ショア青物ゲームにおいてなくてならない存在なのがヘビーウエイトミノー。ビバのアクアウェーブブランドからリリースされている飛ブンダーZと飛ブンダーXは、その飛距離を武器にあらゆるシチュエーションで心強い味方になってくれること間違いなしだ。その性能を確かめるために、千葉県の地磯で投げてみた。
●文:ルアーマガジンソルト編集部 (西村十吾)
常に爆発的な飛距離を生み出す、問答無用のぶっ飛び性能
空気抵抗のないスリムなボディデザインも飛距離が出る秘密!
飛ブンダーシリーズは、その名の通り高い遠投性能を有するヘビーウエイトミノーだ。飛ブンダーXは95mmのボディに30gの重さ、飛ブンダーZは110mmで40gという設計である。実際に投げてみると、その圧倒的な飛距離に驚かされる。このサイズ感の重いミノーはよくあるが、それらよりも投げやすいと感じる。そのキャストフィールはヘビーなシンキングペンシルを思わせるほどだ。同ウエイトのジグと比べても、あまり差は感じないほどである。
この飛距離の秘密はスリムなボディ形状のリップデザイン。流線形のボディに、リップはやや前方に突き出すようにセットされており、キャスト時の空気抵抗が減るように設計されている。このため、キャストをすると矢の飛んでいくのだ。
横風や逆風にも強く、常に安定した飛距離が出るようなルアーに仕上がっている。重心は固定だが、重心バランスがしっかりしているのでキャスト中に回転するようなことは全くなし。後述するアクション面でも、この固定重心のおかげで安定したアクションレスポンスを生み出している。
使用タックル
ショアプラッギングはもちろん、オフショアのキャスティングゲームにも最適!
このルアーの登場場面としては、堤防などでのショアジギ、地磯・沖磯でのロックショアプラッギング、サーフでのフラットフィッシュ・青物ゲームなど。ショアだけでなく、オフショアでのキャスティングゲームでも、イナダ~ブリ、シイラ、カツオなど、回遊魚狙いで活躍すること間違い無いので、ボックスに入れておいて損はないだろう。
飛ブンダーXの95mm/30gというスペックは、全国のあらゆるシチュエーションにマッチするサイズ感だし、使用できるタックルも幅広い。一年を通して多いイワシなどの大きさにもベストマッチだ。飛ブンダーZの110mm/40gというサイジングも、スリムなシルエットなので重さに反して見た目はコンパクト。大型青物狙いの場面でも食わせの一手として効果を発揮する。
ダイビングペンシルやポッパーで反応が出ず、ジグでは沈み過ぎる、でも飛距離は欲しい、そんな時にこのルアーの出番がやってくる。
ナチュラルなスイムアクションとシミーフォール
スイミングアクションはナチュラルなウォブンロール。ややスローめに巻いてもアクションするし、高速で巻いても泳ぎは破綻しない。ヘビーウエイトミノーにありがちな、ボディを大きく振るハイアピールなものではないので、ターゲットに対してプレッシャーを与えずアプローチすることができる。
さらに、引き抵抗は弱め。フルキャスト&リトリーブを繰り返すこの釣りでは、引き抵抗の重いルアーは手返しが悪くなって不利。しかし、このルアーは20~30m沈めて巻いてきても引き重りがそれほどないので、釣りがとても楽。それでいて適度な抵抗感があるので、どこのレンジを引いているか、潮の重さはどれくらいなのかというのがわかるので、水面以下はこのルアーでほぼ攻略できるのではないかと思うほどだ。
アクションは、ただ巻きをメインに、ストップ&ゴー、2~3ジャーク&ポーズ、連続のトゥイッチやワンピッチジャークなど、いろいろ対応してくれる。左右に大きくジャークで飛ぶようなルアーではないが、ロッドワークで十分に食わせの動きを演出することができる。
また、フォールは水平姿勢でヒラヒラとボディを揺らしながら落ちていくシミーフォール。このフォール中も大事なアピールポイントなので、それを意識しながらアクションをさせていくとよいだろう。
フォールは水平姿勢でヒラヒラとボディを揺らしながら落ちていくシミーフォール。
さまざなシチュエーションにマッチするカラーバリエーション
カラーは飛ブンダーXが12色、飛ブンダーZが8色をラインナップ。イワシやブルピン、アカキン、ピンク、キャンディ系などに加え、澄み潮やマイクロベイトなどを捕食している時に強いクリア系もあるのが嬉しいところ。
飛ブンダーXはクリア系統のカラーが3色用意されている他、サーフで人気のマットピンク、サワラゲームで定番になりつつあるシルバー系がラインナップされている。釣り物別やシチュエーション別に、これらのカラーをいくつか用意しておけば現場で困らないだろう。
『飛ブンダーX』のカラーバリエーション
『飛ブンダーZ』のカラーバリエーション
飛距離を武器にあらゆるソルトゲームを掌握
飛距離が出ることでデメリットになることはない。飛ブンダーシリーズはルアーフィッシングにおいて大事なファクターである飛距離という面でかなり優秀なルアーであるので、その性能を一点買いして、新たにボックスに入れてみるのも悪くないと思う。
あと一歩で届きそうな遠方のナブラなど、まず届かなければ話にならない、というシチュエーションも少なくない。ワイヤースルー構造で強度面も問題ないし、フックも高性能のものが標準装備されている。
いろいろな釣り物に使えるので、飛ブンダーXと飛ブンダーZを用意しておけば、思わぬところで威力を発揮してくれるはずだ。ショアプラッギングゲームの優秀なる一駒として、ぜひ使ってみてほしい。
と、ここまで偉そうなことを述べてきたが、この日の実釣はかなり不調…。ノーフィッシュに終わってしまった。次回、また釣行する際に釣果が出たら、こちらのページに追加しておこう!(汗)
使い分けるなら『ブレードマジック』もタックルボックスに忍ばせたい!
当日は目線を変えるための使い分けとして、『ブレードマジック』も併用。飛ブンダーシリーズほどの飛距離は出ないものの、その名の通り、ブレードが特徴的なルアーであり、その
シリーズは3サイズがラインナップされるが、90mmモデルと、90mmのヘビーモデルは青物やフラットフィッシュなどに最適で、幅広いフィールド・魚種をターゲットにしている。75mmモデルはシーバスを強く意識したサイズだが、ゴロタ場からの回遊魚狙い、ボートからのキャスティングゲームなどでも活躍してくれるはずだ。
ちなみに、その後別のタイミングでブレードマジックをボトム付近でトレースしていたところ、両型のカサゴが喰い付いてきた! アイの位置がヘッド上部にあること、さらにブレードの抵抗もあり、バイブレーションに似た引き抵抗なのも特徴だ。
何かと万能なルアーなので、飛ブンダーシリーズをメインにしつつ、目先のアピールに変化を加えたいときには必ず役に立ってくれるアイテムだ。
75mmサイズがシーバスを強く意識したサイズなのに対し、90mmモデルと、90mmのヘビーモデルもは各種青物やフラットフィッシュなど、幅広いフィールド・魚種をターゲットにしている。
別の日に、ブレードマジックにヒットした24cmほどの良型カサゴ!
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