
ソルトルアーフィッシングのエキスパート、鈴木斉さんが北海道の海でブリをジギングで狙う! せっかく北海道まで来たのならブリだけではもったいない。ハタやホッケ、タラなど北海道ならではのターゲットも狙って五目フィッシングだ! 思いがけない珍客も飛び出した!
※ルアーマガジンソルト2017年12月号から抜粋して掲載
●文:ルアーマガジンソルト編集部
オフショアからショアのシーバスゲームまで、幅広く活躍!
バラエティに富んだターゲットが狙える北の海
メインはブリ、根回りでタラやホッケも狙う、欲張りプラン!
鈴木さんがやってきたのは北海道北西部の積丹半島。余市港から出船し、ジギングでブリを狙っていく。北海道はよく釣りにくるんですか?
鈴木「北海道はもう何年も前から通っていますね。ターゲットはやっぱりブリ。今までもジギングでブリを狙いつつ、タラやホッケなどを狙ってきましたね」
5時半に出船すると、少し走ってポイントに到着。すでに他の船がおり、多くのアングラーがジグをしゃくっていたが、どうやらまだヒットはないようだ。水深はおよそ80m。船長の合図で底から14~15mレンジを探っていく。ほどなくして鈴木さんにヒット!
小気味良い引きで上がってきたのは5kgほどのブリ。幸先のいい釣果に鈴木さんもニンマリだ。使用しているのは鈴木さん監修の細身のジグ、スピードスラッシャー。このアイテムの特徴は?
鈴木「ひと言で言えば沈みの速いジグ。ヒラヒラ落ちていかず、すとーんと反応があるレンジを直撃できるのが利点です。小さい魚群の反応だとジグが到達する前に魚が散ってしまうこともありますからね。人より先に落としていけるのも釣果に繋がる大きなメリットです。また、潮を受けにくく暴れにくいから、潮の流れの速い場所にも向いていますね」
スピードスラッシャーはどう動かしたらいいのでしょうか?
鈴木「ロッドを大きく揚げてふわ~っとリリース。するとジグが最大限のフォール幅で落ちていきますよ。このふわ~っと落ちていくときにバイトが出るんです。この地域はオオナゴを補食しているから、ゆっくりめで、釣れてないからスローに見せるようにアクションしました。ダート幅は1mくらいを意識して、反応が出ている場所を速く通過させないように、存在感を出しながら見せていくのがコツです」
【ヒットジグ】
オシア スティンガーバタフライ スピードスラッシャー180g(シマノ)
深いレンジに素早く落とし込める斬り込み隊長
鈴木さん監修のフォールの速さにこだわったジグ。ボディを細く絞り込むことで、抵抗をできるだけ軽減し、深い水深、激しい潮流、きついドテラ流しなどに対応する。ファーストコンタクトでの早掛けも狙える速攻ジグだ。
基本的にはワンピッチで、大きな動きで見せていくジグですね。
鈴木「はい。ラインスラックをすぐとれるようにハイギアリールで使いましょう。しゃくったときはバタバタと暴れないように設計されているんで、アングラーの手首や肩に負担がかかりませんよ。大降りにしゃくったほうがジグを見せる時間も増えるので、それをリズムカルに操作していきましょう」
ブリの次は根回りでタラやホッケを狙っていく
幸先よくブリをキャッチしたら、今度はより深場を狙って底物を狙うことに。流石は北海道の豊かな海だけあって、ホッケにタラと次々と魚がヒットしてくる。
鈴木「狙っているのは水深160m。着底してから3回シャクってヒラヒラヒラってフォールした瞬間に喰う感じですね」
ホッケとタラを釣り分ける方法などはありますか?
鈴木「やはり魚種によって喰い方が違いますね。ボトムべったりを狙うか、少し上めを狙うかで変わってきます。ボトムならタラ、ホッケは上めで喰います。また、あんまり暴れすぎるジグだと、フォールで小さな魚が先に掛かってしまうので注意です。なので大きな魚を狙う場合はやはり沈みが速くて、暴れすぎないジグのほうが大きなタラが掛かることが多いですね」
オシア スティンガーバタフライ スピードスラッシャー
上から、240g、180g、そして150g。この3サイズを状況によって使い分ける。鈴木「ジグの重さは潮の速さ、風の強さで使い分けますね。浅くても潮が速くてジグが流されていくなら重くしていく必要があるし、深くても潮が利いていなければ軽いウエイトでも対応できます」 [写真タップで拡大]
ヤナギノマイやムシカレイなど、釣れてくるターゲットは豊富で釣りをしていて飽きない。魚種が豊富だと上がってくる魚が一体なんなのか最後までわからないので、160mという深いレンジからのファイトはワクワクが止まらない。
鈴木「深いからファイトが大変だけど、リールにパワーがあるから思っているよりかは楽ですよ。リールファイトで魚をバラさないようにテンションをかけながらファイトできますからね」
この日は全体的にあまり釣れていなかったのだが、鈴木さんだけで3尾のブリをキャッチ。海の透明度が高く、反応は出ているけどなかなかバイトは少ないなかでも、素早く広く探っていくことで貴重なバイトを引き出していった。 [写真タップで拡大]
初日はグッドサイズのブリが3本に、良型タラの連発撃、ホッケにヤナギノマイと大満足の釣果となった。正しいタックルのチョイス、そして巧みなルアー操作、それを導く状況判断能力が釣果が伸びていった理由だろう。
2日目、根回りをチェックして魚種追加!そして、鈴木さんも初めて釣る珍客が…!?
実釣2日目は、前日と打って変わって魚の反応が薄い日並みであった。ときおり青物が小規模のナブラを発生させており、群れの反応もあるのだが、なかなか口を使ってくれない。どうやら二枚潮になっているようで、これが釣れない要因だという。
鈴木「魚がいる肝心の層が動いていないんですよね。だから反応が出ていても喰わないんです。二枚潮は水温の違いによって発生することが多いですね。だいたい釣れないときは魚がいる層が動いていない。ジグにかかる水の感じでわかりますよ」
ブリのエリアは釣果が出ていないらしく、船長は根魚系のエリアを中心に回っていった。その後はソイを2尾キャッチすることができたが、前日のような盛り上がりは感じられず、そのまま納竿かと思われた矢先、ちょっとした事件が起きた。ボトムレンジを丹念に探っていた鈴木さんのロッドが大きく絞り込まれる。
鈴木「お、きたきた。大きいですよこれは。かなり重い、かなりの大物じゃないですかね」
ロッドを下に構えながら、リールファイトで焦らずゆっくりとハンドルを巻き続ける鈴木さん。
鈴木「ファイトはロッドを立てすぎないこと。ラインが緩んだ瞬間に外れたり、口切れを起こしたりしますからね。リールで一定のテンションで巻き続けて、魚が走ったら止めます。根がないのでドラグは緩めでOKですよ」
上がってきた魚体を見てびっくり。なんとアンコウだ。鈴木さんも初めて釣るという珍客に、船内にいた全員も驚いた。ブリにタラ、ホッケにソイ、そしてキアンコウと、五目を超えて10種に届きそうな豊富なターゲットに恵まれた今回の北海道釣行は大成功で幕を閉じた。
使用タックル紹介
スピニングタックル
ベイトタックル
※使用タックル、ルアーは2017年当時のものです
※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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