ジギング中に嬉しい珍客!?百戦錬磨の鈴木斉さんも初めての高級魚も出た魚種満載の北海道釣行記[北海道・積丹]

ソルトルアーフィッシングのエキスパート、鈴木斉さんが北海道の海でブリをジギングで狙う! せっかく北海道まで来たのならブリだけではもったいない。ハタやホッケ、タラなど北海道ならではのターゲットも狙って五目フィッシングだ! 思いがけない珍客も飛び出した!
※ルアーマガジンソルト2017年12月号から抜粋して掲載

→【画像】とんでもないモンスター!今夜は鍋だね

●文:ルアーマガジンソルト編集部

2024 新製品情報

オフショアからショアのシーバスゲームまで、幅広く活躍!

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鈴木 斉(すずき・ひとし)

ショア、オフショアを問わず様々なソルトゲームで活躍するプロアングラー。オフショアは近海のタイラバから外洋のジギングまで幅広くこなすが、とくにヒラマサやマグロを狙うキャスティングゲームで、ここ一番の勝負強さをみせる。シマノインストラクター。

バラエティに富んだターゲットが狙える北の海

舞台は小樽市から車で約30分ほどの北海道北西部の積丹半島。少し沖に出るだけで水深は100mに到達する地形が特徴。ブリやタラ、底物などバラエティに富んだ魚種が狙える。 [写真タップで拡大]

メインはブリ、根回りでタラやホッケも狙う、欲張りプラン!

鈴木さんがやってきたのは北海道北西部の積丹半島。余市港から出船し、ジギングでブリを狙っていく。北海道はよく釣りにくるんですか?

鈴木「北海道はもう何年も前から通っていますね。ターゲットはやっぱりブリ。今までもジギングでブリを狙いつつ、タラやホッケなどを狙ってきましたね」

鈴木さんも長年お世話になっている征海丸に乗り込み、出船を待つ。ブリをメインに北海道の豊富なターゲットを狙っていく今回の釣行、準備にも力が入る。釣り人なら誰しもが心躍る時間。 [写真タップで拡大]

征海丸の阿部船長とは気心知れた仲だ。その日の海の状況などを直接聞いて、自身の戦略に役立てる。この海域を知り尽くす船長とコミュニケーションを取るのも釣果を伸ばす上で重要だ。 [写真タップで拡大]

5時半に出船すると、少し走ってポイントに到着。すでに他の船がおり、多くのアングラーがジグをしゃくっていたが、どうやらまだヒットはないようだ。水深はおよそ80m。船長の合図で底から14~15mレンジを探っていく。ほどなくして鈴木さんにヒット!

小気味良い引きで上がってきたのは5kgほどのブリ。幸先のいい釣果に鈴木さんもニンマリだ。使用しているのは鈴木さん監修の細身のジグ、スピードスラッシャー。このアイテムの特徴は?

周囲の船も含めて誰も釣れていないなか、開始早々いとも簡単にブリをヒットさせてしまった鈴木さん。厳しい状況でも魚に口を使わせてしまうその能力は流石のひと言だ。 [写真タップで拡大]

狙いのレンジを素早く攻略! 早速、メインターゲットのブリがヒット! [写真タップで拡大]

鈴木「ひと言で言えば沈みの速いジグ。ヒラヒラ落ちていかず、すとーんと反応があるレンジを直撃できるのが利点です。小さい魚群の反応だとジグが到達する前に魚が散ってしまうこともありますからね。人より先に落としていけるのも釣果に繋がる大きなメリットです。また、潮を受けにくく暴れにくいから、潮の流れの速い場所にも向いていますね」

スピードスラッシャーはどう動かしたらいいのでしょうか? 

鈴木「ロッドを大きく揚げてふわ~っとリリース。するとジグが最大限のフォール幅で落ちていきますよ。このふわ~っと落ちていくときにバイトが出るんです。この地域はオオナゴを補食しているから、ゆっくりめで、釣れてないからスローに見せるようにアクションしました。ダート幅は1mくらいを意識して、反応が出ている場所を速く通過させないように、存在感を出しながら見せていくのがコツです」

【ヒットジグ】
オシア スティンガーバタフライ スピードスラッシャー180g(シマノ)

深いレンジに素早く落とし込める斬り込み隊長
鈴木さん監修のフォールの速さにこだわったジグ。ボディを細く絞り込むことで、抵抗をできるだけ軽減し、深い水深、激しい潮流、きついドテラ流しなどに対応する。ファーストコンタクトでの早掛けも狙える速攻ジグだ。

基本的にはワンピッチで、大きな動きで見せていくジグですね。

鈴木「はい。ラインスラックをすぐとれるようにハイギアリールで使いましょう。しゃくったときはバタバタと暴れないように設計されているんで、アングラーの手首や肩に負担がかかりませんよ。大降りにしゃくったほうがジグを見せる時間も増えるので、それをリズムカルに操作していきましょう」

ヒットパターン解説

アクションはゆっくりめのワンピッチジャーク。オオナゴを補食していることと、まわりも釣れてないという状況からスローに見せるようにアクションした。ダート幅は1mくらいを意識して、反応が出ている場所を速く通過させないようにピョーンピョーンと飛ばすイメージだ。 [写真タップで拡大]

ブリの次は根回りでタラやホッケを狙っていく

幸先よくブリをキャッチしたら、今度はより深場を狙って底物を狙うことに。流石は北海道の豊かな海だけあって、ホッケにタラと次々と魚がヒットしてくる。

鈴木「狙っているのは水深160m。着底してから3回シャクってヒラヒラヒラってフォールした瞬間に喰う感じですね」

シマノの探見丸(魚群探知機)対応の遊漁船だったため、持参のモニターで海の中の状況をリアルタイムにチェックしながら展開を考える。 [写真タップで拡大]

ホッケとタラを釣り分ける方法などはありますか?

鈴木「やはり魚種によって喰い方が違いますね。ボトムべったりを狙うか、少し上めを狙うかで変わってきます。ボトムならタラ、ホッケは上めで喰います。また、あんまり暴れすぎるジグだと、フォールで小さな魚が先に掛かってしまうので注意です。なので大きな魚を狙う場合はやはり沈みが速くて、暴れすぎないジグのほうが大きなタラが掛かることが多いですね」

オシア スティンガーバタフライ スピードスラッシャー
上から、240g、180g、そして150g。この3サイズを状況によって使い分ける。鈴木「ジグの重さは潮の速さ、風の強さで使い分けますね。浅くても潮が速くてジグが流されていくなら重くしていく必要があるし、深くても潮が利いていなければ軽いウエイトでも対応できます」 [写真タップで拡大]

ヤナギノマイやムシカレイなど、釣れてくるターゲットは豊富で釣りをしていて飽きない。魚種が豊富だと上がってくる魚が一体なんなのか最後までわからないので、160mという深いレンジからのファイトはワクワクが止まらない。

キタノホッケ [写真タップで拡大]

タラ [写真タップで拡大]

ヤナギノマイ [写真タップで拡大]

ムシガレイ [写真タップで拡大]

鈴木「深いからファイトが大変だけど、リールにパワーがあるから思っているよりかは楽ですよ。リールファイトで魚をバラさないようにテンションをかけながらファイトできますからね」

この日は全体的にあまり釣れていなかったのだが、鈴木さんだけで3尾のブリをキャッチ。海の透明度が高く、反応は出ているけどなかなかバイトは少ないなかでも、素早く広く探っていくことで貴重なバイトを引き出していった。 [写真タップで拡大]

初日はグッドサイズのブリが3本に、良型タラの連発撃、ホッケにヤナギノマイと大満足の釣果となった。正しいタックルのチョイス、そして巧みなルアー操作、それを導く状況判断能力が釣果が伸びていった理由だろう。

2日目、根回りをチェックして魚種追加!そして、鈴木さんも初めて釣る珍客が…!?

実釣2日目は、前日と打って変わって魚の反応が薄い日並みであった。ときおり青物が小規模のナブラを発生させており、群れの反応もあるのだが、なかなか口を使ってくれない。どうやら二枚潮になっているようで、これが釣れない要因だという。

鈴木「魚がいる肝心の層が動いていないんですよね。だから反応が出ていても喰わないんです。二枚潮は水温の違いによって発生することが多いですね。だいたい釣れないときは魚がいる層が動いていない。ジグにかかる水の感じでわかりますよ」

40cmクラスのソイは2尾キャッチ。ルアーはサーディンウェバーだ。鈴木「ジグのカラーはシルバー系をメインに使用しています。透明度が高い場合はこれでOK。ギラギラして目立つほうが魚も見つけやすいので」 [写真タップで拡大]

ブリのエリアは釣果が出ていないらしく、船長は根魚系のエリアを中心に回っていった。その後はソイを2尾キャッチすることができたが、前日のような盛り上がりは感じられず、そのまま納竿かと思われた矢先、ちょっとした事件が起きた。ボトムレンジを丹念に探っていた鈴木さんのロッドが大きく絞り込まれる。

それまでとは明らかに違う引きと重さ…。一体何がヒットしたのか? [写真タップで拡大]

鈴木「お、きたきた。大きいですよこれは。かなり重い、かなりの大物じゃないですかね」

ロッドを下に構えながら、リールファイトで焦らずゆっくりとハンドルを巻き続ける鈴木さん。

鈴木「ファイトはロッドを立てすぎないこと。ラインが緩んだ瞬間に外れたり、口切れを起こしたりしますからね。リールで一定のテンションで巻き続けて、魚が走ったら止めます。根がないのでドラグは緩めでOKですよ」

百戦錬磨の鈴木さんも初めて釣ったというアンコウ。こうしてみるとモンスターのような出で立ちで迫力がある。 [写真タップで拡大]

上がってきた魚体を見てびっくり。なんとアンコウだ。鈴木さんも初めて釣るという珍客に、船内にいた全員も驚いた。ブリにタラ、ホッケにソイ、そしてキアンコウと、五目を超えて10種に届きそうな豊富なターゲットに恵まれた今回の北海道釣行は大成功で幕を閉じた。

北海道・積丹ジギング釣行は、盛りだくさんな内容で、鈴木さんも大満足。 [写真タップで拡大]

使用タックル紹介

スピニングタックル


広いレンジをスピーディーに探るためのスピニング
写真上)●ロッド:オシアジガー ナチュラルジャーク S642●リール:ツインパワーSW8000HG●ライン:オシアEX8 PE 2.5号●リーダー:オシアリーダーEXフロロ40lb

写真下)●ロッド:オシアジガー ナチュラルジャーク S643●リール:ツインパワーSW8000HGライン:オシアEX8 PE 3号リーダー:オシア●リーダーEXフロロ40lb
(すべてシマノ) [写真タップで拡大]

ベイトタックル

ボトム付近をねちっこく探るときのベイトタックル
写真上)●ロッド:オシアジガー インフィニティ B652●リール:グラップラー300HG●ライン:オシアEX8 PE1.5号●リーダー:オシアリーダーEXフロロ 25lb

写真下)●ロッド:オシアジガー インフィニティ B635●リール:オシアジガー2000NRHG●ライン:オシアEX8 PE2.5号●リーダー:オシアリーダーEXフロロ40lb
(すべてシマノ) [写真タップで拡大]

※使用タックル、ルアーは2017年当時のものです


※本記事は”ルアーマガジンソルト”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

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