夏になると、のべ竿の仕掛けで玉ウキ釣りやミャク釣り、リールで投げ釣りなど様々な狙い方ができるハゼ釣り! reLight調査隊BOSS吉田がコスパよく爆釣できるエサ「生ハム」を発見! では、一般的に使用されている虫エサの「アオイソメ」と「生ハム」で釣れ方が違うのか? 果たして超えることができるのか?「のべ竿」に「セット仕掛け」という誰でもできるスタイルで検証をしてきた!
●文・写真:reLight調査隊(吉田光輝)
reLight調査隊の情報
reLight調査隊(りらいとちょうさたい)
ロブルアーハゼクラテスターをやりながらオールマイティに釣りを楽しむボス吉田光輝を筆頭に、酔っ払い釣り初心者担当カツ、真面目な釣りバカ担当高橋の3人組。釣りの楽しさを伝えるべく淡水、海水問わずルアーフィッシングを中心に活動。ハゼ~GT・サメまでやろうとしている生粋の釣りバカYouTuber。
ちなみに吉田さんはハゼクラの数少ない公式釣り大会「Hz-1グランプリ」で、和やかな雰囲気の中で黙々と大型ハゼを狙い撃ちして大人気なく優勝をもぎ取っていく釣技の持ち主。
生ハムがハゼ釣りにめっちゃ有効らしい説が提唱される
ハゼ釣り界を騒然とさせている、生ハム最強説。そんなの初耳じゃい! という方は、まずはこちらをご確認いただきたい。
夏になるとファミリーフィッシングやカップルで気軽に楽しめるハゼ釣り。のべ竿の仕掛けで玉ウキ釣りやミャク釣り、リールで投げ釣りなど様々な狙い方で楽しめる釣りだ。エサは一般的にゴカイ、特にアオイソメがよく[…]
ハゼ釣りに有効な釣りエサとしては、これまでにもゴカイの「アオイソメ」、「ホタテの貝柱」、「サクラエビ」など様々なエサが提唱されてきた。生ハムはここに新たな一石を投じる……何なら最強までありうるポテンシャルを秘めている。
ちなみに生ハムといっても実に様々な商品が発売されているが、現在のところ「筋が多い」ファミリーマートの生ハム(120円)が最もエサ付けに有利で使いやすいという体感を得ている。
エサ釣りは「エサ付け方法」が重要
エサの付け方ひとつで釣果が変わってくるのがエサ釣りの面白いところ。生ハムが威力を発揮するエサ付け方法も紹介する。なお、今回の生ハム最強説を検証するため、アオイソメを対抗馬として用意した。それぞれのエサ付け方法も紹介する。
「アオイソメ」
釣り道具屋さんで1パック売り、もしくは水槽で飼っている場合はグラム売りをしてくれる所もある。太さが選べたら、ハゼには細めがちょうど良い。
アオイソメは少しヌルヌルしていてハリを刺そうとすると2本の牙で噛んでくるため、エサ付けが苦手な方もいるだろう。エサ持ちを長くするためには、牙がある口からハリ先を刺しハリの根元まで通したら少しだけハリ先を出す。
1匹付けはハゼには大きいため、ハリ先から数mmのところでアオイソメをカットするとちょうど良い。ハリを口に通すのが苦手な場合は、アオイソメの切りやすい所で予めカットしてからハリを刺すとやりやすい。
「生ハム」
コンビニの生ハムは1パック4枚入りが多い。1枚の1/4程をちぎり、クーラーやタックルボックスの上で乾かしておくと丸めやすくなる。地面に直に置いてしまうとアリに持っていかれてしまうため、注意!
まずは親指の爪程の大きさに更にちぎり、四つ折りにし、ハリを縫うように2回刺し、生ハムがハリ先にくるよう固めながら調節する。
コンビニ各社による生ハムの厚さなど特徴があるため、乾かし過ぎるとカピカピになってしまい亀裂が入りエサ取りされやすくなる。乾燥し過ぎたら、ハリに刺す前に水に浸けると少し緩和される。
潮の影響で誤差を少なくするために15分間隔で3回戦
生ハム最強説の検証は次のように行った。
- 15分間アオイソメを使用して全力でエサ釣り
- 15分間生ハムを使用して全力でエサ釣り
- これを3セット実行して総尾数を比較
- コストパフォーマンスを比較
- 使用感を比較
- 釣り方はのべ竿を使ったウキ釣り
- 検証場所は旧中川
「1回目 アオイソメ」
昔ながらの定番エサというのもあり、安定の釣れ方!しかし!? デキハゼ(ハゼの子供)に喰い散らかされアオイソが小さくなった瞬間、デキハゼの口にハリが入ってしまい2cm程のデキハゼも釣れてしまう。
普段であれば数には入れずリリースしてしまうサイズだが、口に掛かっている以上検証のため1尾としてカウント。15分間で7尾が釣れた。
「1回目 生ハム」
エサ付けをしっかりしていれば、デキハゼの猛攻にあってもなかなか取れない。デキハゼの攻撃を我慢しそのまま着底するのを待つとヒネハゼ(10cm程)がヒット! 全てヒネハゼサイズだったが、15分間で6尾。アオイソに1尾負けた。
「2回目 アオイソメ」
時合い突入で、怒涛のヒット! しかし、デキハゼが5尾混ざってしまった。
15分間で11尾。
「2回目 生ハム」
時合いというのもあり、こちらも怒涛のヒット! デキハゼが1尾混ざったが、15分間でアオイソと同じく11尾。
「3回目 アオイソメ」
時合いが落ち着くも、コンスタントに8cm~10cm程のサイズが釣れて、15分間で9尾。
「3回目 生ハム」
ヒネハゼサイズの群れがいなくなるも、単発で10cm~12cmのサイズが釣れて、15分間で6尾。
対戦数 | アオイソメ | 生ハム |
---|---|---|
1回戦 | 7尾 | 6尾 |
2回戦 | 11尾 | 11尾 |
3回戦 | 9尾 | 6尾 |
合計 | 27尾 | 23尾 |
それぞれのエサの使用感
- アオイソメの方が釣れた数は上回ったが、普段カウントしないデキハゼが連続で釣れてしまう時間帯があった。逆に生ハムは、サイズのアベレージが良かった。
- 生ハムは乾かして丸めている分、デキハゼの口に入る割合が少ないのかもしれない。
- アオイソメ、生ハムの両方とも、ちぎった余りをクーラーの上に置いておいた場合、アオイソメは体液などで汚れが目立った。手の汚れと臭いも気になる。
- 生ハムは、汚れや臭いがほぼない。というより生ハムの匂いが移る。あまり悪い気はしないが、気になる人は気になるかも。
それぞれのエサのコストパフォーマンス
アオイソメはキャスティングで10gあたり114円(通常の釣りで30gくらい使う)、生ハムはファミリーマートの肩ロースで120円。ちなみに1時間30分でどちらもまったく使い切れずに余った。
- アオイソメを1パック買ったが使用したのは3匹。余ったアオイソメを自宅の冷蔵庫の野菜室に保管すれば、乾燥を防げるために1週間程は保管できる。すぐにまた釣りで使う場合はそれで大丈夫。しかし、毎週釣りに行く方でないと保管しているのを忘れて、アオイソメが死んでしまうと、臭いが漂うために捨ててしまう方が多いのではないだろうか?
- 生ハムは冷凍保存をすれば、すぐに腐ることもないため、2週間後3週間後にまた使うことができる利点がある。
最強はどっち?
釣果ではアオイソメが上回ったが、釣れ方の体感としては五分五分のように感じた。値段のコスパ面、汚れなど、その他の点で生ハムの方が最強といえるのでは? というのが今回の検証の率直な感想だった。
地元民が信じられない!? 驚き!
旧中川は、遊歩道が綺麗に整備されているために地元の方が散歩していたりジョギングしていたりする。釣り好きな方も多く、よく話しかけられる。
「生ハムで釣れるんですよ!」と言うと、信じていなそうな顔……。
エサ付けから見てもらい、釣れると「ホントだ!? 信じられない(笑)!?」と喜んでもらえた!
こういった触れ合いも大事にすると釣りが更に楽しくなる!
使う場面でエサを選択する
投げ釣りならアオイソメ! 生ハムは投げた時に外れる可能性が高いために向いていない。
旧中川のように浅場のウキ釣りやミャク釣りで、目の前を狙う場合に生ハムは向いている。
釣りをするシチュエーションによってエサを選ぶのが良い。
釣れたマハゼは天ぷらや唐揚げで美味しく
クーラーに保冷剤を入れて持ち帰れば美味しい料理になるのがマハゼ! 小さいハゼは唐揚げに、大きいハゼは天ぷらにするとお酒のおつまみに最高! 釣りも楽しい、食べて美味しいハゼ!
シーズン後半にはサイズが大きくなってくるハゼ釣り! 是非楽しんでほしい。
今回の釣りレポート
項目 | 釣りの情報 |
---|---|
釣り物 | 生ハムをエサに使ったハゼのウキ釣り |
ターゲット | マハゼ |
釣った場所 | 旧中川 |
釣行日時 | 2022年9月1日(木)15:00~17:00 |
釣果 | マハゼ(アオイソメ):27尾(2cm~10cm) マハゼ(生ハム):23尾(3cm~12cm) |
使用タックル | ロッド:のべ竿 2.7m ミチイト:ナイロンライン 1.5号 ハリス:0.8号 仕掛け:ハゼ玉ウキ 3.6m 5号(ささめ針) ハリ:ハゼ鈎5号(ささめ針) エサ:肩ロース生ハム(ファミリーマート)、アオイソメ |
今回の釣り攻略情報
- エサに生ハムとアオイソメを使った
- 水深30cm以内を狙った
- 濁りの少ない所を選んで釣った
ハゼの生態調査に参加してみよう!
現在東京湾の内湾(富津岬から観音崎まで)全域で釣れたハゼの生態調査が毎年行われている。誰でも簡単にアクセスすることができ、生態系の理解にとって貴重なデータとなっている。ぜひ参加してみてほしい。
釣り人の釣果から生態系が見えてくる
埋め立てが進む前の東京湾ではかつて多くのハゼが棲息し、ハゼ釣りが風物詩となるほど多くの人に親しまれていた。現在でもハゼは全域で広く棲息しているが、ハゼが好む干潟域がほぼ消滅するなどの環境の変化によって生態系は大きく影響を受けている。
水辺の利用方法は必ずしも生態系にとって理想の状態とはいえないものの、それでも環境の変化に適応した豊かな生活史を営んでいる生態が存在している。中でも東京湾の代表的な魚といえるハゼについては、まだまだわからないことが多い。釣り人が送るデータは釣れた場所、時期、大きさと簡単なものだが、これらがたくさん集まればハゼの集団、産卵の時期、回数、場所が見えてくる。東京湾の生態系の基層となるハゼの生活史の理解が大きく進むことで、東京湾の水辺の実態解明に貢献できるという仕組みだ。
『マハゼ棲み処調査』参加方法
「マハゼの棲み処調査」の参加方法は簡単。ハゼ釣りに出かけたら釣ったハゼの全長を測って、Webサイトから報告するだけ。
公式サイトの「データ登録」にアクセス、ユーザー新規登録を済ませればOK。あとはハゼを釣って、サイズを計測して、サイトから情報を登録しよう。
ハゼの調査対象区域について
釣り場は観音崎から富津岬まで。いわゆる「東京湾内湾」が対象となる。船釣りやボート釣りで狙う沖合のハゼも調査対象に入っている。
2022年の調査期間は「上期:7月1日~9月30日」と「下期:10月1日~12月30日」。期間内に釣れたハゼの情報をどんどん送ろう。
データを送った方には、漏れなくハゼの全長計測シールが貰える。耐水性の頑丈なシールなので、ハゼに限らず魚のサイズを測るのに便利。
※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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