プロが実践! 外さない釣り場選びの法則! 10尾しかいない場所より1000尾いる場所へ! 重要チェックリストを公開!【渡邉長士の海釣り今日もいいチョーシ!】



渡邉さんの連載記事第4回。プロアングラーは、常に結果を求められるます。そんな、シビアな要求に応えるためには、入念な準備も重要です。そこで今回は、渡邉長士さんが実践する、ポイント選びのヒントを解説! かなりキモとなる部分を、惜しげもなく公開してくれています! みなさんの釣りにも、きっと参考になるはずですよ!

【Profile】

渡邉長士(わたなべ・たけし)

千葉県房総半島外房エリアの出身・在住で、幼少期から海釣りに親しむ。10代でルアーによるアジ釣りを始めた房総アジングのパイオニアだ。旬の獲物を追ってサオを振るマルチアングラーでもあり、近年はサーフアジングやオオニベにも傾倒する。

アジングで釣果を出すために一番重要なのは「ポイント選び」

ルアマガ+をご覧になっている皆さま。こんにちは。ダイワフィールドテスターの渡邉長士です。当連載は4回目になりますが、今回は釣りの基本であり釣果を分ける大きな要素になる「ポイント選び」について書きたいと思います。初場所への遠征や地元でのポイント選びで私が実際にしていることや心がけていることなので、ぜひ参考にしてみて下さい。

私はオカッパリのソルトルアー全般が好きですが、なかでもアジのルアーフィッシング「アジング」が大好き。「アジング」という言葉すらない時代から熱中し、今では当然のように専用アイテムがお店に並びますが、当時はもちろん専用品は無いためエリアトラウトのアイテムを流用して釣っていたものです。

そんなアジング歴の長い私が『アジングで釣果を出すために一番重要』だと思っているのがポイント選びです。どんな釣りでも魚がいなければ釣れないのは当然ですが、ことアジングに関しては群れがいるかどうかで釣りの難易度が大きく変わります。

アジが10尾しかいないエリアより、1000尾いるエリアで釣りをする!

魚影の濃いエリアやポイントであればアジングは比較的簡単な釣りと言えますが、魚影の薄いエリアだと一気に難しくなります。

例えば、ポイントに1,000尾いればタックルや釣り方が合っていなくても少しは釣れるかもしれませんが、10尾では攻め方、リグ、時間帯、キャストコースなど全てがシビアになり、難易度はグンと上がります。

上級者であれば状況にアジャストできるかもしれませんが、特にアジング入門者や初心者はアジが1,000尾いるようなポイントに行くことが釣果への近道です。

少し話がそれますが、釣り専門のメディアでプロが披露するような釣り方は「10尾のポイントでいかに釣るか」みたいなものが多いですが、入門者や初心者の方はメディアに載るような難易度の高い釣りを無理やりしなくても、アジの群れがいれば釣れます。

釣れないのはアジがいないことも多いので、まずはアジのいる場所に行くことが先決です。私としては、遠征もおススメの一つ。

とは言っても、そう簡単に遠征なんて行けないよ! なんて方も多いとは思いますが、確実にアジが居るポイントで経験を積んでいれば、釣り方はしっかり身についているわけなので、釣れない場合に「ここはアジが居ないんだ!」と、ポイントを見切ることが出来るようになります。

もし早く上達したいなら、多少無理をしてでもアジがいっぱい釣れる場所に積極的に足を運びましょう。

プライベートでも積極的に遠征し、腕を磨く!

では、どうやってアジを探すのか。まず私が遠征時に実践している方法を紹介します。

私は千葉県の外房がホームグラウンドですが、ロケなどで日本各地へ遠征し、仕事以外でも経験値を増やすためにプライベートで東北、北陸、四国、九州、離島などをまわりました。このような遠征でまずおこなうのが事前の下調べです。調べる項目は以下の通りです。

ポイント選びのチェックリスト

  • そもそもアジのいるエリアか
  • 釣れる時期かどうか
  • 当地の海水温
  • 釣り具店や釣果サイトなどの釣果情報

まず、そもそもアジの生息エリアかどうかと時期をチェックします。アジは本州のほぼ全てに生息しますが、その時期に「狙って釣れるレベル」かが重要です。これは海水温と直結する場合も多いので、海水温も調べておきます。

ちなみに、マアジの適水温は19~23℃で生存水温は10℃以上といわれています。つまり、10℃を下回るエリアや極端に水温の高いエリアは狙って釣れるレベルではなく、適水温に近ければアジが釣れる可能性は上がります。

エリアをもっと細かく調べるためには釣果情報をチェックします。例えば、同じ都府県でもどのエリアの情報が多いか、1回の釣行での釣果数はどれくらいかなどを調べます。同じ都府県でも意外と魚影の濃さが異なるところも多く、それは地元の千葉県も同じです。

オカッパリの場合、外房~南房は魚影が濃いですが、九十九里浜エリアや東京湾奥側だと魚影はあまり濃くありません。釣れる匹数も3尾なのか、30尾なのかで、ある程度魚影の濃さがわかります。

エリアが絞れたら、次は具体的なスポットを調査!

魚影の濃いエリアがわかったら、次に漁港や堤防など釣りをする具体的なポイントを調べます。ネットにポイントが載っていればわかりやすいですが、地方だと情報が少ないことも多いため、衛星画像で行動範囲となる全ての漁港をチェックし、釣れそうな漁港をピックアップします。

釣れそうな漁港とは、潮通しの良いエリアや地形にある漁港、適度な水深のある漁港、適度な規模の漁港など。例えば半島など岬状の先端付近にある漁港は恐らく潮通しが良いだろうし、適度な水深があれば回遊したアジが居着きやすく釣果ムラも少ないはず。

そして適度な規模ですが、これは好みにもなりますが個人的にはあまり大きくない漁港が好きです。大型港はポイントも多く、水深もあるため探る時間がかかりますが、小規模な漁港であれば堤防先端や、逆に奥まったカドなど、1〜2ヶ所を探るだけなので時間はかかりません。

そしてピックアップする漁港はエリアを分散させるのも大事です。離島であれば東西南北、半島であれば両サイドと先端といった感じにします。これは風や波対策で、当日の天候によってポイントを選べるようにするためです。

また、エリアを分散すれば「この漁港はダメだから隣の漁港」ではなく、釣れない漁港のエリアを捨てられることで全体像がいち早く見えるようになります。なかには釣り禁止となっている場所もあるので、リストアップする漁港を多めにすることで、次に行くポイントに困らないようにしています。

対馬遠征時に用意したポイントのプリントアウト

ちなみに、以前はスマホの電波が圏外でも大丈夫なように地図をプリントアウトし、漁港の場所を書き込んでいましたが、今はタブレットなどに地図をダウンロードして行きます。そうすれば、電波が圏外でも見られるので、便利です。



最後は、現地での情報収集力がモノを言う!

さて、ここからが現場での情報収集になります。釣り場に着いて釣り人がいたら声をかけるのですが、聞き方や得られた情報の判断が重要になります。

私のいつものパターンだと、「釣れますか?」から入り、釣れていれば魚種、数、サイズなど具体的に聞き、「いつもこれぐらいは釣れるんですか?」と続けます。これで「今日は釣れない方だよ」などと返ってくると、この方は常連さんなので信憑性も上がります。

また、地方での実体験ですが、ジグヘッドにスナップスイベルを2連結させ、ナイロン3号を直結で使っている人がいました。その方に釣果を聞いてみると、やはり「釣れません」との答え。同じ「釣れない」でも、上手い人か、そうでない人かによって意味が変わってくるのです。

このようなリグを使う人の「釣れない」はあてにならない。

具体的に数やサイズを聞くのも、人それぞれで感じ方が変わるためです。魚影の濃い地域では50尾釣れても「今日はダメだ」という人もいるし、釣りの経験が浅い人なら10尾でも「今日は釣れました!」となる場合があります。

アジ釣り以外の方にも「ここってアジは釣れますか?」とか「どこならアジが釣れますか?」などを聞くようにしています。このような会話を各地でしていくと、竿を出さなくてもアジの魚影が濃いエリアや現在アジが釣れている漁港を知ることができ、チェックする時間を大幅に削減することが可能です。

そうすれば良いポイントで釣りができる時間も長くなり、初場所の遠征でも高確率で釣果を出すことができます。

あらゆる情報を貪欲にかき集めることで、釣果につなげていく!

これまでは遠征でのポイント探しでしたが、地元でのアジの探し方もあります。まず、アジがいるかがひと目でわかるのが釣り人の有無。地元のおじさん達が並んで竿を出している所は高確率でアジがいます。地元の人は釣れなければすぐに帰ったり、そもそも竿を出すこともないため、地元の人が釣りをしていればチャンスです。

そのためにチェックするのが車のナンバー。いくら人が並んでいても他県ナンバーだけだと期待度は下がります。逆に自転車で来ているような人が何人もいれば激アツです。

ここでの注意点は釣れているからといって無理に割り込みしないこと。後から釣り場に入る時は「となりで投げていいですか?」と必ず一声かけます。まわりでルアーを投げられるが嫌な人もいるので、もしダメといわれたら素直に移動しましょう。

このような感じでポイントをチェックしながらランガンすれば激アツのポイントを探し出せるかもしれません。

好ポイントに人がいない時はアジもいないことが多い。

さらに、翌日もそのまま釣りをするのであれば、下見は夕マヅメ前がベストです。夕マヅメ前にアジを見つけられればマヅメのチャンスタイムを攻められ、場合によってはそのままナイトゲームにも突入できます。そして朝マヅメは早めにポイントに立てばアジのいる釣り座でマヅメを攻めることができます。

初めてのフィールドでは信頼できるワームを使う。それがデュアルビーム

アジのいる場所がわかればあとは釣るだけ。そんな時に一早く当日のパターンを探れるのが月下美人のデュアルビーム。

月下美人 デュアルビーム(DAIWA)

渡邉さんがパイロットルアーとして愛用するデュアルビーム。

ボディ中心部はハード素材で外側はソフト素材のため、張りのあるボディなのにテールはソフト。そのため、リトリーブやシェイキングでは食性に訴えるテールの艶めかしいナチュラルなアクションと、鋭いロッドワークではキレのあるダートでリアクションバイトを引き出すことも可能になります。

初めてのフィールドでもサーチベイトとして活躍してくれるデュアルビーム。

このように1つのリグで質の違う2通りの使い方ができるため、パイロットルアーとしても優秀です。また、ダート釣法は強いアクションを加えるためズレが発生しやすいですが、フックの通る中心部は高強度素材でズレにくいため快適に釣りを続けることができます。このズレにくさは大きなメリットで、連発するような状況ではその恩恵も絶大です。

ファーストバイトでフッキングしなくても、ズレにくいのでセカンドバイトも出やすくなり、ナイトゲームでは目を凝らしていちいち確認することも少なくなります。

耐久性も高く、先日も1本のデュアルビームで40尾ほどのアジと60cmアップのシーバスをキャッチしたもののほぼ無傷でした。これならコスパは最強ですが、長く使えるため売り上げが悪くなるのではと心配になるほどです。

シーバスがヒットしてもほとんど無傷のデュアルビーム。耐久性の高さは、釣りの効率もUPさせる。

ナチュラルとダートの両方を試し、ナチュラルなアクションに好反応を示すのであれば、潮噛みが良く浮遊感の出しやすいアジングビームにチェンジすればよりバイトを引き出せ、ダートが良ければそのままデュアルビームでOKです。

こんな感じで使い分ければ初場所や状況のわからない場所でも答えに早くたどり着けるので釣果アップに繋がるはず。ぜひ一度使ってみて下さい。

『ルアーマガジン・ソルト』2023年5月号 発売情報

『ルアーマガジン・ソルト 2023年5月号』

今号の特集企画は盛りだくさん!「春イカ」「アジング」「ロックフィッシュ&ロックショア」「シーバス」の4つのテーマを徹底詳細!

このほか、小沼正弥さんの代名詞でもあるレバーブレーキ理論をまとめた企画や、村田基さんが登場する「インショア」企画、さらに春は旅の季節ということで特別企画「極上の釣り旅」も紹介してきます。

『ルアーマガジン・ソルト2023年3月号』は全国の釣具店・書店・Web通販サイトでお求めいただけます。

  • 発売日:2023年3月21日
  • 定価:1,500円(税込)