様々なルアーを使い、年間通して楽しめるボートシーバス。数々の必釣パターンが解明されているが、今秋リリースされたビッグベイトが新たなメソッドを提案する。その釣りをいち早く実践する東京湾の腕利きキャプテンが、既存のビッグベイトにはない威力を実釣で証明してくれた。
●文:ルアーマガジンソルト編集部
解説は家田成大さん
キャストが決まる! このルアーだから獲れた
実釣は9月末。例年なら東京湾のボートフィッシングは秋のハイシーズンを迎える頃だ。
家田「今年は季節が2、3週間遅れている感じで、まだ夏を引きずっています。湾奥は水が悪くてサワラが入りにくい状況だし、青物も夏前は良く釣れていたんですけど、今は……。チニングはキビレが産卵に入ってアタリの数が減っています」
他魚種が低調でも東京湾には年間通して楽しめるシーバスが居ます!
家田「そのシーバスも例年の9月末より釣りが成立する場所が少ない。一番強い釣りをしないと、魚、居ないんじゃないの!? みたいな感じです」
一番強いというのは今、もっとも有効な釣り方という意味?
家田「そう。今はでっかいトップウォーターや水面ダート系にかかる、かからないは別にして反応が良いです」
実釣もビッグペンシルベイトや水面ダート系のビッグベイトで?
家田「ビッグジョイントベイトを使いますが、新たなアプローチを仕掛けます」
新たなアプローチ?
家田「アーマジョイント190Fでストラクチャーを撃ちます。魚は居るはずなんですよ。ミノーやバイブレーションには反応しなくてもビッグベイトは喰う魚が居ますからね」
朝8時にスタートした実釣は、新たなアプローチを軸に展開するものの15時を迎える頃になっても魚は姿を現さない。東京湾のボートシーバスとしてはなかなかの苦戦。
だが今実釣で魚探に映るイワシの反応が最も濃いエリアに入ると、船上の重々しい空気は一掃された。バイブレーションやミノーのストラクチャー撃ちでシーバスをキャッチし、魚の存在を確認。
家田「アーマジョイントで(護岸の)凹み角を狙います。エグレの下に付いているはず」
約20mほどの距離にある、誤差10cmも許されないピンスポットに針の穴を通すようなキャストでアーマジョイント190Fフラッシュブーストを低弾道で送り込むと勝負あり! ロッドのディアルーナBS B61 0Mのバットが明らかにランカーとわかる引きを受け止め、ロッドが弧を描く。
家田「正確なキャストで撃てる。このルアーだから獲れた1尾ですね(笑)」
一般的なジョイントタイプのビッグベイトには真似のできないキャスト精度。アーマジョイント190Fフラッシュブーストは、何が違うのか? そして有効な使い方とは? 今回の取材でたっぷり解説いただいた。
エクスセンス・アーマジョイント190F フラッシュブースト Nアユ[シマノ]
ヒットルアーはシマノから今秋リリースされた新型シーバス用ビッグベイト。従来のこの手のルアーにはない投げやすさと艶めかしいアクションを両立させたビッグジョイントベイトだ。
投げやすくて真っ直ぐ飛ぶからピン撃ちが可能
東京湾のボートシーバスでビッグベイトといえば、コノシロなどの大型ベイトフィッシュに付くランカー狙い。オープンウォーターで投げるのが一般的だ。
家田「もちろんアーマジョイント190 Fもオープンウォーターで有効です。この釣りの場合、ビッグベイトの飛沫や波動、大きなシルエットによるアピール力の強さで魚を呼んだり、魚のスイッチを入れる作業になります」
では、通常はミノーやバイブレーションを使うストラクチャー撃ちをあえてビッグベイトでやる意味とは?
家田「最初にも話しましたけど、ビッグベイトにしか反応しない魚が居ます。あとは小型を避けてアベレージサイズを上げるという効力も期待できます」
釣れる魚の平均サイズが上がれば、80cm超のランカーが出る確率も高まりますね?
家田「そう。今まではやりたくてもストラクチャーを安定した精度で撃てるビッグベイトがなかった。あるいは撃てても強すぎて魚がスレてしまうとか」
アーマジョイント190Fフラッシュブーストは安定した高精度キャストができて、強すぎない。
家田「ジョイントベイトは艶めかしくナチュラルに泳ぎます。魚がスレにくい。ただ一般的なジョイントベイトは、飛行中にボディが“く”の字になるからクルクル回ったり、軌道が逸れてピンスポットをタイトに狙うキャストが難しくなります」
実釣中のアーマジョイント19 0Fフラッシュブーストの弾道は真っ直ぐでした。
家田「アーマブーストという独自のジョイント構造で、飛行中のボディはV字に折りたたまれた塊(笑)。空気抵抗を減らし、飛距離もキャスト精度も上がります。感覚的には重いバイブレーションやバルキーなワームを投げるのに近いですね」
ロッドに乗せて投げやすい?
家田「それはビッグベイト全般に言えるけど、アーマジョイントは空中でコンパクトになるから6、7割の力でも良く飛ぶ。力まなくても飛ぶからキャストの精度が上がります。ストラクチャー撃ちはタイトに撃つほど魚が出る確率が上がりますからね」
飛距離とキャスト精度の秘密は『折れ曲がり構造』
一般的なジョイント系ビッグベイトよりジョイントの可動域が広いため、飛行中はV型の塊になって空気抵抗を軽減し、飛行姿勢が安定。飛距離とキャスト精度の向上を両立させる。
家田「着水後の泳ぎだしでジョイントのプレートが磁石の力で半固定され、可動域を制限。ジョイントベイトらしい艶かしいアクションを魅せます」
飛行中や着水時のトラブルを防ぐプチロックを搭載
キャスト時にこれだけコンパクトに折りたたまれると、飛行中や着水時にフックがラインを拾わないか? フック同士が絡まないか? 心配になるが、実釣中に絡み系トラブルは皆無。
家田「フックの可動域を抑えるプチロックが非常に効いています。フッキングが悪くなることもなく、魚がかかればロックが外れてフックの可動域が広がり、バラシも減ります」
群を抜くキャスト性能! ビッグベイト入門者にもぜひ!
家田「ビッグジョイントベイトはベイトタックルで投げますが、急に失速してバックラッシュすることがあります。アーマジョイントはそういったトラブルがなく、6、7割の力で良く飛んでコントロールもしやすい。とにかく投げやすいので、ビッグベイト入門者の方にもおすすすめです」
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