社会問題化している釣り場のトラブル、漁業権ルールやマナーをご紹介



釣りに関するトラブルとして慢性的に問題になっているのが、心ない釣り人によるマナー違反およびルール違反行為。例えば漁港や防波堤、農業用ため池などの立入禁止エリアへの侵入、違法駐車、ゴミ投棄、漁具の破損、絡まった仕掛けやルアーの放置などなど……挙げればキリがないほど深刻です。これらが原因で釣り場が縮小しているという現実が、今ここにあるのです。

釣り場のルールを守ろう

釣りを含めた水辺のレジャーは誰もが平等に楽しめるものですが、自治体や漁協が定めたルールには必ず従ってください。立入禁止エリアには入らない、駐車禁止の場所にはクルマを止めないなどは、釣り人以前に人としての責任を問われる事柄です。

また、場所によって漁業権が設定されている場合があります。漁業権とは、指定のエリア内で対象となる魚介類の捕獲権利で、河川の場合、指定のエリアであれば「遊漁券」を購入することで釣りを楽しむことができます。海の場合、釣りを楽しむ「遊漁」の制限がある場合があるほか、主要な港湾施設への立ち入りを制限する「改正SOLAS条約」指定港であったり、私有地、釣りが禁止されている漁港など立入禁止エリアが幅広く設定されています。これらは必ず守りましょう。

釣りをしても良いという港湾部であっても、係留船や漁具などに向かって仕掛けを投げるのはやめましょう。漁網に刺さった釣り針が漁業者に深刻な怪我を負わせるという事例が頻発し、他の理由もありますが、こういった深刻な原因で釣り禁止となるエリアが急速に増えています。

海の漁業権は海上保安庁が提供しているWebマップ「CeisNet」で確認できますのでぜひチェックしてみてください。確認方法は「CeisNet」を開いたあと「水産」→「漁業権」→「保護水面」を選択でOKです。

そして、漁業対象の魚の中には釣れても持ち帰れない、~cm未満の魚は持ち帰れない、網を使って獲ってはならないなど漁法の指定も制限されている場合があります。いずれのルールも厳守しないと最悪の場合は罰せられることもあるので、十分に注意してください。

快適に釣りを楽しむためのマナー

さらに、釣り人同士のマナー問題が大きく膨れ上がり、それが『治安の悪化』と捉えられてしまう恐れもあります。横並びで釣りをする場合にはとなりの釣り人との感覚を十分に取り、仕掛けやルアーを投げる場合は真っ正面に投げるようにして、可能な限り仕掛け同志が絡んだり、釣り糸がクロスしたりすることを防ぐように細心の注意を払ってください。撒き餌などを使う場合は知らず知らずのうちに周辺が汚れてしまうこともあるので、帰る際には水くみバケツなどで水を流してキレイにしましょう。



ゴミは持ち帰ろう!

釣り場のゴミも非常に大きな問題です。放置されたゴミは美観的にも美しくないのはもちろんですが、プラスチック製の使い捨て弁当箱や釣り糸が海洋投棄された場合は『マイクロプラスチック』となり、魚をはじめとした海洋生物の体内に蓄積されて有害になる恐れもあります。また、釣り糸が海鳥の足やクチバシに絡んでしまい、それが原因で生命を落としてしまうこともあります。環境美化はもちろん、生命を守るという観点からも、自分が出したゴミは必ず家に持ち帰って処分するようにしましょう。

ゴミや釣り糸を回収するアイテムも

近年ではゴミや釣り糸を回収するのに便利なグッズも多数発売されています。こういったアイテムもぜひ活用してみてください。