クランクベイトは、エリアにおける最重要ルアーのひとつ。一定レンジを引きやすく、しかも中低速巻きに完全対応する。クランクベイトを使いこなせば、大幅な釣果アップが見込めるのだ。ここでは伊藤雄大さんに登場してもらい、有効な操作法を解説してもらった!!
●文:ルアーマガジン編集部
最大限の釣果を得るためにマスターしておきたいこと
守りすぎはNG!? 攻めるクランキング術
さて、クランクベイトはどんな場面で投げるのだろうか。
伊藤「スプーンを投げても何も起きないとき(笑)。スプーンを投げても小さなアタリが2回あっただけで以後まるで反応がない……。そういうことってよくあるじゃない!? こんなときはクランクベイトの出番です。スプーンとは異なる速度帯+波動で誘えるから、スプーンに反応がない場面でも比較的釣果が得やすいんです」
なお、ルアー選択時はパワーを落としすぎないことも重要だ。
伊藤「守護神的なルアーを投げれば確かに釣れます。でも、ルアーのパワーを落としすぎると、それなりの釣果に落ち着いちゃうんです。守りすぎてはダメ。攻めて釣れる魚がいる。攻めるからこそ平均値を超えられるし、本当に厳しくなった局面で、例えばココニョロやプチモカといった守護神的ルアーが生きてくるんです」
放流したてはスプーンで釣ろう!!
伊藤「せっかくの放流なのに、クランクベイトを投げているアングラーをたまに見かけます。放流魚は活性が高いので、クランクベイトでも釣れますが……スプーンを投げればもっと効率的に数が伸ばせます。放流時にスプーンが有効な理由は、なにより速巻きへの適応力が高いから。投げて沈めて巻いて……という動作がしやすい。放流魚は視覚に頼って捕食する傾向があり、スプーンならそんな魚にも効果的にアピールできます!!」
フォルテ 2.1g(ベルベットアーツ)
伊藤「放流で使いやすいのは、フォルテなら2.1gですね。カラーは新色の二代目鱒王がおすすめ。これは赤系と金系を配し、放流魚を強く意識した色。数釣りはもちろん、大物狙いにも効きます!!」
クランクベイトのカラー選び
伊藤「例えば、放流魚の残党を釣るときは、水深30~150cmを速めの巻きで探れるグラスホッパーやフラパニが定番です。魚に活性が残っていると想定される場面なので、メッキのキラキラカラーがほしくなる。対して、表層の低活性魚を釣るときは(=食わせの最終局面)、ちびパニやプチモカが活躍する。この状況では、「魚に歩み寄る色」を選ぶ。具体的には単色の茶色とかね。カラー選びの基本はスプーンと同じなので難しくありません」
伊藤「ニョロは緑系をよく投げる。理屈はわからないけど、釣果に明らかな差が出ることもしばしば。そのほか、丸っこいクランクベイトの定番はゴースト系。腹と背中にちょっと色が付いているゴースト、グロー入りゴースト、クリアレッド、緑飛ばしのペレット。このあたりが四天王ですね」
ルアーの基本性能を見極める
クランクベイトは、モデルによって探れるレンジが決まっている。それゆえに潜行深度をしっかり把握しておく必要がある。
伊藤「慣れてくると、F(フローティング)やSS(スローシンキング)などの浮力表記、リップの角度や面積を見れば、おおよその潜行深度が想像できるようになる。とはいえ、実際の潜行深度は、使用するラインの種類や太さによっても大きく変わる。自分のタックルだとどのレンジを泳ぐのか、事前に確認しておきましょう」
リップ形状
潜行能力を司るパーツ。一般的に長ければ深め、短ければ浅めのレンジを得意とする。また、その角度にも注目したい。45度前後ならグイグイ潜り、垂直に立っているものはあまり潜らない。
ボディ形状
丸めのボディは水押しでアピールする。対して平べったいボディはパタパタと視覚効果で誘う。魚が好むアクションは時々で異なるので、得意なアピールごとにルアーを用意しておきたい。
クランキングの釣れる操作法
クランクベイトを使いこなすうえで、いくつか注意すべき点がある。
伊藤「いちばん大切なのは、一定のスピードで巻くこと。イレギュラー(不意のアクションや食わせの間)に頼るのではなく、同じ振り幅でノコノコと泳がせたいです。このときの水押しによって生まれる独特の波動で魚にアピールします」
ここでは伊藤さんにもっと釣れる操作のコツを教えてもらおう!!
手順1 ラインの弛みを取る
ルアーが着水したら、竿先をクッと軽めに引き、ラインの弛みを取る。ラインの軌道を直線にすることで、操作感度が増すほか、狙いのレンジまで確実に到達し、しかもアクションも安定する。
手順2 グリで潜らせる
リールをグリグリ巻き、ルアーを狙いの水深まで潜らせる。ハンドル1回転を「1グリ」とし、何グリ(=レンジ)で魚のアタリがあったかを覚えておく。これにより攻める水深が明確になる。
手順3 一定の速度で巻く
ルアーが狙いのレンジに到達したら、食わせのリトリーブに移行する。食わせのコツは、一定の速度で巻くこと。クランクベイトは「狙いのレンジ」で「安定的に泳がせる」のがキモなのだ。
ラインセッティング
伊藤「クランクベイトは、ラインテンションがかかった状態で操作することが多くなります。そのため、アタリを弾いたりバラシが多発するときはテンションの逃げ道を意識する必要があります。僕がこの釣りで使用するラインは、主にナイロンとエステルの2種類。以下に具体的な組み合わせを紹介するので、ぜひ自分の釣りに組み込んでみてください。ちなみに現在、バリバスで親水性ナイロンを開発中。詳細はまだ公表できませんが、これもクランキングにぴったり。期待していてください!!」
【ナイロン】
スーパートラウトエリアマ スターリミテッド[SVGナイロン](バリバス)
伊藤「グラスホッパーとSVGナイロンの相性はバツグン。ほかにも、最近のトレンドになりつつある、ちびパニやモカなどのミニクランクの速巻きにもおすすめ。太さは3lbが使いやすい」
【感度重視エステル】
スーパートラウトエリア マスターリミテッド[スーパーエステル](バリバス)
伊藤「モカDR-SSをゆっくり引くなら(ラインテンション弛め系)コイツの出番。超低速でも手元にプルプル伝わるし、小バイトもわかりやすい。スーパーエステル0.3号+フロロ0.6号がマッチ」
【オールラウンド系エステル】
スーパートラウトエリア ES2 エステル ナチュラル(バリバス)
伊藤「1タックルでいろいろやりたいなら、オールラウンドなES2を選ぶ。スモールからフルサイズまであらゆるクランクベイトを投げられる。ES2 0.4号+フロロ0.8号の組み合わせがおすすめ」
フックセッティング
伊藤「クランクベイトは、ラインテンションがかかった状態で操作することが多くなります。そのため、アタリを弾いたりバラシが多発するときはテンションの逃げ道を意識する必要があります。僕がこの釣りで使用するラインは、主にナイロンとエステルの2種類。以下に具体的な組み合わせを紹介するので、ぜひ自分の釣りに組み込んでみてください。ちなみに現在、バリバスで親水性ナイロンを開発中。詳細はまだ公表できませんが、これもクランキングにぴったり。期待していてください!!」
【ナイロン】
スーパートラウトエリアマ スターリミテッド[SVGナイロン](バリバス)
伊藤「クランクベイトは、ラインテンションがかかった状態で操作することが多くなります。そのため、アタリを弾いたりバラシが多発するときはテンションの逃げ道を意識する必要があります。僕がこの釣りで使用するラインは、主にナイロンとエステルの2種類。以下に具体的な組み合わせを紹介するので、ぜひ自分の釣りに組み込んでみてください。ちなみに現在、バリバスで親水性ナイロンを開発中。詳細はまだ公表できませんが、これもクランキングにぴったり。期待していてください!!」
キャンバス#7(バリバス)は、やや内向きの中細軸。どんなルアーにも使える汎用性の高さが特徴で、クランキングの速度帯とも合う。対してクラッチフック(ロデオクラフト)は、内向きの細軸。スローな誘いを得意とするほか、低活性時の小さなバイトをも絡め取れる繊細さがウリ。
取材協力「須川フィッシングパーク」
富士の湧水を利用した静岡東部の超人気エリア。自分のスタイルに合わせ、大小の池から自由に釣り座を選べるのが魅力。小さな池であれば、遠投なしのショートキャストでもバンバン釣れるのでビギナーにもおすすめ。水質はクリア。金太郎カップなどの釣り大会も定期的に開催されている。
項目 | 情報 |
---|---|
所在地 | 静岡県駿東郡小山町藤曲1026-1 |
電話番号 | 0550-76-0105 |
営業時間 | 10~3月(8~16時)、4~9月(7~17時) |
Webサイト | https://www.sukawa.ne.jp/ |
伊藤雄大さんのプロフィール
伊藤雄大(いとう・ゆうだい)
ベルベットアーツ代表、バリバス、リヴァイブ・フィールドテスター。686アンバサダー。エリア界屈指の理論派で、緻密な戦術を組み、盤石の試合運びをすることから、「絶対王者」と呼ばれる。伊藤さんのTwitterアカウントでは、新製品情報のほか、スペースでラジオ配信「教えて雄大先生」が聞けたりする。今すぐフォローしよう!!
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- 発売日:2022年11月16日
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。