夏の到来とともにバスアングラーを熱くさせるのがトップウォーターの釣り。今年投げるトップウォータープラグをあれこれ考え、楽しんでいることと思います。釣り人を楽しませてくれるトップウォータールアーの数も膨大。何を選んでいいか迷うことがあるかもしれないということで、定番となっているトップウォータープラグを集め、それぞれのジャンルに必要とされる要素を検証してみました。今回は「羽根モノ」ルアー9種を検証。
検証テーマ「羽根モノ」
羽根モノルアーの特徴
かつてはノイジーの1ジャンルとして、クレイジークローラー(ヘドン)を筆頭とした羽状のパーツが取り付けられたルアーがすっかり独立した現在。羽根モノやビッグクローラーベイトと呼ばれるトップォーターの1ジャンルにまでなっている印象のルアー。ブームの先駆けとなったダッジ(レイドジャパン)以降、このタイプのルアーの要件としては1ozクラス以上であることがあげられます。それ以外は自由度も非常に高いため、様々なメーカーが創意工夫を凝らしたルアーをリリースしていますが、明確な違いは果たしてあるのでしょうか……?
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検証タックル
- ロッド:XHクラスベイトロッド
- ライン:フロロカーボン18lb
検証ルアーの一覧
ルアー名【ブランド】 | 画像 | 通販 | 長さ | 重さ |
---|---|---|---|---|
RVクローラー 【ジャッカル】 | Amazon | 102mm | 31g | |
アイウィング135 【メガバス】 | Amazon | 135mm | 1.5/8oz | |
アベンタクローラーRS 【イマカツ】 | Amazon | 80mm | 25g | |
ウォッシャクローラー 【ノリーズ】 | 楽天 | 83mm | 30gクラス | |
NZクローラー 【デプス】 | Amazon | 134mm | 3ozクラス | |
ジョイクローラー178 【ガンクラフト】 | Amazon | 178mm | 2ozクラス | |
ダッジ 【レイドジャパン】 | Amazon | 114mm | 1ozクラス | |
バンクフラッター 【DAIWA】 | 楽天 | 115mm | 44.5g | |
レゼルブビッグ 【ディスタイル】 | Amazon | 130mm | 32g |
【検証】ひっくり返り率
スローで使用することが多いハネモノはその構造上、重心がボディ中心部に寄っているため、着水時に上下逆さまになってしまうことがあります。そのままではきちんとしたアクションが出にくいばかりか、ベリー部のフックが空中に出てしまうことでフッキングも期待できません。そのため、各ルアーはひっくり返りにくい構造や、万が一そうなってしまってもすぐに復旧出来るよう工夫を凝らしています。それでは実際のところ、どのくらいの割合で上下逆さまに着水してしまうのでしょうか。
【検証方法】10投してひっくり返った回数をカウント
数えてみると意外と小さいひっくり返り率
10投では9モデル中、4モデル(ジョイクローラー、RVクローラー、アイウィング、バンクフラッター)が1度も上下逆さまでの着水が見受けられませんでした。これらのアイテムはこのジャンル内では比較的後発のアイテムとなるためか、ひっくり返りという問題点にも取り組んだ結果であることが伺えます。
残りの5モデルのうち、2回以上ひっくりかえってしまったのはアベンタクローラーRSとレゼルブビッグが3回で最多。なお、どのモデルもたとえひっくり返ってしまっても、シェイクやショートトゥイッチで即座に復旧させることが可能で、ラインが羽やフックに絡まないようにキャストすることが気持ちよくハネモノを使うためには重要だと考えられます。
【検証】ハイスピードリトリーブ
ハネモノの使用方法はスロリトリーブが多く、構造もそこに対応したものとなっています。しかし、魚の活性やシチュエーション次第では速巻きでの使用が有効になる可能性も否定できません。そこでアクションが破綻しない、リトリーブスピードの限界値を検証しました。
【検証方法】】5mの距離をアクションが破綻せず、泳ぎ切れるスピードを計測
最速はジョイクローラー!
高速リトリーブへの対応は、非常に幅広い結果となりました。最速スピードはジョイクローラーで、およそ秒速1.6mのスピードでもしっかりとクロールアクションを披露。次点のアイウィングも秒速1.3m程度まで対応。バズベイトやクランクベイトを巻くようなスピードでも使用することができることになります。
一方、最速スピードが最も遅かったのは、およそ秒速60cmが限界スピードとなったアベンタクローラーRS。しかしあえて破綻させることで水面を大きく乱すことなく素早く回収できると考えると、利点になるとも言えるかもしれません。
【検証】スローリトリーブ
可能な限りゆっくりとリトリーブを行い、なおかつボディを左右に揺らし続ける……。水面下のバスに対して、いかに焦らし続けられるのかはハネモノで釣るための基本要件です。各社がしのぎを削り、創意工夫を凝らしたスローリトリーブ性能を比較しました。
【検証方法】ボディを左右に一定のテンポ揺らし続ける最も遅い速度でリトリーブして速さとアクションピッチを計測
最遅はRVクローラー&レゼルブビッグ!
注目の最遅スピードをマークしたのは、1mを7秒台かけて泳ぎ切るRVクローラーとレゼルブビッグ。RVクローラーは大型ボディによる高い浮力が、レゼルブビッグはジョイントボディによる抵抗感の少なさがスロースピードでもアクションさせるための要因になっていると考えられます。
ブームの先駆けとなったダッジも6秒代後半の記録で、高いスロースピード対応力を発揮。一方、ウォッシャクローラーは1mを3秒で泳がせるスピードで最遅となりました。このルアーに関して言えば、スローで使うというよりも、本来のクローラーベイト的に使用するのが適切であると考えられます。
ピッチ数ではレゼルブビッグとバンクフラッターが1mで13回アクションし、最も多いという結果になりました。
【総括】羽根モノ
今回の検証では、各種測定や観察が行いやすいよう、岸際を通す形で行いました。そのため、普段使用しているアングルとは別角度で泳ぐハネモノを見ることができましたが、どのルアーも最遅スピードよりも気持ち早めの速度が最も魅力的なアクションを出している印象でした。次回検証ができる際は、羽の素材や音に関する考察も行いたいですね。
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