
フックは〝魚に一番近いタックル〟。市販のルアーに標準装備されたフックをそのまま使ってしまうアングラーも多いことと思うが、ターゲットやフィールドに合わせたチョイスを心がけることで、釣果は格段にアップする。今回は”トラウトスプーン”のシングルフックについての基礎を紹介。
●文:ルアーマガジンリバー編集部
スプーンのシングルフック基礎知識を教えてくれたのはこちらの方!
ステップ1「スプーン用シングルフックの各部位名称」
ステップ2「フックサイズの基準は?」
スプーンの大きさや形状は様々。当然ながら「フックが絡まない」「魚の大きさに合わせる」等を考慮したうえでのチョイスが必要であるが、〝メーカー推奨サイズ〟が基準となる。
ステップ3「太軸と細軸の使い分け」
スプーンにマッチしたサイズでだけでなく、〝軸の太さ〟にも注目したい。この軸径もメーカーによって基準が異なるものの、大きく分ければ「細軸」「標準」「太軸」の3つに分けられる。
武山「シビアな状況で、刺さりのよさを優先したい場合には貫通力を強めるために細軸をチョイスします。これに対して太軸を選択するシーンは、フックが伸ばされたり折られたりする可能性のある大型魚が対象のフィールド。標準径のフックで釣り始めて、様子を見ながらタイプを換えていくこともあります」
さらに武山さんは、魚の活性に合わせて泳ぎのピッチを「鈍くするため」に太軸を使うこともあるそうだ。
ステップ4「活性によっては〝アシストフック〟を使うことも」
武山さんは個体数の少ないサクラマスなど〝確実に1尾をキャッチしたい〟シーンではアシストフックを使うことがあるそうだ。
武山「ただし、使用するシーンは限定的。魚の活性が高い場合は表層や中層で食ってきます。その場合にはアシストフックを使うことがありますが、早期などの低活性時には、ボトムでじっくり誘う釣りが多くなるので、根掛かりを回避するうえでフック1本に換えています」
ステップ5「大型魚を小型スプーンで釣る」
サクラマスの釣りを得意とする武山さんだが、彼は「スプーンが小さければ小さいほど魚にとって捕食しやすいサイズである」という考えを持つ。その考えの元、本流の幅広い流れの中に3グラム前後のスプーンを投じることがあるというから驚きだ。
武山「もちろん、その際にもメーカー推奨のフックサイズをチョイスしています。ただし、その場合は太軸の強剛性をうたったものや、大型魚用と銘打ってあるタイプを使っています」
ステップ6「武山さん愛用のチラシばりを作ってみよう」
武山さんはチラシばりを好んで使う。この〝チラシばり〟はエサ釣りで使われる針にケプラー製の紐をスレッドで巻き付けたもの。自由度が高く、フッキング率が増すと言われていることから、トラウトアングラーの中には愛用者も多い。
武山「チヌ針など、海で使われているフックが元になっているものが多く、強度があります。さらに、自由度を持たせたケプラーの紐がトラウトのローリングファイトをいなしてくれるので、バラシの軽減にも繋がります。渓流でも本流でも使うことの多いタイプのフックです」
それでは最後に、武山さんも愛用するチラシばりの作り方を紹介していこう。準備するのは、フライタイイング用のバイス、ケプラーなどの紐、スレッド、コーティング用の接着剤だ。フックはエサ釣り用のチヌ針やセイゴ針などがおすすめとのことである。
【1】下巻きの行程。バイスにフックをセッティングし、スレッドを巻き付ける。【2】ケプラーを適当な長さに切ったら、下巻きしたスレッドの上に置いて端から巻いていく。【3】フックの根本まで巻いたら折り返して、1往復巻く。しっかりと締め付けながら行おう。【4】ケプラーを折り返して〝アイ〟になる輪っかを作る。【5】先端に向けて巻いたら折り返して、さらに一往復させる。 【6】しっかり締め付ける。【7】巻き終わったらハーフヒッチで仮止め。武山さんは8回ほど仮止めを行うそうだ。【8】スレッドを切り、瞬間接着剤で固めたらできあがり! [写真タップで拡大]
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