身近な小さな池や小規模な水路にいる魚たち。タナゴやクチボソ(モツゴ)、小ブナ。小さい頃に少しやったことがある、という方もけっこう多いのではないでしょうか。簡単な釣りと侮るなかれ。大人になってから改めてやってみると、おそろしく繊細な仕掛けに絶妙な魚のアタリが出るとてもエキサイティングな釣りなんです。近所の水辺で遊べることもあり、安全性も高く、ぜひお子さんにも体験していただきたい釣り。身近な池や水路のタナゴ、クチボソ、小ブナの釣りをご紹介します。
小魚が釣れる場所はどこ?
釣りができる公園の池が狙い目!
都会であれば、池のある公園で釣りができる場所であれば、確実にクチボソは生息しているでしょう。同時に高確率でタナゴもいます。ただしタナゴは難易度が高いので、あまりみかけないかもしれません。都会近郊だと小ブナは生息域がかなり限定されるため、主なターゲットはクチボソとタナゴになるでしょう。
田んぼ脇の水路……こんなところにも魚はいます!
田畑が広がるエリアには、水を送るための水路(ホソとも呼びます)が必ずあります。大きな池や川に接続されていて、稲作の時期によって水量が増減しますが、釣れるようになる春先からだいたい釣りは可能です。大きめな水系と繋がっているホソであれば、クチボソやタナゴだけでなく小ブナも期待ができます。
小魚が溜まっているところは橋や土管の日陰
このような小魚たちの最大の天敵はカワウなどの水鳥です。深い池のような場所ではなく、ホソのような浅い場所の場合、魚たちは鳥から隠れられる場所に溜まっています。小さな橋や土管などがあり、周囲より土砂が溜まっていないちょっとした深場のようになっている場所がポイントになります。
釣り竿や仕掛けは大抵の釣り具屋さんで売っています
釣り場に近いお店がおすすめ
釣り道具に関しては近所の釣り具屋さん、大手量販釣り具ショップのいずれでも入手可能です。釣り場に近いお店であれば釣れる場所も教えてもらえるでしょう。
釣り竿はだいたいなんでもOK!
釣り竿は釣り場の水辺の近さによりますが、60cm~1.8m程度の長さがあればじゅうぶんで、リールを使わない「延べ竿」を使います。水面まで手が届くような釣り場でもなければ、長めの竿が良いでしょう。もっと長い竿でも、継竿であれば竿先を外して短くすれば流用することができます。難易度の高いタナゴを専門に狙うのでなければ、性能は特に問題にならないでしょう。
仕掛けはセットが売っています
仕掛けは「小ブナ釣り仕掛け」や「タナゴ仕掛け」といったオールインワンセットが売られているので、最初はそれらを選べばOKです。分からなければ販売スタッフに「小ブナやクチボソを釣りたいのですが、どんな道具を選べば良いですか?」と聴けば、予算内で見つくろってくれるはずです。クチボソやタナゴを釣る場合は小ブナよりも小さい針を使うので、針だけ別に購入するとよいでしょう。針は糸が輪っかになっていて簡単に取り外しや交換が可能です。
エサは専用エサかホットケーキミックスでもOK
エサは小ブナやクチボソを狙うのであれば「アカムシ」がよく釣れます。とても小さいですが虫エサですので、苦手な方はホットケーキミックスを卵の黄身で練った「黄身練り」を自作するのもおすすめです。どちらもとても安価で済みます。
タナゴを狙う場合のみ、とても口が小さい魚で、かつ粉エサに反応しづらいので、アカムシもホットケーキミックスも向いていません。やや固めの半熟卵の黄身を使うのがおすすめです。自作でも構いませんが、市販品であればセブンアイホールディングスの「半熟卵」がおすすめです。黄身が柔らかすぎる場合はドライヤーで温めて、釣り針に引っかかる程度に固めましょう。半熟卵は注射器状の専用ポンプに入れて使うのがおすすめです。
釣り方のコツは魚のいる水深を読む
この釣りはとても簡単なウキ釣りではありますが、なかなか釣れないときもあります。そんなときは魚が泳いでいる泳層の深さが仕掛けとマッチしていない可能性があります。ウキの位置を動かして狙う水深を調整してみましょう。
小魚釣りは対象魚が小さいだけに、その反応も非常に繊細です。小ブナは強めにウキが動き、クチボソもアグレッシブに食いつく様子がウキの動きでわかるはずです。タナゴは微かにツンツンするアタリとなります。ウキが動いたら竿を上げれば釣れます。
小さなウキがわずかに「……ピクピクッ」と動くアタリを捉えなければならないので、集中力がキーとなります。そして、それが釣りとしての面白さに拍車を掛けてくれます。魚を掛けてからも力任せに引っこ抜くのではなく、小気味良い引きを味わいながら魚とのやり取りを楽しむところに「粋」を感じる釣りです。
小魚釣りは観察しても面白い
釣り上げた後は虫カゴやアクリルケースのような透明な容器に水を張り、そこに魚を入れて泳ぐ姿を観察してみましょう。今まで見たことがない、小魚たちのミクロな世界を垣間見ることができるはずです。観察後は優しくリリースして、次の釣行のため、自然保護のためにも釣り場をキレイにして帰りましょう。
釣り場ではライフジャケットの着用を!
小魚釣りは比較的安全度の高い釣りではありますが、場所によっては深場もあったり、また、常に何が起こるかわからないというリスクが必ずあります。ライフジャケットは用意するようにしましょう。
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