春から夏にかけて、全国各地の河川下流部で見かける風物詩的ベイト「ハク」。ハクとはボラの稚魚の通称で、その全長は約3〜4cm程度。シーバスが積極的に捕食しているベイトの一種だが、一般的な”マッチ・ザ・ベイト”の感覚でルアーのサイズを合わせるには選択肢が限られ、攻略は困難を極める。ハクは表層を群れで行動することが多く、日中の河川では頻繁にボイルが発生するのだが、「何を投げてもルアーに反応しない」という体験をしたことのあるアングラーも多いはず。そこでプロアングラー・大野ゆうき氏に尋ねたところ、ハクボイル攻略のカギはルアーセレクトにあり、との回答が得られた。
「マッチ・ザ・バイト」が突破口!
この難解なハクのボイル時に日本で最も効率良くシーバスを獲るオトコと言えば、大野ゆうきさん。大野さんは、ベイトのサイズにルアーを合わせるよりも、アプローチするレンジやアクション、スピードを基準にセレクトする「マッチ・ザ・バイト」理論を構築。日中のハクボイル攻略には、大野さん独自のルアー選択に攻略のカギがありました。
大野ゆうき(おおの・ゆうき)
現代のシーバスシーンをリードするプロフェッショナルアングラー。ホームの東京湾奥をベースで築いた圧倒的な経験値と磨き抜かれた技術をベースに、全国各地への遠征釣行でも存分に実力を発揮している。
トップなのにシンキングペンシル!?
大野さんが日中のハクボイルでメインに使用するのは、「モアザン・ガルバ 73S」と「同 87S」(ともにDAIWA)。トップゲームなのに、シンキングペンシル? シンペンと言えば、ナイトゲームのスローなアプローチで使うイメージですが…。
大野「フローティングのトップウォータールアーもさんざん試しましたが、現時点でハクのボイル時に一番有効なルアーは『ガルバ』ですね。キャスト後は小刻みな連続ドッグウォークで水面付近をトレース。水のつかみ具合や、独特のもだえ感が状況にマッチしているんだと思います」
モアザン・ガルバ73S(DAIWA)
水面下20cmまでのレンジを得意とするリップ付きシンキングペンシル。強風下でもしっかりと水を掴み、意図するレンジやコースを安定してキープする。
バイト連発!! エリアやタイミングの見極めにも要点アリ
取材は、6月初旬の東京湾奥河川で実施。直前まで遠征釣行に出ていた大野さんは直近の状況を把握しないまま当日を迎え、過去の経験から数ヶ所の候補エリアをピックアップ。
潮位の変動を考慮したプランを組んでシャローエリアを中心にアプローチすると……ハクの群れを追うシーバスのボイルが連発! 「ガルバ73S」をメインに、読みどおりの連発劇を繰り広げました。
大野「理屈を抜きにして、日中のトップゲームは最高に面白いですね!」
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