怖い話は、お盆の時期だけがだとか思ってませんか? 水辺に転がる怖い話。ほんと、釣り人は良く拾ってくるんです。だってほら、「水」って「命」に重要なものなのに、人は「水」で生きられない「死」の空間。その境目に彷徨うは道理ってもんです。
はしゃぎ回るのは?いったい誰?
では、Mさん。ひとつお願いします。
M「いや、俺も結構、霊感は強いほうなんですけど、僕なんてお話にならないくらいの人と昔付き合ってまして。その彼女が何でも言い当てちゃうちょっと怖い人でね。
さっき、どこそこの家にいたでしょ? その家の間取りはこんな感じでしょ? で、会ってったのはこんな人でしょ…とかね。いや、別にストーカーってわけじゃないんですよ…。あと、生霊が憑いてるだの、人が何人憑いてるだの。まぁ、その「見える」が原因で別れちゃったんですが(笑)
まぁ、その話は置いといて、若いときは結構、そういうの見てたんですが、最近はあまり、くっきりはっきりはあまり見なくなったんですけど…….」
歳をくったからと言うより、なんか、環境やスパンにより変化しません?
M「確かにそうですね。で、その、色々言い当てちゃう彼女が言ってたんですが、どうにもなりにくい憑き物がいくつかあると。ひとつは動物。もうひとつは、子供。どっちかというと赤子が特に厄介だっていうのですよ」
そういや、先日、僕も取材先のホテルの部屋から取材のために出ようとしたら、部屋の中でドアを締め切った状態でも聞こえるくらいの声で、子供の泣き声が聞こえてね。ああ、フロアのどこかに、泊まってるんだなぁって。そりゃハッキリした声で泣いてたし、変なものだと思わなかったんですよ。
で、廊下に出ても声は響き渡っててね。どこの部屋からかなーくらいにしか思ってなかったんだけど、隣の部屋から一緒に仕事をしていたカメラマンさんが出てきてね。それと同時にピタリと泣き声が止んだんですよ。
で、カメラマンさんに「今、すんげぇ声で赤ちゃん泣いてたよね〜。部屋にいても聞こえるぐらいの声でさぁ」って確認したら、「え? なんも聞こえなかったですけど….」って言われて、アチャぁ、そっち系だったか〜って赤子事件がありました(笑)。記事にするほどでもないオチなんで、ここに書きます(笑)
M「それはそれで、怖いですね。まぁ、そんな感じで、子供とか赤子って話が通じないから厄介だから気をつけなさいってよく脅されれてたんですが….」
家に入れるのを、拒否をする息子。
M「で、今、結婚して子供もいるんですけど、子供がどうやら見えるようで。出かけていて帰ってきたら、長男はお迎えに玄関にいつもすっとんでくるんですけどね」
先日も、釣りから帰ってきたら玄関に子供がすっとんできたんですけど、急に廊下でストップして、青い顔で言うんですよ。「パパ!そのお友達とバイバイしてきてっ!」って。なんか憑いてきてるんでしょうね。そんなことが、時々あるんですよ」。
子供には見えるってヤツでしょうか?
M「その時はわかったって、とりあえず外に出て戻って、みたいな動きをしたんですよね。自宅に戻ったら子供も何も言わないし、大丈夫かなぁと。そうしたら数日後です。僕の部屋にいつも入り浸って遊ぶ長男が、部屋に入ろうとしないんです。顔も強張ってるし」
ということは?
M「知らないオバサンとお友達がいる。って言うんですよ。それって、このまえパパと一緒に帰ってきた人か?って聞いたら、それは違うって。でも、別のどうやら親子連れを引き込んだみたいで。その数日前の「パパ、バイバイしてきて事件」から日数も経ってない。
ただ、複数、憑いてくるってケースは水辺で遊んでると結構あるんで、そのときは見えなかった? 感じなかったのを家に入れてしまったのかなぁと、思ったんです。どっちにしろ僕にはそのときは、見えなかったので、出ていってもらうよう頼んでみるよと子供を納得させたんですけど、その後、数日間、一切、僕の部屋には来なくなったんですよ」
なにか実害はあったんですか?
M「具体的にはなかったんですが、締めていたドアが勝手に開いたり、特に濡れるようなことはしていないのに廊下が濡れていたり。で、ウチ、マンションなんですけど、ある日、下の人がクレームで怒鳴り込んできまして」
どんな風に?
M「ドタバタ、ドタバタと子供が暴れてる音がウルサイと。まぁ、確かに、時々、うちの子も走り回ってますから、ああ、すいません。ご迷惑かけています。みたいな話になりましてね。あるあるじゃないですか。そういうこと。で、躾けますみたいな流れになったんですが、ふと気になって、ちなみに何時頃のお話ですか?と訪ねてみたんですよ」
そうしたら?
M「いつも昼頃にドタバタ聞こえる。って話になって。で、一緒に対応していた嫁と顔を見合わせて。あれ? その時間、平日は保育園と幼稚園に子供は行ってるぞ?と。まぁ、そこで反論はしなかったんですが、丁重に謝罪させてもらったんですよね」
その後、どうなったんでしょうか。
M「2日後くらいでしょうかね。家に帰ったら嫁が、また下の家族がクレームを入れに来たらしくて。そこで、菓子折り持って、また階下のお宅に謝りに。で、時間を聞いたらやっぱり平日の昼頃の話みたいで。2度目だったんで、事情をお話したんですよね。昼間は実は保育園で、自宅は嫁も仕事に行っていて留守にしているんですと。
じゃあ、なんだったんだって話にはなったんですが、妙なことを言うんです。女の子の騒ぐ声が聞こえると。うち、2人子供いるんですけど、下も男の子なんですよね(笑)
で、その夜、僕の部屋に寄り付かなくなった息子にちょっと聞いてみたんです。パパの部屋にいるお友達ってのはどんな人かって。そしたら、おばさんと、小さい女の子だって。しょうがないんで、見えもしないんですが、自分の部屋に行って、下の階の人からクレームが来ていて困っている。出ていってくれないかって語りかけてみたんですよ(笑)」
おおぅ、どうなりましたか?
M「翌日になってからなんですが、部屋に寄り付かなくなった息子が部屋に入ってきまして、おばさんとお友達、出ていったよと(笑)ああ、話、聞いてくれたんだと安堵しました。これ、子供ひとりだったり、赤ちゃんだったりすると、話が通じなくて長期化する傾向があるんですけど、親子連れだったからよかったなーと」
よかったんすか??
M「そこからクレームは消えました。この件は、割に連れてきた幽霊が長く居座って、自体が具体化した例ですが、釣りから帰ってくると、息子に聞くようには最近はしています。やっぱり、なんか水辺に行くと、そういうコト多いですわ…..」
大した実害はなかったようでよかったですね。
「いや、それが関連しているかどうか分かりませんがウチの嫁が、その後、幾日もたたない間に、近くの交差点で止まれを無視した車に突っ込まれまして。子供が顔を縫う怪我程度で済みはしたものの、災難はありました」
き、気になる話ではありますね。
「因果関係はわかりませんが、お祓いには行きました。その後は特に困った事は起こってません」
なるほど。お話ありがとうございました!
と、いうことです。釣り人や、釣り編集者って水辺に出向く職種ですんで、連れて帰ってきた系の逸話は結構あるのであります。それはまたの機会に披露できればと思います!涼しくなってきたので、さらに涼しくなればこれ幸いでございます!(寒いのはヤダ)