最近、家でお魚を食べてますか? そういえば、家で魚を捌かなくなったなぁ。焼き魚でさえ食べなくなったかもしれない。魚はサクで買う。お寿司なら食べる。そんな話もよく聞くようになりました。『うちの子供、魚の生臭いのが苦手で、食べさせたいのに食べないのよ……」なんてお母様もいらっしゃるかもしれませんね。そこで今回は、魚の生臭さを簡単に抑えて、子供が魚を食べるようになる、魔法のような簡単調理法、お知らせします。
魚の生臭さの主な原因は、魚の血液だった!
日本人にとって魚食は文化。牛や豚のメニューがメインになりつつある昨今ではありますが、栄養のバランスや子供の健全な成長を願うなら、お魚を日々のメニューに加えたくなりますよね。
とはいっても、家事の主力たるお母様方も、今や外に出てお仕事をなさっているという方も多いかと思います。そうなると、足の早い魚は食材として使いにくくなり……。なおかつ、魚を捌くなんてめんどくさくて…。ゴミの分別もあるので処理した内臓をあまり生ゴミに置いときたくないし……。
だったら、魚を食べるなら、スーパーで手軽に売られているお刺身やお寿司、処理されたお魚でいいってなりますよね。
ところが! それを子供に食べさせたら『臭くて嫌だ』『魚嫌い』と、魚が持つ独特の生臭さに反応して、興味を示してくれないことも。子供って感覚器官が敏感なので、大人が感じる以上にそういった『臭さ』には反応してしまうものです。
うーん、なぜ魚って生臭いの? いろいろな理屈はあるのですが、簡単に言うと魚に残った血液が、魚臭さの主原因なんです。一部、血は風味だなんて文化もありますが、日が経てばそれは違うだろ? ってくらい血が原因で臭くなります。
スーパーに売られている、サク状のお魚や、お刺身、焼き魚、お寿司の多くは、その血が少し残っていて、子供にとっては『生臭さ』を感じてしまうわけです。
鮮度がよければ、それも少し緩和されますが、漁で獲る→港に入る→仲卸が買い付ける→処理される→スーパーに並ぶ。この時間経過が既に致命的。魚の血って、すぐに生臭さの原因として劣化していくので、どうしても魚の生臭さって防ぐのが難しくなります。
じゃ、その血を取り除いてしまえば、魚って生臭くなくなる?
はい。その通りです。実際に、獲ったり釣ったりした段階で、血抜きの処理をされた魚は状態が良く、料亭に並んだり、居酒屋にならんだりして重宝されていたりします。
でも、魚の血抜きって、獲ってすぐ、魚が生きているタイミングでしかできないって聞いたけど?
はい! いままではそうでした。よくご存知ですね!
ですが……スーパーで売られている死んだ状態の魚(言い方ちょっと変ですが)でも、血を抜く方法を開発した人がいるんです。その人の名前は津本光弘さんという宮崎県在住の魚屋さんなんですが、その技法があまりにも簡単で、革命的なので、一部の人にぶわーーーーっと広がりました。釣り人、料理人、漁師さんなどなど!
そんなどなたでも試せる津本さんの開発した魚の仕立て方を使えば、スーパーのイワシ、サンマ、アジ、カマス、キス、マダイ、サバetc! 劇的に美味しくなりますし、子供の嫌いな生臭さもぐーーーーーんと抑えられるのであります。
今回は、その津本さんの開発したテクニックを、簡単にご家庭で、魚の内臓を取り出して捌く前にやっちゃう方法をお知らせします。プロ向けのテクニックなんですが、とある器具を使うと、誰でも簡単にできちゃうんです。
ようやく本題に辿り着きました!
その簡単処理法とは? 魚の生臭さが薄れ、捨てる内臓も日持ちするので、処理しやすくなりますよ!
簡単5ステップで劇的に変わる、魚の血抜き方法って?
はい。まずは、内臓の入ったままの処理されていない魚を用意してください。スーパーで売られているお魚で構いません。可能であればより鮮度の高い魚を選んでくださいね。
そして! こういったノズルを用意してください。当社から専用のノズルが販売されています。え? 宣伝なの? いや、専用なのでめちゃくちゃ使いやすいですし専用である理由がありますが、こそっとお知らせします。100円均一にいけば代用できるアイテム売ってます。お手軽でしょ。なので、え、このやりかたすごいじゃん! と思ってくだされば、改めて買ってください。約束ですよ! もちろんこれで始めていただいても問題ありません! むしろそうしてください!
やりかたの解説は、当社のノズルですすめますが、ようは水を使うのであります。簡単に言うと真水を使って、魚に残っている血を『溶かす!』『流す』『外に出す!』のです。イメージは血管に水を送り込み、プウッと風船を膨らませる感じ。
やりかたはこちらから。
ステップは簡単、内臓処理を含めると3分。それを含めないなら1分もかからずに、魚がめっっちゃくちゃ美味しくなります。
- エラから背骨下の部分を包丁やナイフでスパッと切って穴を空ける。背骨に刃を当てて撫でるイメージ。
- 尻尾を切る(小さい魚なら切らなくてもいいけど、切るとよりいいよ!)
- 水を入れたノズルを1で開けた穴に突っ込み、水をぎゅっと流し込む。切った場所って血管と腎臓なんです。そこに水を流し込むイメージ。
- 魚の内臓を取る。特に背骨下の血合肉をしっかり掃除しましょう!
- できれば魚の頭を下にしてカゴやトレーなどに15分ほど魚を立て掛けてください。そうすると、ノズルで入れた水と一緒に血がより効果的に抜けていきます。最後のステップは意外に重要です。ちなみに記者はペットボトルを改造して、こんな感じで血抜きしていたりします。
以上の5ステップです。これでどうなるか。まず、ちゃんと成功していれば、魚の血生臭が随分と緩和されます。これで処理した魚を刺身や、特に焼き魚などで食べてみてください。ビックリすると思いますよ!(立て掛け入れたら20分くらいかかっちゃいますね)。
これは、この仕組みを理解するまで推奨はしませんが、この処理をしますと魚も随分と日持ちするようになります。消費の期限は自己責任になりますが、ステップ5のあとにキッチンペーパーなどで魚をくるみ、それを空気が入らないように脱気してサランラップなどで包みます。ジップロックなどに入れてもいいですよ。あとは冷蔵庫の温度変化の少ない場所で保存してみてください。
魚がぎりぎり凍らないくらいの温度で保存できるとベストです。凍っちゃうと、少し食味が落ちますので注意。
記者はアジならだいたい5日前後はそのまま寝かせてしまいます。魚を寝かせると、どうなるか。味が濃くなります。さらに美味しくなります。慣れてくると1週間、2週間と鮮魚状態を維持しながら保存する人もいらっしゃるくらいです。
ですが、保存に関しては繰り返しますがある程度の知識とちゃんとした処理が必要になりますので、自己責任になります。
とりあえずは、上の方法で血抜きをしてください。詳しい方法については、貼り付けてある動画や、画像、今回紹介しているアイテムの説明記事をごらんくださいませ。
あー。魚処理すると、手が魚臭くなるんだよねー。それが気になる方は、洗剤と一緒にこのステンレスのノズルで手を洗ってみてください。匂いがかなり和らぎますよ♪
ということで、津本光弘さんが開発した、魚のおいしさをひきあげ、生臭さを消す『津本式の血抜き』の最も簡単に体験できる方法をご紹介しました。魚を寝かせるのはハードルが高くても、これで処理して食べるだけで、あれ? ってなると思います。
ものぐさ記者も、魚の味のあまりの変わりように、最近は、この処理なくして魚を食べれなくなりました……ってぐらい強力です。ぜひ、魚にひと手間。これで劇的に変わります! 魚って美味しい!
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