世界一の大都市圏にある東京湾。日本の海運の要所は、豊富なターゲットで釣り人を誘惑する海でもある。その素晴らしさを肌身で感じているがボートゲームのプロガイドの面々だ。なにしろ東京湾の釣りを生業にするほどの熱きアングラーたちである。その1人、家田成大さんに実釣を交えながら東京湾のボートゲームの魅力を語ってもらった。
【Profile】
家田成大(いえだ・しげひろ)
神奈川県在住。東京湾のガイド歴17年のキャリアを持ち、3年前に横浜を拠点とするサニーフィッシングガイドサービスを開業。シーバスを筆頭にクロダイ、メバル、サワラなど東京湾の人気ターゲットを追う凄腕ガイドだ。ゲストに釣らせるわかりやすいレクチャーにも定評がある。
東京湾シーバスのすべてを知り尽くしたガイドさんに教えてもらえるからこそ
実釣取材のため出船後、家田さんが船を走らせたのは、埠頭から少し沖にあるストラクチャー周り。
家田「水深30m弱。基本的にはジギングで狙うようなところですね」
家田さんはメタルバイブレーションの『サルベージプレート115ES(シマノ)』の36gをセレクト。
家田「シーズン的には春になって魚の活性も徐々にあがってきている状況。中層に浮く魚をバイブレーション系で狙います。魚探にも中層の15m前後に魚の反応があって、時折10m付近にも浮いていますね」
何投かするとルアーを交換する。
家田「一見、下げ潮がすごく効いているようにみえるけど、15mまで落とすとそうでもない、36gだと沈みすぎてしまう。軽くします」
28gの『サルベージプレート115ES(シマノ)』に替えると答えがでるのは早かった。
家田「来ました。沈めてストラクチャーのほうに流し込むように巻いたら食いました。そんなに大きくはないですけど(笑)」
その後も同じ攻め方で50cm超のフッコクラスが釣れ、ルアーを27gの『サルベージソリッド85ES(シマノ)』に替えても釣れ続ける。完全にパターンにハマりましたね!
家田「ゲストの皆さんに釣って楽しんでいただくのが、私たちガイドの仕事ですからね(笑)」
そのためにはシーバスが多いところを見つけておくこと。魚がいて家田さんの腕があれば釣れて当然というわけだ。これなら入門者の方でも家田さんの手ほどきで釣果は堅いはず。
家田「ボートシーバスは、ルアー釣りの基本がたくさん詰まっている。そういう意味でも初心者の方こそ遊びに来てほしいですね」
魚が釣れれば上達のスピードも上がる。初心者の方がレベルアップしやすいのも東京湾ボートシーバスの大きな魅力です。
初心者の方こそボートシーバスに挑戦してほしい、その理由とは?
家田さんは「初心者の方ほどボートシーバスをやってほしい」という。
家田「ボートシーバスは、ストラクチャーをタイトに撃つ。オープンエリアで遠投する。ミノーを巻く。ジャークする。メタルジグを落とす。トップウォーターを操る。ワームをレンジキープして泳がせるなど、色々な攻め方をします。ルアー釣りの基本が詰まっているからレベルアップにつながる。ほかの釣りにも活かせます」
魚と出会う機会も多いからアタリをとる、かける、ファイトするの経験値も上げることができる。
ヒットパターンをいち早くつかみバイト量産、これぞガイドのなせる技
実釣のスタートは36gの『サルベージプレート115S(シマノ)』を使うが流れが予想以上に緩く、沈みすぎ。28gの『サルベージプレート115S(シマノ)』に替えると反応が変わった。
家田「流れに乗せてストラクチャーに流し込むように巻きます」
これでバイトを量産。パターンにハメた。ゲストを乗せていたら、同様のアドバイスで釣らせていたはずだ。
確立しているシーズナルパターン、高いゲーム性、狙って釣れるのもボートシーバスの魅力
実釣はバイブレーション系の釣り。風がなければオープンエリアでミノーの釣りを楽しむ予定だった。同じ時季でも色々な釣り方でアプローチできるんですね?
家田「さらに季節が進んで4、5月になれば日中に潮が大きく引きます。普段は出ないストラクチャーの横バーが露出して、いつもとは違うシチュエーションで穴撃ちが楽しめます。僕の考えでは、夜、バチを食べてる魚が日中はストラクチャーに付いて休んでいるんじゃないかと」
なるほど。合点がいきます。
家田「オープンエリアにもバチが流れて、それを食べている魚は日中にバイブレーションで釣れます。イワシが入ればオープンエリアの調子が良くなる。それが桜が咲く頃からですね」
年間通して狙えるということですが、夏はどうなんですか?
家田「水温が上がってプランクトンが一気に増えて、水質が悪くなってくるので、潮通しの良いところに喰わせやすいシーバスが溜まります。軽いメタルジグを落としたり、トップウォーターやワームなどちょっとマニアックな釣りが増えますね」
秋は最近の流行でいうとビッグベイトやビッグペンシル?
家田「ここ2年は、8月半ばからコノシロに付く魚がビッグベイトで釣れてます。コノシロが居なければイワシに付く魚をミノーやバイブレーションで探る。冬はジギングやストラクチャーをタイトに狙う。1年をざっくりいうとこんな感じです」
シーズナルパターンが解明されているから狙って獲れる。ゲーム性が高い釣りですね?
家田「これもシーバスガイドの先駆者の方々が東京湾を開拓してくれたから、今があるんだと思います。手軽でゲーム性が高い。本当に東京湾のボートシーバスは世界に誇れる釣りですよね」
そこに新たな釣り方や楽しみ方を提案し、さらに盛り上げてくれているのが現在活躍中のガイドの皆さんです。それにしてもシーバスという1魚種で季節ごとに釣りが変わり、狙って獲る楽しさもある。これも大きな魅力です。
家田「そう。僕のシーバスガイドは、今、旬の一番アツい釣りをやりましょう! という考え。そのほうが釣果も出るし、なにより面白い。シーバスに対して色々なアプローチをすることで、釣り人の技術も伸びますからね」
今、一番アツい釣りが楽しめる! これがボートシーバスの醍醐味
実釣時は天候が悪く、バイブレーション系の釣りに終始。風の影響でオープンエリアでのミノーの釣りが見られなかったのは残念だったが、季節に応じて展開される一番アツいボートシーバスゲームは、実際に家田さんの船に乗って確かめてほしい。
人気のビッグベイトゲームはコノシロの有無で決まる
近年、東京湾のボートシーバスで人気なのがビッグベイトの釣り。
家田「秋のコノシロに付くランカーが出ます。ただコノシロが居るか、居ないかで釣果の差が激しい。うちはビッグベイトより有効な釣りがあるときはそちらを優先。今はビッグベイトが一番釣れる! というタイミングで投げてもらいます」
家田さんがビッグベイトを操るときは『ディアルーナBS B63H』にリールは『エクスセンスDC SS HG』を搭載。ルアーは東京湾のコノシロパターンで実績のある『コノシロペンシル185F』(すべてシマノ)。
専用ロッドが釣りの精度を高める
ロッドは、小型艇の船上でも取り回しやすい7ft前後のボートシーバスロッドがベスト。操作性、感度の面でも精度が高まる。家田さんは『ディアルーナBSシリーズ』(シマノ)各種を状況に合わせて使い分ける。
最低限これだけは覚えておこう! ボートシーバスの基本
偏光グラスとキャップ、ライフジャケットはボートゲームの基本装備
ライフジャケットはもちろんのこと、偏光グラスとキャップなどの帽子類もボートゲームではマスト。水面やラインを見やすくするだけでなく、顔や頭周りのケガを防ぐ役割もある。家田さんかける偏光グラスは今春発売の『STL301(シマノ)』。偏光レンズで信頼度抜群のタレックス社とシマノのコラボモデルだ。
帰港まで安全第一がボートゲームの鉄則
ボートゲームで魚を釣るより大事なことは無事に出船地に戻ること。そのためには、まずキャプテンの指示に従う。各ガイド船にロッドの長さ制限などルールがあるので、乗船前に必ず確認しておこう。ルアーのフックはバーブレス、またはカエシを潰す。これも東京湾ボートゲームの常識だ。
家田さんガイド船「サニーフィッシングガイドサービス」へ!
手ぶら感覚で楽しめる!? 手軽さも東京湾のボートゲームならでは
家田さんが営むサニーフィッシングガイドサービスの最寄駅は京浜急行子安駅。東京駅から約45分。横浜駅からは10分弱。車でも東京から通常の交通量で約45分とアクセスは抜群だ。
家田「仕事が終わった後に気軽に遊んでいただくこともできます。タックル、ライジャケのレンタルもあるので、釣りの服装とちょっとしたルアーを用意するだけの手ぶら感覚でもOK。気軽にお越しください」
タックル未所有のボートゲーム入門者にとっても頼りになるガイド船だ。
項目 | 詳細情報 |
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名称 | サニーフィッシングガイドサービス |
集合場所 | 神奈川県横浜市神奈川区浦島町367 |
アクセス | 首都高速神奈川1号横羽線子安出口から約5分。 京浜急行子安駅から徒歩7分。 |
予約お問い合せ | 080-7399-1143 受付時間9時~21時 |
料金 | チャーター4時間1~2名32,000円、3名33,000円(1名追加毎11,000円追加) チャーター5時間1~2名38,000円、3名39,000円(1名追加毎13,000円追加) チャーター6時間1~3名45,000円(1名追加毎15,000円追加) チャーター8時間1~4名72,000円(1名追加毎18,000円追加) チャーター10時間1~4名80,000円(1名追加毎20,000円追加) |
家田さんガイドの実釣動画も要チェックです!
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