《エグイて》2.5mを超えるイワシ!? 水深2000m、かつてない深世界をサンシャイン水族館で展示!

サンシャイン水族館「ゾクゾク深海生物2023」が2023年1月13日(金)~3月12日(日)まで開催される。国内初展示となるヨコヅナイワシの冷凍標本や水中ドローン深海調査報告・体験イベントなど「駿河湾の深海生物を大調査!」をテーマに深海イベント開催!

→《巨大な新種》ヨコヅナイワシとは

●文:ルアマガプラス編集部

2024 新製品情報

サンシャイン水族館「ゾクゾク深海生物2023」

7回目の開催となる本イベントでは、「駿河湾の深海生物を大調査!」をテーマに開催。駿河湾は日本一深い湾で、現在も前人未到の未開拓エリアが多く、2021年に「ヨコヅナイワシ」が新種登録されるなど、未だ多くの謎に包まれています。

深海とは、わずかな光しか届かない水深200mより深い海域のことで、暗く、冷たく、高水圧の過酷な環境が広がっています。深海で生存する生き物の中には、私たちが日頃目にすることの多い海の生き物とは異なるユニークな特徴をもつものがいます。

サンシャイン水族館では2019年より駿河湾を中心に、深海生物調査や水中ドローンを用いた生息している生物の種数の組成のことを示す生物相や、環境調査に取り組んでまいりました。

今回はこれまでの調査内容に加え、国内初展示となるヨコヅナイワシの冷凍標本や、2022年国内最長展示を記録した深海のアイドル、メンダコの特集などを中心に、当館が採集した生き物や迫力ある標本・映像を通し、深海の秘密と魅力に迫ります。

ヨコヅナイワシ(世界で7例目の採集)

また、深海の世界をより身近に感じていただくため、深海特別バージョンの「バックヤードツアー」・深海にまつわるトークイベント「深海トーク」・調査ミッションをクリアしながら楽しめるクイズラリー「調査ファイルを復旧せよ」などの体験イベントや、深海ゴミの脅威についての解説展示を実施します。

さらにサンシャイン水族館本館横の特設会場では「リュウグウノツカイ」の標本や「ミツクリザメ」の剥製の展示に加え、魚釣り体験ゲームが楽しめる「ワクワク深海ランドwith釣りスピリッツ」が同時開催中です。

深海生物は生息水温が低いため、海水の表面水温が下がる、深海生物への影響が最も少ない冬にしか状態良く採集できません。ぜひこの機会にサンシャイン水族館へ足を運んでみてはいかがでしょうか!

水中ドローン調査とアームを用いた生物採集

深海の入口にあたる水深200m付近は、まだまだ知られていないことが多く、サンシャイン水族館では定期的な調査を通じて、深海生物の生きている状態の映像や生息環境など様々な情報を集め発信することで、生物飼育や展示に活かすことを目標としています。

2019年より小型で遠隔の操作性に優れたFullDepth(フルデプス)社製水中ドローン(無人探査機)を用いた深海調査を定期的に実施しており、未知の領域を解明する研究に取り組んでおります。

2022年からは新しい取組みとして水中ドローンにアームを取り付けて生物採集を行っています。これまでの調査で得られたデータを深海生物の飼育に活かしており、過去にはメンダコの長期飼育(2022年)に成功しました。こちらのコーナーでは、これまでや今後の調査についてパネルで解説すると共に実際に採集した生き物の展示を行う予定です。その他、水中ドローンがとらえた深海映像も放映します。

~深海2,000mのトッププレデター現る~

水深2,000m付近の定点カメラの様子

近年、新種として確認されたばかりで、深海2,000m域における生態系の頂点に位置する(トッププレデター)ことが分かった大型の深海生物であるヨコヅナイワシの冷凍標本を日本初公開します。

9月16日(金)に駿河湾焼津沖の水深2,200m付近で採集された本個体は、体長約135㎝で、体重34.6kg。世界最大の深海硬骨魚であるヨコヅナイワシは鱗が剥がれやすい特徴があります。採集される事は非常に珍しく、本件が世界7例目となります。

ヨコヅナイワシについて

ヨコヅナイワシのイラスト

駿河湾および伊豆半島から小笠原諸島にかけた水深2,000m以深に生息する世界最大の深海硬骨魚。大きくなると250cm以上となり、鱗が剥がれやすい。2021年に新種登録され、その生態について解明されていないことが多い。

深海のアイドル、メンダコの秘密

ゾクゾク深海生物と言えば深海のアイドル、メンダコです。相模湾~東シナ海の水深200m~1,000mに生息するメンダコは、体長約15~20cm程の大きさで、パタパタと動く耳のように見えるヒレやスカートのようにも見える腕と腕の間の傘膜(さんまく)が特徴的。吸盤は1列に並び、墨袋を持っていないので、墨を吐くことはできません。

前回の「ゾクゾク深海生物2022」では、国内最長展示76日間という長期展示を実現し、その展示で得られた貴重な飼育データは深海生物の飼育・展示に活用されています。イベントでは国内最長展示記録を達成したメンダコの映像や採集・飼育のデータ、標本を展示します。この冬も採集次第で、運が良ければメンダコの生体展示が見られるかも?!

ゾクゾク深海生物2023 開催概要

  • 会期:2023年1月13日(金)~3月12日(日)10:00~18:00 ※最終入場は閉館1時間前
  • 会場:サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上 サンシャイン水族館
  • 料金:サンシャイン水族館の入場料のみでお楽しみいただけます。 ※バックヤードツアー、深海トークは有料
  • URL:https://sunshinecity.jp/file/aquarium/zokuzoku_deep_sea/

※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。