぶりにチューブワームを使う大木は、ここ最近のインプレの中でも一番ワクワクしていました(笑)。
インプレの前にセットアップ方法を要確認!
チューブワームを使ったことがある人はセッティング方法をご存知かと思いますが、ジグヘッドをワームに被せてセットするのがチューブワーム。
DAIWAの製品HPでも動画のセットアップ法を解説しているので、分からなければ釣行前に事前にチェックしておきましょう。
セットアップの際に1点注意して頂きたいのが、ジグヘッドの鉤の形状。特に1.5inのミミイカ頭巾は、小さいのでジグヘッドのサイズも限られてきます。その中でもアジング用のショートシャンク系のジグヘッドをセットしようとすると、シャンクが短いので、フックポイントが出きらずバランスが悪くなってしまいます。
よって、1.5inのミミイカ頭巾を使う際は、小さいジグヘッドでもノーマル以上のシャンクの長さのジグヘッドを用意しましょう。
ちなみに月下美人SWライトジグヘッド SSの2.0g#10をセットしてみたらすごくカワイイマスコットのようなセッティングになりました(笑)。
2.0inの方はジグヘッドだけでなく、別売りのブラクリとの組み合わせも◎。今回大木はDAIWAの「穴釣り専科 アナヅリ-SS」と組み合わせてみましたが、ベストマッチでした!(2~3号くらいがちょうど良さそうです)
いざインプレ! イカ頭巾達の可能性は計り知れない!?
今回実釣インプレは、東京湾のボートカサゴ&メバル便で検証。当日は風が強く、カサゴの絶対的なレンジである「ボトム」が1.5inサイズのジグヘッドタックルだと中々やりづらい状況でした。
なので、ストラクチャーの壁際をチューブワームの18番「スパイラルフォール」で撃っていく形に。風に苦戦しながらも釣りをしていると、しばらくして良型のメバルがヒット! 当日最大の25cmがまさかのファーストヒットでした。ミミイカ頭巾恐るべし!
水深が少し浅くなったポイントでは、同行した編集部・フクシゲがリフト&フォールでカサゴを連発!
フクシゲ「ストラクチャーの壁沿いに撃ってスパイラルフォール、そのあとボトム付近をゆっくりとリフト&フォールさせたらかなり反応がありました!このメソッドはおすすめですよ!!」
ちなみにフクシゲはジグヘッドを外付けで使用。イカ頭巾も同様、被せない外付けの使い方も全然ありなのです。
大木はその後強風で中々バイトをとれず、ようやくキャッチしたのはメバル。何故かこの日はカサゴが難しかったです(苦笑)。
そしてバイトが止んだタイミングで、大木はタックルを持ち替え、イカ頭巾2.0inのブラクリ仕掛けに。ブラクリはテトラなどの穴に落とすイメージを持たれがちですが、個人的には広範囲で使う釣りでもありだと思っています。
広範囲に探りながらボトムがゴツゴツする岩場の起伏を攻めると「ゴゴゴっ」と気持ち良いバイト。スラックを取り、思いっきりフッキングを決めると、良型のカサゴをゲット!
普段あまりできない、フルフッキングを決めるのがカサゴの楽しさのひとつでもある思っています(笑)
その後大木はイカ頭巾でずっと試したかったリグを投入。そう、バスから始まり、いまではロックフィッシュカテゴリーでも大定番となっている「フリーリグ」。
通常はホッグ系やグラブ系ワームが主流となるリグですが、イカ頭巾では果たしてどうか。
11gのフリーリグシンカーに、#4のオフセットフックをセットし、ブラクリで探った岩場のエリアを、シンカーをリフト→着底→ゆっくりフリーフォールを何度か繰り返すと、簡単に答えは返ってきました。
タフなシチュエーションでしたが、中空ボディ吸い込みの良さでしっかりと深いバイトを得ることができました。
インプレ当日は、カサゴのポイントは風が当たっていて、ボトムの底取りやスラックの回収が難しい状況に対し、メバルポイントは風裏になっていて爆釣という稀有なケースでしたw
その後、風が少し落ち着いたタイミングで最初のカサゴポイントに戻り、数本カサゴをキャッチ! フクシゲとダブルヒットも。
同行したフクシゲは特にミミイカ頭巾にハマったらしく、終始あらゆる可能性を模索していました。
ロックフィッシュ大好き編集部員も納得!「カサゴ倶楽部」の域を越えた今後の展開に期待!!
イカ頭巾×フリーリグは「最強」の組み合わせかも!?
今回インプレをしてみて思ったのは、イカ頭巾、ミミイカ頭巾ともに、初心者が手軽にカサゴを釣るためのルアーとしてリリースされていますが、使ってみると「あらゆる可能性」を感じられるルアーであるということでした。
例えばイカ頭巾に関しては、フリーリグの相性がかなり良いということ。
あくまで大木のイメージですが、イカ頭巾のフリーリグは、シンカーが先行して着底した後のワームのフォールが、中空の軽いボディでよりスローに落ちてくれる感覚でした。よって魚にアピールする時間をより長く見せられるのではないかと思いました。
かつアクションはスパイラルフォール。もしかしたらこのワームのアクションを最大限に活かせるリグなのかもしれません。
個人的にもロックフィッシュのフリーリグが大好きなので、夏の伊豆のアカハタにも是非使ってみたい! 例えば前日に雨が入り、水が濁って、真水が入ってタフになった状況でイカ頭巾のスローなフォールと点発光、そして中空ボディのバイトのしやすさはかなり効くのではないかと思います。
唯一懸念点があるとすれば、小さい番手での強いフックが欲しいところ。むしろ、3.5inや4inサイズをHRFシリーズでリリースして欲しいくらいです!
ミミイカ頭巾×外付けジグヘッドは新たな「I字系」の刺客か!?
フクシゲはミミイカ頭巾の外付けジグヘッドリグがかなり気に入ったようで、オカッパリのメバリングにも投入。
フクシゲ「通常のジグヘッドリグはヘッドの重さがあるので、それを意識してレンジコントロールをするようなある種ミドストに近いイメージですが、ミミイカ頭巾は中空ボディで浮力があり、エンペラーの部分がフィンとして安定させてくれるのかI字系ルアーのようなイメージで安定してスローに引けます。これはスレたメバルフィールドでもかなり効きそうです。
外付けのジグヘッドの形状と重さのバランスでベストセッティングを見つけられたらかなり武器になりそうですね! 見つけられたら来年ボートメバルのトーナメントに出ましょう(笑)」
ビギナーが気軽にロックフィッシュを楽しめるのが「カサゴ倶楽部」シリーズ。女性や子供が手軽に使えて釣れる理由が今回のインプレで実感できたのはもちろん、さらなる可能性を感じることができました。全国のロックフィッシュ、メバリングファンも是非一度はその実力を試して頂きたいです。
現在DAIWA公式Webサイトではオンラインフィッシングショーも開催中!
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