北海道秋の風物詩、知床の番小屋でカラフトマスとヒグマに出会う【日本全国魚めぐり旅】

地の果てシリエトク、世界遺産の知床でカラフトマスを釣り新鮮なうちに食べる。この上ない幸せがそこにはあった。

●文:ルアマガプラス編集部

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ヒグマとカラフトマスの土地が日本にはある

秋の初め。北海道の沿岸には、産卵のために川を遡上するサケやカラフトマスが、大量に集まってくる。

食味も良く、北国の人にとっては冬に備えるため大切な食材であるサケ・マスを、地元の釣り人が放っておくはずがない。

太平洋にはマスノスケ(キングサーモン)、銀ザケ(シルバーサーモン)、紅ザケ(レッドサーモン)など何種類ものサケ・マス類が生息する。しかし、北日本で釣りの対象となるほど個体数が多いのは、サケ(別名シロザケ、英名:チャムサーモン)、カラフトマスサクラマスといったところだ(正確にはニジマスも太平洋サケ属に含まれるが)。

陸伝いでは到達できない知床半島。日本最大の秘境といえる。

だが、北海道においては、サケ・マス類は全て河川内禁漁の対象となっている。漁獲調査という名目で釣りができる川はあるものの、基本的には川に入ったサケは全面的に禁漁(本州においてはルールは多少異なる)。

オスのカラフトマス。背中が盛り上がり、いわゆるセッパリの体形になり始めている。川に入って季節が進むともっと背中が盛り上がって迫力が出る。 [写真タップで拡大]

ある程度釣れたら、釣りを中断して魚の仕込み。食べない分は塩漬けにして持ち帰るのだ。これもまた1ヶ月に渡って、自宅の食卓を彩ってくれた。 [写真タップで拡大]

北海道の知床半島へ釣りに行ったのは、9月のあたま。知床半島は先端まで道路が伸びていないため、釣り場となる知床半島の先端近くの浜に漁師の船で送り届けてもらうと、カラフトマスが小さな川の河口に、大量に集まっていた(サケの遡上は1か月ほどあとになる)。その日は漁師の番小屋(作業小屋)に泊まり、1泊2日のカラフトマス釣りとなった。

火を起こし、新鮮なカラフトマスでチャンチャン焼きを作る。スーパーでは比較的安価なマスだが、新鮮なカラフトマスの味は抜群。

それだけ魚がいれば、好奇心が多少旺盛な魚もいるわけで、何匹かの魚は捕獲することができた。

釣った魚はすぐに捌いて、ご飯のおかず、酒のつまみになる。

米や野菜、調味料を持ってきていたので、その晩は焚き火でチャンチャン焼き、翌朝は、いくら丼という贅沢な食事を堪能したのだった。

翌朝はいくらごはん。まだ時期が早いので卵の皮も柔らかく、美味この上なし。野性味あふれる食卓にs並ぶ、料亭の味。


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