夏の到来とともにバスアングラーを熱くさせるのがトップウォーターの釣り。今年投げるトップウォータープラグをあれこれ考え、楽しんでいることと思います。釣り人を楽しませてくれるトップウォータールアーの数も膨大。何を選んでいいか迷うことがあるかもしれないということで、定番となっているトップウォータープラグを集め、それぞれのジャンルに必要とされる要素を検証してみました。今回は「ポッパー」8種を検証です。
検証テーマ「ポッパー」
ポッパーの特徴
魚が大きく口を開けたような形状が特徴的なポッパー。典型的なトップウォータープラグとしては、トーナメントシーンでも使用されることがある実戦的な機能も持ち合わせるルアーです。近年でも比較的新作がリリースされているこのジャンル、定番となっているモデルのタイプは実は様々。本項ではそんなポッパーに関して検証しました。
検証タックル
- ロッド:Lクラスベイトロッド
- ライン:フロロカーボンライン12lb
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検証ルアーの一覧
ルアー名【ブランド】 | 画像 | 通販 | 長さ | 重さ |
---|---|---|---|---|
ジレンマポッパー 【イマカツ】 | Amazon | 60mm | 4g | |
スティーズポッパー60 【DAIWA】 | Amazon | 60mm | 7.6g | |
タフバグ65 【ノリーズ】 | 公式サイト | 65mm | 8.8gクラス | |
パルスコッド 【デプス】 | Amazon | 80mm | 16g | |
ボイルトリガー 【ジャッカル】 | Amazon | 77mm | 5g | |
ポップX 【メガバス】 | Amazon | 64mm | 1/4oz | |
ヤバイチュッパミニ 【ゲーリーインターナショナル】 | 楽天 | 52mm | 5.7g | |
ラウダー60 【O.S.P】 | Amazon | 60mm | 8.4g |
【検証】浮き姿勢
各ルアーに狙ったアクションや目的があるため、浮き姿勢や浮き具合は様々。泳ぎだしや動きに影響を与える要素なだけに、無視できない要素です。
【検証方法】水面に浮かばせた姿勢を観察
得意技によって異なる浮き姿勢が見受けられる
水平に近いモデルはパルスコッド、ボイルトリガー、スティーズポッパー、ジレンマポッパー。斜め浮きはヤバイチュッパミニ、ポップX、タフバグ、ラウダー。斜め浮きの角度は45度~90度近いものまで多少の幅が合ったものの、総じて喫水面が低くなっている傾向が見られました。
これらはドッグウォークが容易な一方、太めのフロロカンボンラインを使ってしまうと潜りやすくなってしまうことが懸念されます。一方、水平浮きのモデルは安定してカップに水を受けられるため、ポップ音やスプラッシュを発生させることを得意としているモデルに採用されていると考えられます。
【検証】スプラッシュ
ポップ音やチャガー音と同様に、ポッパーのカップだからこそ発せられる強力な武器がスプラッシュ。その効果は単なるアピールだけにとどまらず、水面を逃げ惑うベイトが発生する水しぶきをイミテートするとも言われています。大小の是非はともかくとして、ルアーごとに傾向があるのかを検証しました。
【検証方法】スプラッシュを発生させて、その広がりを観察
ラウダーのスプラッシュが強烈!
全体的な傾向としては、ルアーの前方へ縦長にスプラッシュを発生させている様子が観察されました。また、最も激しいスプラッシュを上げている印象だったポッパーはラウダーでした。
体感的にルアーの2m前方まで届いている水しぶきは、独自形状のカップだからこその効果であると考えられます。また、スティーズポッパーの水しぶきも遠方に届いている印象。
カップは大きいものの比較的浅く、フラットな形状をもつパルスコッドのみ、ルアーのすぐ前方へ大きい飛沫を発生させていました。
ポップXやジレンマポッパーのスプラッシュは控えめでしたが、エビが水面を逃げ惑う様子にも見えることから、そういったシチュエーションでの活躍が期待できるでしょう。
【検証】サウンド
水面に大きく干渉するエグレたカップ部分はポッパーの言わば心臓部。様々なロッドワークで水とぶつかることで水面を破裂させて音を発生させるのはポッパーの一般的な使い方です。その音は、大きれば当然遠くまで響くし、小さければバスに嫌がられにくいとも言えます。そこで本項では、一長一短であるポッパーから発せられるサウンドを計測し、考察しました。
【検証方法】騒音系アプリを用いて、約1m先で発生するポッパーの音を測定
小さいけどビッグサウンドの「ヤバイチュッパミニ」
アクションはショートジャークで音を出す『ポップ音』と、ロングストロークで音を出す『チャガー音』の2種類を計測。双方ともに全モデル中最大の数値を出したのは、今回扱うルアの中では最小クラスのポッパー・ヤバイチュッパミニ。
一方、最も音が小さかったのは同じく最小クラスのジレンマポッパーとなりました。その他のモデルではポップ音、チャガー音ともにルアーによる大きな違いは見られませんでした。
なお、ポッパー全体の音量のアベレージとしては、掃除機クラスのサウンドが発生していることがわかりました(笑)。
【検証】ドッグウォーク
サウンドやスプラッシュに注目がいきがちですが、首を振らせる機能も重視される多芸なトップウォータープラグ・ポッパー。各アイテムが、シェードの中やストラクチャーの際など、狙い所から可能な限りルアーを離れさせずに誘うための性能が追求されているはずという考察で検証してみました。
【検証方法】1mの間に何回首を振ることが出来るかをカウント
水平~やや斜め浮きが得意か
1mにおける首振り回数は、ヤバイチュッパミニが11回、スティーズポッパー及びタフバグが10回。ヤバイチュッパミニはサイズが小さい分、多く首を振れたとも考えられます。次点でパルスコッドが9回、水平からやや斜め浮きのモデルで首振りが得意と言えそうです。
アクションで印象的だったのはタフバグで、ドッグウォークというよりもテーブルターンに近いピンスポットアクションとなっていました。
また、ポップXは全モデル中最も首振り時のローリングアクションが大きいことがわかりました。
【総括】ポッパー
それぞれのポッパーが、具体的な用途を想定された上で作られていることを実感。使い手側も、使用したい場面を想像して選ぶのがベストと言えそう。なお、ポッパーの各アクションはタックルセッティングで出しやすさが大きく変わるため、そのあたりの吟味も重要になるでしょう。
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