決め事と言霊。
A「はい。とあるトンネルに差し掛かる前に、彼は、ポツリと言い添えたんです。『ああ、大丈夫だよ。車の窓をしっかり閉めていれば幽霊なんて車に入れっこないから』と」
はいはいはい。なるほど、なるほど。もう、例の御呪い(おまじない)が入ってますね!
A「です。途中で、彼はこれの種明かしをするんですよね。人と幽霊では圧倒的に生きている人の方が力が強いこと。なので、決め事をして宣言すればいいんだって。先ほどのトンネルに差し掛かる前に、Yさんが宣言したのは『車の窓を閉めていれば幽霊なんて車に入ってこれない』というルールと言葉です。こんな強い意思と言霊を発すれば、死者が干渉する余地なんてないって言うんです。
幽霊の力も解明されていないけど、物理現象であるとすれば圧倒的に生者のほうがエネルギーも強いのだから、確固たる意思があれば干渉を防げると言うんです。
そもそも、幽霊の存在を疑う人が、幽霊が見れないのは、それがいないという理解が備わっているから強いともいいましたね。そういったものの存在を否定すればいいだけなので。それも決め事のひとつだと言ってました」
まぁ、必ずあるって言われているダークマターだって、いまだに解明されていませんし、人間の意識もしかり。超常現象が物理と仮定したら死者の思いより、生きている人間の思いのほうが強いのは道理ですよね〜。
話には続きが……
しっかし、某人気漫画のハンターハンターを彷彿させるネタですね。でも、これ昔にお話を聞いて実践してますが、確かに効果覿面です。
A「まぁ、話には続きがあって、車内ではなんだよ、その適当な御呪い(おまじない)は! って話になったんです。いわゆる、それって心の持ちようじゃないかと。幽霊なんてものは、脳が描き出す幻像である所以じゃないかと。でも、Yさんは、それも否定しませんでした。でも、
それでも、やっぱり不思議な事は実際に起こるもんだよ。って笑うんです。で、そんな話で喧々諤々しながら、その鯖街道を走っていて、またヤバイと噂のトンネルに差し掛かったんです。そこで、話で盛り上がっていた後部座席のひとりが、じゃあ、車の窓を開けたらヤバイ幽霊とやらが車に入ってきたりして。と、トンネルの前で閉まってた窓を開けたんですよね(笑)」
おおう。いい展開ですね。どうなったんです?
A「そのトンネルに入り、後ろの座席の窓を開けたひとりが笑いました。『別になんともないやん』って。その直後でした。後ろの2人が同時に鼻血を出したんですよね。わりと派手に(笑)。ポタポタと座席に染みがつくくらいの勢いで(笑)。1人だけなら、あれなんですが、2人同時に(笑)。まだ、夜が明ける前でしたね、ちょうど4時前、明るくなる前でした」
鼻血は意味不明ですけど、ちょっと不気味ですね。
A「鼻を抑えながら、あわてて窓を閉めようとする2人にYさんは言いました。『ダメだよ。入ったままなんだから。せめて窓から出るように申し伝えなきゃ出ていかないよ』と。2人はフゴフゴいいながら、出て行けだの出て言ってくれだの連呼して窓を閉めてましたね(笑)」
その後、どうなったんですか?
A「いいヲチがあれば、話としてまとまるんですが正直それでおしまいです。ただ不思議だったのは、結構な勢いで鼻血が出て、ひとりはハンカチで。ひとりはティッシュで鼻血を拭いていたんです。で、車のシートに落ちる勢いでポタポタしたらしく、持ち主のYさんが早めにシートの鼻血を拭こうと明るくなってから後ろの座席に回ったんですが、シートには1滴も鼻血はついていませんでした。血みどろのハンカチとティッシュは残っていましたが(笑)」
落ちてるような、落ちてないようなですが、お話ありがとうございます(笑)。
御呪い(おまじない)まとめ。
ということで、Yさんの言う御呪い(おまじない)の正体は、意思のある言霊。具体的に、なるべく細かくルールを決めて口に出す事がとても大事なのだとか。
あ、いい歌ありましたね。「おばけなんてうそさ」。あれを口ずさみながら、曰く付きの釣りポイントで強気で釣りをすればいいんですね(笑)!
さぁさぁ、ただの与太話ととるか。実践すべきノウハウととるかはあなた次第。これからの季節、意外に役立つかもですぞ〜。
釣り場の怖い話
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