DAIWAが誇る2大バチ抜けシーバスルアー『モアザン スライ』&『モアザン キャロット72S』を徹底インプレッション!!【実はマイクロベイトパターンにもおすすめ!】



いよいよ東京湾のバチ抜けパターンも後半戦。ステージは河川から港湾部へと移り、バチの種類も小型バチへと変わることで使うルアーやシチュエーションも変化します。今回はそんな港湾部のバチパターンに特化したルアーであり、実は他のベイトパターンでも活躍する2つのモアザンルアーを、シーバス大好き編集部員・大木が紹介&インプレをさせていただきます!

今年こそ目標の90アップを虎視眈々と狙う編集部・大木

【Profile】

ルアマガプラス編集部・大木

元大型釣具量販店の店員という経歴を持つルアマガプラス編集部員。バスソルト問わず、幅広く釣りを楽しむことをモットーとする。得意な釣りはシーバスで、時間があれば地元湘南河川でロッドを振るう。特技はモノマネ。昨年は地元・湘南シーバスは不完全燃焼だったため、秋に通い込めるよう着々と準備を進めており「備えあれば患いなし」と言って散財し続ける34歳(苦笑)。

モアザンスライ95F(DAIWA)

東京湾奥のシーバスエキスパートであり、シーバス界を代表する人気アングラー・大野ゆうきさんが監修したリップレスフローティングミノー「モアザン スライ」。

主に春先のバチやハクといった、スモールベイトに偏食しているシーバスを攻略するためにつくられたルアーです。水面に浮いているベイトをイミテートするため、どんなリトリーブスピードでも潜りきらないよう、水は掴むけれど潜らない幅広い独自のショートリップを採用。

またこれまでにない、特徴的な窪みがあるボディ形状で、頭で起こした引き波を窪みで一度凹ませ、もう一度持ち上げ凹ませる、連続したV字の引き波を自発的に出すことができます。

そして細身のフローティングミノーでありながらもマグネット保持式重心移動システムを採用しているので、飛距離を出しながらも着水直後のルアーの立ち上がりも早く理想的な水平姿勢を実現。シーバス激戦区である東京湾をホームとする大野さんらしい細やかなセッティングが施されたサーフェスミノーとなります。

【スペック】

  • サイズ:95mm/110mm
  • 自重:6.8g(95F)/14.2g(110F)
  • カラー:16色(95F)/11色(110F)
  • 有効レンジ:水面~水面直下
  • アクション:V字波紋&超タイトウォブンロール
  • 標準装備フック:#8(95F)/#6(110F)
  • メーカー希望本体価格:1,350円/1,650円

2017年にオリジナルサイズの95Fがリリースされ、現在はオールシーズンに対応した110F、そして大型ベイト、ランカー対応の156mmサイズの「スライストロング」と3つのバリエーションで展開されています。

リリース以降、東京湾のシーバスアングラーはスライにお世話になった人はかなり多いはず。大木個人も発売直後にゲットしたのですが、バチパターンメインの釣りをあまりやらないのと、主にベイトタックルでシーバスゲームを楽しんでいるので、軽量が故、あまり使用する機会は多くないのですが、今回改めてその性能についてインプレッションしてみたいと思います。

サーフェスミノーの新たな可能性を導いた「革命的」ルアーであること。

シーバス用フローティングミノーにおいて、スライ以外にも表層に引き波をたてるルアーは多く存在します。ではそのようなルアーと何が違うかと問われたとき、スライは引き波の「質」が大きく違います。先述したようにボディがラクダのように凹凸しているため、引き波を2度出すことができるのです。

引き波系のバチルアーの大半は控えめなアクションですが、スライはアピール力が高く、目立たせることが可能となります。

またこの凹凸があることで、河川や運河などの流れがあるような場所では、放置をしておくだけでもボディがゆらぎ、漂うようなバチはもちろん、遊泳力の弱いハクなどのマイクロベイトを演出することができるのです。

さらに同クラスの軽量ミノーの中でも、圧倒的に立ち上がりが速く、すぐに水平姿勢になるので、着水直後からもバイトチャンスとなります。

基本は表層をゆっくり巻くだけで、ベストアクションを出すことができますが、リトリーブスピードを早めれば数cmレンジが入り、水面直下をトレースできるのでアプローチにも差もつけることができます。個人的にはこの数cmの差が絶妙で、このレンジ間の違いでも、シビアなバチやマイクロベイトパターンでは効果を発揮するのではないかと思っています。

スライを最大限に活かすためには!?

今回改めてスライ95Fを投げ倒して(釣れませんでしたが…泣)思ったのが、このルアーを活かすためにはアングラー側も最大限に配慮をしなければならないということです。

重心移動システムを搭載しているとはいえ、やはり軽量なルアーになってくるのでタックルはライトなLクラスを使いたいところ。3フック搭載のスライですが、おそらく春先のシーバスのバイトは弱いのでLクラスならしっかりフックアップするかと思います。

インプレ時にMLクラスのロッドでキャストしてみましたが、フッキングを良くしたり、飛距離を少しでも出したいのであればLクラスが良いです。

さらに軽量だからこそ、飛距離を出すという点はもちろん、ラインの重さや比重を意識して極力細くするべきである思いました。

大野さんが実釣動画で使用されているタックルは、LクラスのロッドにPEラインは0.6号、リーダーはフロロ12lb。まさにこのタックルがスライ95Fのベストバランス!

使うシーンにおいても、引き波系ルアーの中ではアピール力があるとはいえ、他のウェイク系ルアーと比べればアピールは低め。よって確実にベイトやシーバスがいるであろうエリアで使用するのは大前提です。

気配が薄いところや、あからさまに表層が荒れていてアピールが足らないときは、大野さんが実践する「マッチ・ザ・バイト」に沿って、他のルアーとローテーションして使い分けていくこともポイントです。

また、バチパターンやマイクロベイトパターンでの釣りをされないという方は、日本全国あらゆるシチュエーションで使える、サイズアップの110Fを使ってみるのもありでしょう。

画像上が110F、画像下がオリジナルサイズの95F

実際自身もオリジナルはベイトタックルだと「少し投げづらいな…」と思っていましたが、110Fなら余裕で投げられるし、河川でのバチパターン、イナッコやサッパなどのベイトフィッシュパターンにも使えるので、ボックスに常備しておき、表層がアツいタイミングで投入すれば、その効果を間違いなく実感出来るのではないかと思います。



モアザンキャロット72S

キャロット72Sはバチ抜け特化型のシンキングペンシルで、4月以降に多くなる港湾部や運河でのくるくるバチや引き波バチをイミテートしたルアーになっています。

【スペック】

  • サイズ:72mm
  • 自重:4.4g
  • カラー:8色
  • 標準装備フック:#10(リングは#2)
  • メーカー希望本体価格:1,400円

最も特徴的なのは頭部にある厚さ0.8mmのメタルヘッドのプレート。プレートは水の流れを掴みつつ、動きを抑える役割を果たし、4.6gと軽量なルアーですが、強風時でも水面から滑りにくくアクションを損ねない設定になっています。

有効レンジは水面直下~10cm程度、水面直下をリトリーブするとプレートのホーン(角)の部分から、バチ特有の細い引き波を演出。アクションはリトリーブスピードで動きを調整できるテールスイングアクション。小さく動きの早いバチはもちろん、アミやハク、しらすなどのベイトパターンにも使用できます。

先に紹介したモアザンスライ以前に、大野ゆうきさんが監修したバチ抜け攻略用ルアーとしてリリースされたのが「モアザンキャロット72S」。

スペックにも記載がある通り、4.4gとバチ抜け、いやシーバスルアーの中では最も軽量な部類に属すルアーです。正直、ベイトタックルを愛用している大木としては、存在は知っていたものの、購入には至らなかったルアーでした(すみません)。ですが、今回始めてインプレしてみて思ったのは想像以上に「使うシーンが多いのではないか」ということです。

バチ抜け専用だけじゃもったいない。マイクロベイトパターンの「救世主」になるかも!?

東京湾においては、既に大河川でのバチも終わりに近づき、4月以降は港湾部でのバチパターンが盛んになる、まさに今これからの時期に持っておいたほうが良いルアーこそが「キャロット72S」です。


DAIWAのYouTubeチャンネルで公開されている、大野さんによるバチパターンの攻略動画では、先に紹介したスライ95Fとキャロット72Sは中核をなすルアーとなっています。

実際に地元河川でも昼間に泳がせてみたところ、干潮間際で水量がない状態でも水面直下のレンジをしっかりキープしつつ泳がせることができました。また写真では撮ることはできませんでしたが、風の強いシチュエーションでもレンジキープ力は健在でした。

本来同クラスのシンキングペンシルであれば強風時はサイズを上げたり、ヘビーなモデルを使用しますが、キャロットであればメタルヘッドのプレートにより安定したトレースが可能。特にバチパターンはシビアなので、ルアーのボリュームを上げることなく使用できることは大きな強みかと思いました。

また大野さんも動画で話していましたが、キャロットは小型バチのみならず、アミやハク、シラスなどのマイクロベイトパターンにも対応可能。大木自身もバチ特化型のルアーかと勝手に認識していましたが、全国各地のマイクロベイトパターンでも十分に使える、いや場合によっては「救世主」にもなりえるルアーだと思いました。

武器にしたいのであれば、タックルは「ライト」なものを使用すべし!

小型のバチパターンのみならず、マイクロベイトパターンでも即戦力になるキャロットですが、使用するのであればどうしても克服すべき点があります。

それはズバリ「ルアーの軽さ」。やはり4.4gはLクラスでも投げられる範囲は近距離になってしまうので、快適に使用したいのであればスライと同じくPEは0.6号と細めのセッティングを。ただし、リーダーが細いとメタルプレートに絡まることもあるので、12lb以上をセットするのがおすすめです。

MLでも投げられましたが、やはりLクラス以下のロッドを使用したいです。

もしくは春のシーバスであるならば、ローテーションするルアーサイズも考慮したうえで、強めのプラッギング用メバルロッドなどを使用するのもアリです。ただし、ハクパターンなどでは河川に戻ってきたシーバスはランカーサイズもいるので、フックやリーダーなども含めタックルバランスはより考慮したいところです。

今回ご紹介したルアーはどちらも大野ゆうきさんが監修したルアーになりますが、決して単体のみの使用でバチパターンやマイクロベイトパターンを攻略できるものではありません。あくまで現場での状況を加味しながら「ローテーション」することでその真価を発揮するルアーたちです。

記事を読んで興味を持たれた方は、改めて大野さんの「マッチ・ザ・ベイト」理論のローテーションを意識して使用すれば必ず釣果はついてくるのではないかと思います。


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